深海大和のお話

最終確認を済ませてないので纏めとしては不適切です。暫しお待ちを。
0
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

ある日の明朝、舞鶴にあるとある鎮守府の広場でランニングに励む艦娘たちが居た。 だが、艦娘とは言っても似て非になる姿をしている。そう、深海棲艦の肉体を持つ艦娘たちだった。 全力疾走している者も居れば自分なりの速度で走る者も居た。 #深海長門外伝

2014-07-12 15:13:34
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

「大丈夫カ、提督?」 息を荒くしている提督の隣を長身の女性が心配そうに声を掛けた。 「はぁ・・・はぁ・・・大丈夫・・・ありがとう、長門」 「ソうカ・・・ダガ、無理はするナヨ?提督の体も大事ダ」 #深海長門外伝

2014-07-12 15:20:10
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

長門、彼女こそが提督の秘書艦であり、そして最悪の深海棲艦化となった艦娘である。 幾多の艦娘を海に沈め、畏れられている。それだけの凶暴性を秘めた彼女だが、提督にだけ心を開いている。 #深海長門外伝

2014-07-12 15:23:20
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

長門は提督の走る速度に合わせて走っていた。提督は長門に心配させまいとニッと微笑むが体力はつづきそうにない。 結局、途中でその場に崩れ落ちるように倒れ込む、寸前に長門は提督を受け止めた。 #深海長門外伝

2014-07-12 15:28:12
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

「わ、悪い・・・」 「気にするナ、提督」 怒りもせず長門は提督を抱き上げる。周りから観ればどう観てもお姫様抱っこだった。 長門は近くのベンチに提督を寝かし付けた。すると大鳳がクーラーボックスを持って走ってきた。 #深海長門外伝

2014-07-12 15:30:35
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

装甲空母大鳳、彼女も深海棲艦である。自分が敵である深海棲艦だと知って絶望するが他の仲間たちと提督によって自分の姿を受け入れたのである。 今では提督の秘書艦である長門をサポートする立場であり、空母ではリーダーとして先導している。 #深海長門外伝

2014-07-12 15:32:19
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

「大丈夫ですか、提督!?はい、お水です」 大鳳はクーラーボックスからペットボトルのミネラルウォーターを取り出して水をコップに入れて提督に手渡した。 「ありがと・・・」 提督は一気飲みする。水が喉を潤すと生き返った気分になった。 #深海長門外伝

2014-07-12 15:35:55
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

「水っていいよな・・・暑い日はどんなもんより最高の気分にしてくれるんだから・・・」 思わず独り言のように言う提督。大鳳はくすっと笑い「元気そうですね、よかった」と安堵の表情が零れる。 #深海長門外伝

2014-07-12 15:39:24
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

すると提督の背後から声が聞こえた。 提督を呼ぶ声。駆けてきたのは正規空母加賀だった。当然ながら彼女も深海棲艦化となっている。 「どうした、加賀」 「上層部からの連絡がありました。提督にすぐに連絡をよこせと」 「また何かあったのか・・・わかった、電話してくる」 #深海長門外伝

2014-07-12 15:42:09
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

「体はもうイイのカ?」 「大丈夫、あとで休むから」 「わカった。無理はしナイでイイカらナ。執務ナら私も手伝う」 「いつも悪いな・・・行ってくる」 提督は鎮守府の中に入って行った。 見送った長門は心配そうにまだ鎮守府を見つめている。 #深海長門外伝

2014-07-12 15:44:46
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

この時、長門も提督もまだ知らなかった。 彼女たちの鎮守府を襲撃した深海棲艦の大群をも上回る大事件が待っている事に・・・。 そして、新たな物語の扉が開かれる・・・出逢いが待っている事にも。 そう、史上最大最強の・・・。 #深海長門外伝

2014-07-12 15:48:16
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

提督は執務室に戻ると通話機を取って上層部に連絡を入れる。 『ふっ、来たか』 『それでご用件は?』 『そう急かすな。相変わらず信用のだな?』 『俺の艦娘たちを快く思わない人にはですがね。それで?また俺たちにしか頼れん事でも?』 #深海長門外伝

