ついのべまとめ 1

夢前 日陰 @yumesakihikage

夢前日陰への3つの恋のお題：手遅れになる前に/星に願いを、月に祈りを/たくさんの嘘とひとつの真実 shindanmaker.com/125562

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夢前日陰へのお題三種：やっと世界が動き出す。／「デートしない？」／全く現実味がなくて、風にもすり抜けられていそうだ shindanmaker.com/160169

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「ねえ。そんなに暇なんだったら、これから私とデートしない？」あまりの暇さに、スマホで女友達の一人に電話を掛けた俺の耳に届いた言葉は、完全に予想外だった。窓から吹く風も感じられない。全く現実味がなくて、風にもすり抜けられていそうだ。焦れるように名前を呼ばれて、やっと世界が動き出す。

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たくさんの嘘とひとつの真実が、君に届かないことくらい、わかっているけれど。それでも、輝く星に願いを、月に祈りを捧げて何が悪いというのだろう？どうかどうか、叶えてくださいませんか。彼に、私のたったひとつの真実を伝えてほしいのです。手遅れになる前に。彼に、「愛している」の言葉だけを。

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夢前日陰への3つの恋のお題：傷つけてもいいから/ずっと触れたかった/信じたい、でも、信じられない shindanmaker.com/125562

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彼が私を抱きしめた。ああ、どれだけ傷つけてもいいから、私の隣にいてほしいと思っていたの。久しぶりに会った彼は、少し逞しくなったみたい。この腕に包まれたかった。この温もりに、ずっと触れたかったの。でも、もう、いらない。彼のことを信じたい、でも、信じられない。そう、わかってしまった。

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夢前日陰へのお題は『君が吐いた嘘と本当』です。 shindanmaker.com/392860

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夕暮れ時、オレンジに燃える空を見て、彼は言った。「綺麗だな」彼には見えないとわかっていて、なんとなく頷いた。「そうだね」変な形をした雲が燃えている。手を伸ばしたら、掴める気がした。「どうした？」彼が見ていた。「…ん？…いや」僅かに逸れた位置に手を戻す。空気を切り裂いて、拳になる。

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握り拳の向こうから、変な形をした雲が姿を現した。「…うん、」やっぱり、世界は回っている。こんなにも身近に、その証明が燃えていた。「掴めるような、」握り拳を開いて、手のひらで変な形をした雲を隠した。「気がしたんだけど、」また空気を切り裂いて、拳になる。「…無理みたい」笑みが零れた。

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不意に握り拳が隠され、隠した本人が私の前まで移動した。「掴めたよ、」目を軽く見開いて、薄く開いた唇から、吐息のような言葉が漏れる。「え…？」彼の手にしっかりと握りられた私の握り拳から、ゆっくりと力が抜けていく。「だから、」ゆっくりと、彼の唇が動く。「俺も掴んでみて」ひどい、言葉。

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掴ませてはくれないくせに。「つかまってくれるの？」ひどくゆっくりとした時間を感じながら、答えのわかっている問いを投げかけた。「君になら、捕まってあげる」私は困ったように笑って、唇だけを動かす。「――――」音のない言葉を受け取って、彼は笑った。その瞬間、私の世界の時間は元に戻った。

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ふと空を見上げてみれば、変な形をした雲はもう、どこかへと行ってしまった。「ねえ、」ああ、まるで。「俺、」片手で私の手を握り、片手で私の髪を撫ぜる。「もうすぐ、」彼の顔を見てみれば、彼は私をジッと見つめていた。「引っ越すんだ、」まるで。「だから、」彼みたいな。「ごめん…」夕焼け雲。

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捕まえられるかと思わせて。「…うん」その舌の根も乾かないうちにさ。「ごめん、」私の手から「…うん、」すり抜けて。「わかってた、よ、」行っちゃって。「ずっと、」いつだって。「前から…」彼は、そう。「…ずっと」いっそ不気味なほどの無表情を貼り付けて、彼は私の元を離れていく。…簡単に。

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見上げた空のオレンジが薄くなっていた。燃えるような赤は消え、後味の悪いオレンジが目立っている。「…嘘じゃ、なかったよ」何が、と。「あの言葉は、嘘じゃなかった」目で問いかけた答えは、笑っちゃいそうなほど。「君になら、捕まってもよかった」わかりやすい。「掴ませてもくれないくせに」嘘。

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彼を詰った直後に、涙が溜まる。「っ…」目を伏せて。「掴ませてもくれないくせに、」彼を。「何が、捕まってもいいなの、」詰る。「…なにが、」なじる。「つかまれても、よかったの」私の心を掴んだまま、返してくれないくせに。「ごめん、」掴まれたままの左手を取り返そうとして、右手を動かした。

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私の手から彼の手を離そうとして、右手を動かす。指で彼の指を剥がそうとしても、何故か力が入らない。「…ごめん」左目から流れた涙が、顎で溜まる。「かえしてっ、」謝るくらいなら、「かえしてよっ！」その手に掴んだ私の心、欠片も残さず私の元に返して。「っ、ごめん、」不意に、抱き寄せられた。

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返してくれない。「愛してるんだ、」掴んだままの私の左手も。「…、愛しているんだ、」心も。「あいして、るんだ、」返さないまま。「…あいし、てる」私から、離れていくの…。「はなれていくでしょ…、」ねえ…。「また、わたしからはなれていくんでしょ…！」いつの間にか、涙が、止まらないよ…。

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結局、彼は行ってしまった。あの日言った、私の「うそつき」を、その通りだと言わんばかりの笑顔を残して。今も張り付いているあの笑顔と、彼の不気味なほどの無表情が、私に教えてくれる。確かに愛してくれていたのだと。掴ませてはくれなかったが、愛してくれた。私の心は、返してくれなかったけど。

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夢前日陰へのお題は『そんな声で呼ばないで』です。 shindanmaker.com/392860

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「傍に、いて」私の言葉にそっと笑んで、彼は頷いた。「いいよ」そう、言って。「愛して…」縋るように彼の服を掴んだ。「いいよ、」私の名前を呼んで、彼は笑む。私はくしゃりと顔を歪ませて、彼を呼んだ。「――」彼は「どうしたの」と私に問いかける。「―――」また、私の名前を呼ぶ。もう、やだ。

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そんな声で呼ばないで…どうせ、愛してくれないのでしょう。「どうしたの」彼はいつもの声で問う。「―――？」それなのに、私の名前を呼ぶ時だけは声が変わる。「何がそんなに悲しいの」目を細めて、彼は嘯いた。「…捨てて」彼はさぞかし驚いたことだろう。突然、私の言葉が正反対になったのだから。

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もういい。「捨てて…」もう。「―――？どうしたの？」彼は一瞬目を見開いて、すぐに真剣な顔になった。でも。「私を、捨てて」もう、「いいよ」いらないから。「…何がいいの。」私はもう、傷つきたくないの。「もう、疲れたよ」どれだけ愛を乞うても、彼は愛してくれない。だったら、もう、いいや。

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なんかキリがいいですし、これ以上はお題が関係ないただの蛇足になってしまうので、これで終了です。まあ、いつも通りの低クオリティーですね。お目汚し失礼しました。

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ふと振り返って読んでみると、言葉の部分が間違いやすい…。彼は言ったとかって説明文を入れる暇がなかったんだ…orz 「私を、捨てて」と「いいよ」は“私”の発言です。「何がいいの」は彼の発言で、「もう、疲れたよ」は“私”の発言ですねー。他に間違いやすい部分はない……はず……たぶん…。

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夢前日陰へのお題は『「ざまぁみろ」』です。 shindanmaker.com/392860