osomatu_san さんのヘイトスピーチ新刊まとめ

まつおか えり @osomatu_san

仕事の関係で新刊は定期的にチェックしています。ここ1～2ヶ月の間にヘイトスピーチについて(部分的にでも)取り上げた本・雑誌の出版が相次いでいるので、内容とあわせて簡単に紹介したいと思います。

まつおか えり @osomatu_san

①『ナショナリズムとグローバリズム 越境と愛国のパラドックス』（大澤真幸ほか、新曜社） ナショナリズム／グローバリズムの理解に欠かせない用語を社会学者らが10p程度で解説した教科書的事典。項目にもよりますが、全体的に記述はやや難しめ。 moby.to/frczw4

まつおか えり @osomatu_san

ヘイトスピーチの項目はありませんが、あとがきで大澤真幸氏が国家の無力化に対する補償を要求する「新しいタイプのナショナリズム」として在特会に言及しています。 「在特会が『在日特権』の剥奪や在日コリアンの排除を要求するのは（略）国に自分たちへの愛を示して欲しいからである」（p326）

まつおか えり @osomatu_san

②『別冊環⑳ なぜ今、移民問題か』（藤原書店） 学術系季刊誌。労働力確保のため移民受け入れが論議される中、国内で「韓国人へのヘイトスピーチデモが激化するなど（略）外国人排斥モードも高まっている」という問題意識のもと組まれた移民特集号。 moby.to/qabasf

まつおか えり @osomatu_san

宮島喬氏、樋口直人氏、塩原良和氏など移民・ナショナリズム関連の研究者が多数寄稿。 論考「外国人排斥の現状」ではコリアNGOセンターの金朋央さんが昨年以降の新大久保デモの流れを振り返るとともに、カウンターのことも写真つきで紹介してます。 moby.to/26sc6d

まつおか えり @osomatu_san

③『わたくしは日本国憲法です』（鈴木篤、朗文堂） 日本国憲法が一人称形式で国民に自分の存在意義や、集団的自衛権/特定秘密保護法の問題点などを解説するというユニークな一冊。著者は憲法学習会などを開催してきた弁護士で、文章も読みやすい。 moby.to/ibh707

まつおか えり @osomatu_san

「ヘイト・スピーチ、極右・ネトウヨについて」という項目で、ヘイトを行う主体をかつてのナチス支持者となぞらえて考察。 「いま、この国で急速に台頭している排外主義や右翼的な動きを担っている人びとは、（略）バカにされたり、はじき出されたりという不当な扱いを受けてきたひとたちなのだ」

まつおか えり @osomatu_san

④『笑日韓論』（水野俊平、フォレスト出版） 韓国語学者が現状の日韓関係を考察した新書。ぱっと見オビが嫌韓本ぽいですが、著者は嫌韓本ブームは「国内向けの『癒し』でしかない」とむしろ批判的なスタンス。 新書ということもあって、文体は平易。 moby.to/9edqk2

まつおか えり @osomatu_san

第一部「『ヘイト・スピーチ』は韓国人にとって痛くも痒くもない」のなかで在特会について言及。いわく、在特会のデモ・演説・HPはすべて日本語なので韓国人には何も伝わっていない、と。 ただそれは一般人が見てもわかる話なので、あまり研究者目線で掘り下げた内容とは言えないかも…。

まつおか えり @osomatu_san

いずれも2014年7月初版です。同じ時期にこれだけヘイトスピーチ関連の書籍出版が相次ぐということは、国内でこの問題への関心が未だ衰退していないことの表れなのかと思いました。 かいつまんだ紹介なので、興味を持った本があれば、書店でお手に取ってみてください。

まつおか えり @osomatu_san

先程のツイートをブログ記事にまとめました。 → 「ヘイトスピーチ関連の新刊紹介」 d.hatena.ne.jp/osomatu_san/20…

まつおか えり @osomatu_san

※もし見逃している本があれば追加するので教えてくださいな