ドキッ！ブルネイ泊地徒然日記　夏のタウイタウイ崩壊寸前スペシャル！

日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

「えいっ」榛名が可愛らしい声を上げた直後、無線を使わずとも聞こえるほどの音量で「ゴキッ」とも「ボリッ」ともとれない、固い何かが折れるような音が聞こえてきました。それからしばしの静寂があたりを包み……「ん゛にゃ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁあぁああああああ！！！？？？」 #ブルネイ泊地徒然日記

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ワンテンポ遅れて多摩の絶叫が響き渡りました。「光学迷彩なんて、随分と進んだものをお造りになるのですね。ですが、それに頼りっぱなしで他のカモフラージュを忘れてしまうようじゃ、暗殺者としてはやっていけませんよ」叫び声を上げる多摩を尻目に、淡々と榛名は語ります #ブルネイ泊地徒然日記

日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

「だっ、だまはあんざつじゃじゃに゛ゃい゛にゃ゛あ゛あぁぁぁ……」絞りだすように反論を口にした多摩を受け「……だ、そうですよ。霧島」と榛名は霧島に向きました。その霧島はすこしばかり困ったような顔です。「なんでそこで私に振るのよ……」 #ブルネイ泊地徒然日記

日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

「まあ、いいわ。そこのボンクラども。よく聞いてなさい。今ここに人質を取ったわ。これ以上傷つけられたくなかったら、大人しくやられなさい」左腕を主砲に変形させ、多摩に突きつけながら堂々と言い放つ霧島。もはや、演習とは何だったのか、考えさせられます。 #ブルネイ泊地徒然日記

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「あ、あとそれから」何か思い出したと言いたげに、右人差し指を立てる霧島に、全員の注目が集まります。「アナタは最後に殺すと言ったわね？」刹那、霧島はまたしても瞬く間にその姿を消し、またしても伊勢のすぐ近くに現れました。「ひッ！？」伊勢が短く悲鳴を上げました #ブルネイ泊地徒然日記

日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

「アレは嘘よ」霧島は優しく、軽く伊勢の体に触れました。しかし、そのアクションとは裏腹に、伊勢の身体は雷に打たれたように強張り、苦悶の表情を浮かべて、水面に惹かれてゆきます。「これで人質がまた増えたわ」霧島は艤装を付けたままの戦艦娘を難なく肩に担ぎました #ブルネイ泊地徒然日記

蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

さて・・・と ウチの艦娘が必要以上に痛めつけられてる点については まあ嫌だけど、嫌だけど霧島組が相手な以上本人達も含めて覚悟はしてる 人質もある程度想定内 問題は連中が何を要求するか、そして断ったらその人質がどうなるか、だったわけだが・・・ #執務室はお茶の時間

日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

気がつけば、伊勢を担いだ霧島の姿は榛名の側にありました。「さ、それじゃあ楽しい楽しいショーの始まりよ……そろそろみんなも着く頃でしょうから、大和、始めていいわよ」「了解しました」……みんな？霧島の言葉に疑問符を浮かべながら、あたりを見回しました。そして…… #ブルネイ泊地徒然日記

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思わず、あっ、と声が出てしまったのは、いつの間にか50ｍほど沖に私の鎮守府の艦娘たちが勢揃いしていることに気がついたからです。なんということでしょう。あの娘達私に無断で出てきたのね……まあ、提督なんてそんなものよね…… #ブルネイ泊地徒然日記

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私が一人落胆しているのは置いておくとして、前に出た大和が手にした「ある物」を掲げているのが見えました。「提督の許可が降りましたので、大和、全力で行かせていただきます」彼女が持っているのは、「傘」。そしてその先端が向くのは、鎮守府……タウイタウイ島そのもの #ブルネイ泊地徒然日記

蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

勢揃いするフラタ鎮守府の艦娘 大和が取り出した傘 この鎮守府も、というかタウイタウイそのものが年貢の納め時かと思われましたが どうやら「動いてしまった」ようです #執務室はお茶の時間

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「にゃー」 緊迫した海上に、唐突に猫の鳴き声が聞こえます 「にゃー」 フラタ鎮守府の霧島の目の前に 突然、一匹の猫が現れました #執務室はお茶の時間

