津田大介さんによるネットジャーナリズムの授業実況。ゲスト:中国のトップついったらー安替さん
安替「僕は両者の区別は付けてない。読み手は両者を選別するだろうが、既存メディアが目にしているのは過去のもの。メディア記者は何のメディアも見ない。彼らが書いているのは既に誰かが発表したものだから。大事なのはアクセス権。早ければ早いほど、何が起こるか予想できるかが記者の腕につながる」
2010-11-18 19:46:48安替「僕はNY Timesのオフィシャルアカウントはフォローしていない。しかし、NY Timesに所属する記者の個人アカウントはフォローしている。なぜなら、彼らが個人アカウントで書いてあることが数週間後に公式な記事になるから」
2010-11-18 19:47:42質問「素朴な疑問なんですが、ツイッター上でプライベートな話はしないということだったが、プライベートな話を書いた方が信頼につながるのではと思ったが?」
2010-11-18 19:48:16安替「実はやってます。それは計算づくでやってます。僕自身の生活について語ることはゼロではないがかなり計算した上でプライベートトークを書いている。僕が人間味を出してみんなを笑わせて機械じゃないと認識してもらうことは重要だが、それはやり過ぎは良くない」
2010-11-18 19:49:22安替「僕は日本では読売新聞を読んでいる。そこには編集後記があって、リラックスされたプライベートな情報も書かれている。しかし、そこに記者個人のガールフレンドに関する情報は絶対に書かれないでしょ。プライベートな情報といっても、書いてもいい情報はきちんと分けられている」
2010-11-18 19:50:46質問「1つは米国大使が安替さんも含めブロガーやツイーターを集めたが、その目的は何? もう1つは中国のツイーターを通じて米国大使館は何を得たいのか。暗い面を収集するのか、今後を予想する材料なのか。中国社会と外国メディアがそれぞれとっている政治的観点を教えてください」
2010-11-18 19:54:35安替「それは公共外交というもの。3フィート外交。1メートルという微妙な距離感でお互いにもっている情報を交換する。これは米国がよくやるタウンホールで政治的なスピーチをする文化とも近い。米国の民主主義の基本は3フィート外交であって、ブロガーを呼んだのもその一環」
2010-11-18 19:57:58安替「昔は中国の情報を米国が得ようと思ったら中国メディアの人間に話を聞くしかなかった。しかしブロガーを呼ぶことで3フィートの距離で対話ができる。ツイッターは中国のツイーターさんたちが中国メディアのフィルターを通さず直接米国大使や大使館関係者と会話できるプラットフォームになってる」
2010-11-18 19:59:08安替「2つめの質問。こういう質問をするのは、中国が世界の一部であるという考え方がないから。でも僕も大学のときまではそうだった。『ツイッターが日本に入ってきた。米国はどういう意図をもっているのか』と質問に置き換えてみると、それがナンセンスであることがわかるだろう」
2010-11-18 20:02:06安替「ツイッターはただのメディア。ツイッターを使ってあなたがやりたいことは何でもできる。ツイッターを使って日中関係を悪くすることだってできるが、良くすることだってできる。ツイッター自体はそんなに重要じゃない。ツイッターアカウント自体が重要なのだ」
2010-11-18 20:03:03安替「その質問をするなら気になるツイッターアカウント1人1人に対して『あなたはどういう意図でツイッターを使っているんですか?』と聞くべき。中国人は世界から迫害されていると思っている人が多いが、世界中の人たちは中国人が世界をいじめていると思っている。それだけ今は大きな国になってる」
2010-11-18 20:04:51安替「2008年以降中国に対する批評は僕はすべて正しいと思っている。外からの批評を受け入れていく態度を中国人は持つべき。だからこそ、僕ら中国人はツイッターを利用して他国の内政に影響を与えていくべき(笑)。なので僕はツイッターをできるだけ使って日本の内政に関わっていこうと思ってる」
2010-11-18 20:06:52安替「情報による。安全保障に関する情報は保護されるべき。そういう点からいってWikileaksを僕は100%は支持していない。Wikileaksが流す情報によって米国人兵士たちを危険にさらすことになるから。ジャーナリストとしての僕は100%支持できない」
2010-11-18 20:09:43安替「ただ、国家権力による秘密に対する規制や権限の拡大には僕は反対という立場。それは政治家たちの保身につながるから。尖閣ビデオについていえば、事件の翌日に日本政府が速やかにビデオを公開していれば、そのあとのゴタゴタはなかったという立場」
2010-11-18 20:11:10安替「あのビデオを見れば明らかに中国の漁船が日本の船にぶつけにいってる。あれがすぐ公開されれば、中国人の反日感情も高まらなかっただろう。速やかな公開があればさまざまな陰謀説も押さえることができたのでは。速やかにビデオ公開することが両国にとっての利益につながったはず」
2010-11-18 20:12:40安替「このビデオは公開されるべきだったが、それをやるのは海保の職員ではなく、ジャーナリストがすべきだった。その意味で日本の対応と日本のメディアに不満を持っている。国家機密や安全保障に関わる問題について公開できない部分があるのは理解できるが、ネットがある限りこうしたリークは増える」
2010-11-18 20:14:12安替「僕たちが問いかけるべきことは、こういうインターネット時代に外交をどう成り立たせていくかということ。ドイツのメルケル首相が中国を訪れた際、ドイツの記者たちはツイッターにその場で撮影した写真をアップしていった。ネット時代になって外交も国家機密も安全保障も大きく変わっている」
2010-11-18 20:16:15安替「昔は日記を書いても誰も読まなかった。だが、ウェブで日記を書けば世界中の人が読む可能性がある。フェースブックなどを見ればわかるが、今、若ければ若いほどプライバシーの考え方は異なっている。そういう時代に対応していく必要がある」
2010-11-18 20:17:47