(兄→金←福)陰間パロツイまとめ

呟いてたら長くなってきたので自分の中での整理も兼ねてまとめ。小説じゃないょ 尻切れですが終わりましたヾ(:3ノシヾ)ノシ
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めり @tsr10_

@h_tsr91 (しまった「接吻」は明治からだシマッターーーーーーーー)

2014-08-05 00:45:25
めり @tsr10_

@h_tsr91 金城が唇を許したのは二人目(相手は言わずもがな)。本来なら心に決めた一人にだけ差し出すものなのに自ら福富に口付けてしまい、直後我に返り己の行動を恥じる。

2014-08-05 12:30:08
めり @tsr10_

@h_tsr91 「金城、そんな悲しい顔をしてくれるな」「そうはいかない。俺はたった今、不貞を犯した。寒咲様のこともお前のことも裏切ってしまった…!」金城は恥と怒りと悲しみに声を震わせ俯いてしまう。

2014-08-05 12:45:52
めり @tsr10_

@h_tsr91 「顔を上げろ。俺はお前が俺や寒咲殿を裏切ったとは思えない。どちらも大切に思っているだけだ」「そんなもの詭弁だ」「違う。お前は今俺を男として好いてくれた。そして、寒咲殿のことは唯一無二の、心を預けられる義兄のように想っている」「…兄」

2014-08-05 13:18:28
めり @tsr10_

@h_tsr91 「新造のころから気にかけて、水揚げを買ったのも寒咲殿なのだろう?お前を見守り続け、愛した人だ。独りここにやって来たお前にとって唯一の身内のようなものじゃないか」

2014-08-05 13:52:25
めり @tsr10_

@h_tsr91 「だから俺はお前が寒咲殿を慕っていても疑問はないし、その想いを捨てろとも言わない。そのような大切なものを捨ててはいけない。だがこれだけは言っておく。俺は寒咲殿とは違う愛し方ができる。対等な男として、お前を生涯の伴侶として愛せる」

2014-08-05 13:56:00
めり @tsr10_

@h_tsr91 それからお真は、福富と寒咲と自分の関係について考え込むようになる。悩むというよりは自分が一番納得できる選択肢について思案するという感じで。その間も福富と寒咲は会いに来るけどなにも聞かない、本人が答えを出すのをひたすら待ってる。内心やきもきしてっけどな!!

2014-08-08 00:28:50
めり @tsr10_

@h_tsr91 「では帰るよ」「お待ちください」寒咲が振り返るとお真が畳に手をついて深々と頭を下げている。「なんの真似だ、顔をあげろ」「なりません」ただならぬ声色に寒咲も口を噤む。「身の程を知らぬことを承知で申し上げます。…身請けの件、なかったことにして頂けませんでしょうか」

2014-08-10 15:11:56
めり @tsr10_

@h_tsr91 沈黙が流れ、互いに微動だにしない。呆れているのか憤っているのか、相槌ひとつ返さない寒咲。お真はそれにじっと耐えていたが、重たい空気がそのまま身にのしかかり、やがて密かに唇を噛み後悔の念が芽吹き始める。寒咲のほうから衣擦れの音がしたのはそのときだった。「聞こうか」

2014-08-10 21:09:53
めり @tsr10_

@h_tsr91 お真はなかなか口を開くことができない。寒咲はというとお真の正面に座り直した気配はするものの今度こそ声を発する気は無いらしい。お真は意を決して干からびた喉から言葉を絞り出す。「あの日から寒咲様という存在について、わたくし自身の存在について考えを巡らせておりました」

2014-08-12 01:56:35
めり @tsr10_

@h_tsr91 「寒咲様はまだわたくしが未熟者であったころから何かと御気に掛けて下さり、身に余る恩がございます。わたくしはいつしか貴方様に惹かれ、お慕いし、挙句髪を差し上げました。あの日の想いは今も尚、色褪せることなくわたくしの胸に灯っております」

2014-08-12 02:21:31
めり @tsr10_

@h_tsr91 「しかし時折その想いについて思い返したとき、胸のつかえが取れなくなるのです。わたくしは髪を差し上げ、唇の純潔も捧げ、寒咲様は全て受け止めてくださいました。だというのに、他の殿方とは一線を画す寒咲様とわたくしの距離の間に薄らと壁がある気がしてならぬのです」

2014-08-12 02:28:30
めり @tsr10_

@h_tsr91 「けして寒咲様から愛されておらぬなどと戯けたことを申し上げるつもりはございません。けれど寒咲様がわたくしに与えてくださる愛やわたくしが寒咲様に抱く想いが果たして恋慕のそれなのか、ひょっとするとわたくしは思い違いをしているのではないか、と考えるようになったのです」