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「傘」を翳した大和の手が、淡く青い輝きを放ち始めました。それは、生命エネルギーが目に見えるほどの密度で集合している証拠に他なりません。大和や霧島が扱うその術は、集中させた生命エネルギーを方向を持たせて拳から放つ技、即ち「波動拳」です。 #ブルネイ泊地徒然日記

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眼前の猫を見て、霧島の顔が明らかに強張りました 「にゃー」 3回目の鳴き声 フラタ提督もその「猫」が何者か思い出したようで、表情が変わります 「にゃー」 そして4回目の鳴き声 #執務室はお茶の時間

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「にゃー」 5回目の鳴き声が響いた時、霧島はまるでスイッチが切れたかのようにその場に崩れ落ちました #執務室はお茶の時間

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「波動砲、用意！」大和は傘を大きく振り、傘布を裏返しました。そしてその手から波動は柄を伝い、傘布を伝い、骨を伝い、やがて先端の一点に集中し始めました。その光は次第に強さを増していき、徐々に徐々に大きな光球とかしていきます。数十秒で1ｍ大にまで成長しました #ブルネイ泊地徒然日記

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気付けば私の隣に見慣れぬ人間が立っています 見慣れぬ、とは言いましたが、私は彼が何者かよく知っています 「俺がちょっとでも怪しい動きをしたらすぐ殺しに来るくせに、こういうのになると本当に仕事遅いねぇ」 話しかけても、返答はありません #執務室はお茶の時間

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「・・・艦娘の暴走による制限措置には、クリアすべき条件が複雑にございますので」 「あ、喋った」 「・・・」 「大本営の犬も喋るんだねぇ、ところであの大和は対象にならないの？島ひとつ消しそうだけど」 「・・・」 「そこはだんまりなんだ」 #執務室はお茶の時間

日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

「発射用意……！」大和が構えた「傘」には、島のほとんどを消し飛ばせそうなくらいにはエネルギーが充填されています。後は、あれが放たれてタウイタウイが壊滅するのを見守るだけ……そう思っていた時でした。 「にゃー」 どこからともなく、猫の鳴き声が聞こえました #ブルネイ泊地徒然日記

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私も当事者だからこそ知っているようなことですが 大本営は非公式で特殊機関を設立しており、「大本営にとって都合の悪い提督や鎮守府」を秘密裏に消す、ということをちょいちょいやっています かつて私のところによく現れては私を殺そうとしてきた連中はここの人間です #執務室はお茶の時間

日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

「にゃー」 間髪を開けず、また猫の声がします。 「にゃー」 猫そのものが、海上に立つ我々の前に現れる。 「にゃー」 伊勢を担いでいる霧島は、人質の身体を放り出して、海面に自身を叩きつける。その顔は、私には笑って見えた。 #ブルネイ泊地徒然日記

蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

この機関は同様に「イレギュラーな暴走をする艦娘」を抑制する役割も担っており この場合は「猫」と呼ばれる対艦娘特殊装置を用いて、艦娘の機能を強制的に停止させます まあ滅多にないのですが 今回ばかりは、というかいい加減に大本営も動かざるをえなかったようです #執務室はお茶の時間

日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

「奴らが来たか」霧島に続いて倒れた榛名を眺めつつ、両肩に島風と初霜を肩に載せた長門が冷静に言いました。「これで組長の目標は達成、ということでいいのだな？」ああ、そうだろうな。「……相変わらず捨て身が好きな人だ」……本当にな。 #ブルネイ泊地徒然日記

日記をつけるフラタ提督@放浪中 @Adm_FS_TaClass

「組長は、タウイタウイ壊滅ショウと撤退、両方に備えて皆を呼び寄せていた……どこまでが企てだったのだろうな」訝しむ長門に答えることもできず、私は、頭を掻き、それから蝦夷貂提督に一つの提案をした。 このへんで一つ、仕舞にしましょうか、と。 #ブルネイ泊地徒然日記

蝦夷貂提督@お茶の相手は北上さま @green_teabreak

霧島が倒れた後、例の猫は私の隣に立つ人間のもとへ駆け寄ってきます 猫を抱きかかえた後に私の方を一瞥して、やはり無言でその人間は踵を返して立ち去って行きました #執務室はお茶の時間