2014-07-12 17:06:28
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

建造に何か問題があるのだろうか。この事件を知った提督たちの多くは建造に躊躇いを感じていた。どうにかして欲しいという上層部を訴えかける声は大きかった。 だが、提督の所にも耳に入ってきたが気にはしなかった。 #深海長門外伝

2014-07-12 17:14:24
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

『まだ何か?』 『建造の件だが気になる事がわかってね』 『気になる事?何ですか?』 『いや、その建造で生じた事件だが、どうも大型建造のようだ』 『大型建造ですか?』 『ああ、それもレシピは・・・貴様が欲しい艦娘のようだ』 #深海長門外伝

2014-07-12 17:19:37
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

『私が欲しい艦娘・・・あの艦娘ですか』 提督は狙っている艦娘、それは史上最大最強と云われ日本だけが実現させたあの戦艦であった。 『貴様は大艦巨砲主義だからな・・・』 『心配なさっているのですか?』 #深海長門外伝

2014-07-12 17:22:31
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

『いや、心配などしとらんさ。だが、今回の件は深海棲艦と絡んでいる事も考えられる・・・【奴がそうなっているのならば、最も危険な目に遭う】のは貴様かも知れんな」 『ご忠告どうも・・・』 『ご武運をな』 #深海長門外伝

2014-07-12 23:43:47
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

男性はそう言って電話をきった。 提督も電話をきり、ため息を吐く。上層部はきっと遠回しにどうにかしやがれと言っているのだろう。 この鎮守府は深海棲艦化の集まりであり、この俺は深海棲艦化に慕われているからな。 #深海長門外伝

2014-07-12 23:47:16
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

「なぁ、君も深海棲艦化になったのか・・・こっちにも来るのか・・・」 窓の外を眺め、独り言のように青く染まった空に向かって問い掛けた。 #深海長門外伝

2014-07-12 23:49:18
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

それから数日が経った。資源はいつも消耗が激しかった。艦娘以上に深海棲艦化は資材を必要とする。燃料も弾薬も鋼材もボーキサイトも。 あれだけの力と艤装なら無理もなく、そのせいもあって出撃は少ない。出撃がない時はひたすら遠征に励むしかないのだ・・・。 #深海長門外伝

2014-07-12 23:55:07
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

ダメージが大きく残る体のせいで無意識に火力が調整されてしまって、本来の火力に届いてないのもあるのかも知れない。そんな事など知った事ではない。 あの中に提督が居る、行かなくてはという本能が長門の闘志を燃やしている。胸を熱くすれば痛みなど・・・。 #深海長門外伝

2014-07-13 03:49:30
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

砲撃が駄目なら拳だ。長門は痛みを堪えて飛び込む。だが、髑髏がそれを邪魔をした。 不気味なほっそりとした手が長門を殴り付ける。よろめいた所にもう一発喰らった。 地面に叩き付けられさらに痛みが増していく。だが、長門は立ち上がる。流血した顔面で闇に睨み付けた。 #深海長門外伝

2014-07-13 03:53:53
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

「ムリヲシテハダメヨ・・・トイイタイトコロデショウガ、アナタナラキカナイワネ」 「・・・加賀、私に何ノ用ダ」 背後から聞こえた加賀の声にイラッとした声を投げ掛ける。 加賀は気にする事もなく言いつづける。 #深海長門外伝

2014-07-13 04:01:28
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

「アナタニヨウハナイワ・・・アルノハテイトクタダヒトリ」 「フン、ストーカーガッ・・・」 「ソウネ。テイトクハカワイイモノ、ナリタクモナルワ」 無表情で言う加賀に長門はだんだんイライラしてきた。 #深海長門外伝

2014-07-13 04:04:19
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

「オコルノハアト。イマハテイトクヲタスケルコトガセンケツヨ」 「秘策はあるノカ」 「ヤミクモニツッコムイガイニカシラ・・・ナイワネ。アナタノホウゲキモキカナイナラナオサラヨ」 #深海長門外伝

2014-07-13 04:05:51
深海長門@白面骸鬼(指輪) @nagato_bs_

「でも・・・」 加賀の隣に居る飛龍が二人の間に割って入ってこう言った。 「加賀さんの火力は長門さん以上ですヨネ?始めは長門さんを超える戦艦として生まれるはずだったし。実現した今ナら・・・」 #深海長門外伝

2014-07-13 04:07:57
1 ・・ 15 次へ