2014-08-12 02:34:07
めり @tsr10_

@h_tsr91 「このような具体的な言葉で申しあげられるようになったのはつい最近のことでございます。それまでわたくしは、この心の靄の存在を認めてはいたものの正体までは見当がつきませんでした」

2014-08-12 15:55:27
めり @tsr10_

@h_tsr91 「その中で出逢ったのが福富様でございました。渋々連れられた遊郭遊びだがその際にわたくしを見初めたと言い、一見おぼこな若武者様といった印象でした。ですが言葉を交わしてみれば冴えるお方で親しみを覚えるのに時間はかからず、夜通し気取らぬ話をして過ごすこともありました」

2014-08-13 22:43:04
めり @tsr10_

@h_tsr91 「わたくしは…お気を悪くしないでいただきたいのですが…福富様は寒咲様に似ていると感じました。外見や性格の話ではございません。売り手と買い手とはまた別の繋がりを抱くという意味では、福富様は寒咲様以来のお方だったのです。但し、似て非なる関係だとも分かっておりました」

2014-08-13 23:33:08
めり @tsr10_

@h_tsr91 「わたくしは、福富様には友愛の情を抱いているに過ぎないのだと思っていたのです」淡々とした語り口がふいに淀む。「福富様へ抱く感情はお逢いするたびに変化しました。それも形容しがたい、経験の無いものへ。元ある靄と新たな靄が結びつき始めたのはこの頃からでございます」

2014-08-14 01:10:54
めり @tsr10_

@h_tsr91 「福富様の一途さが鼻につくこともありました。わたくしはその愚直…いえ、実直さに戸惑っていたのです。設えた境界線を土足で踏み越えて、陰間ではなく対等な人間として愛したいなどと言う。なんと傲慢な男だ、だが真っ直ぐな瞳で告げられ、惑う己の心に何と名をつけたらよいのか」

2014-08-14 23:39:47
めり @tsr10_

@h_tsr91 「前置きが長くなりました。結論を申しますと」揺れながらも続いた語りがここで途切れた。口を開いては閉じ、唇を結んでは解く。頭を垂れているのでその様子は寒咲からは見えないが想像するに容易い。だが寒咲は待った。「…わたくしの想い人は、福富様であると知ってしまいました」

2014-08-16 01:08:36
めり @tsr10_

@h_tsr91 告げた瞬間、お真の指先は耐えるように白く震えた。「お真の奥に住まう、真護という本来の人格を、あの方は見透かしておりました。そのことは恥であるはずなのに、あろうことか強引に暴かれることを嬉しく思う自分がいたのです。この方は、ありのままの俺を知ろうとしてくれると」

2014-08-16 01:18:58
めり @tsr10_

@h_tsr91 「…ですがわたくしは」波打つ感情を押し込め、再び声色は平静を取り戻す。「それでは今まで己が寒咲様に抱いていたものは何だったのかと考える必要がありました。否、答えはもう出ていたのです。わたくしにとって寒咲様とは、恋仲ではなく兄のようなお方であると気づいていました」

2014-08-16 01:56:13
めり @tsr10_

@h_tsr91 「ただわたくしは怖かった。このことを打ち明けたとき貴方がどうお答えするのかが想像できなかった。尻の軽い奴だと罵られるやもしれぬ、今まで築いた仲はまやかしであったのかとお怒りになるやもしれぬ。貴方から嫌われることに怯え、言い出せずにいた卑怯者でございます」

2014-08-16 02:04:56
めり @tsr10_

@h_tsr91 「ですが、覚悟を決めました。寒咲様と交わした契を破ることには変わりません。自分の気持ちに嘘をつけない以上、このように穢れた身でのうのうと寒咲様の元に参るような恥を知らぬ真似はできません」

2014-08-16 02:12:28
めり @tsr10_

@h_tsr91 「折檻を受けよと仰るのならお受けいたします。もしお望みであれば、この命を差し上げます。裏切り者めの罰はなんなりとお申し付けくださいませ」お真の頭が、より深々と下げられる。「寒咲様からの恩を無碍にする、わたくしのような者が身請けを受ける価値はございません」

2014-08-16 02:20:29
めり @tsr10_

@h_tsr91 「どうか、ご再考願います」その言葉を最後にお真は身じろぎ一つしなくなる。きっとこの場で寒咲が激高し殴りかかったとしても、黙って立ち去ってもその体勢を崩さないだろうことは寒咲にもわかった。そのまま互いに動かないまま、刻々と時間だけが過ぎていく。

2014-08-16 02:38:59
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