さそりん日記 2009年11月〜2018年2月

さそりんが初期のころつぶやいていた気ままな単発ツイートをまとめています。2018年からは重複ツイートがなくなるのでtwilogまとめに移行してます→ https://twilog.org/saso_bot/month-1802/allasc
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さそりん @saso_bot

実はsaso_botと『蟹座でO型の自称男』のフォロワーは両想いのようです。 http://shindanmaker.com/27724 だとさ

2010-06-22 02:04:37
さそりん @saso_bot

蒸し暑いから、ひとつ近いうちに怪談話でもしてやろうと思う。

2010-07-05 00:11:24
おひつじ @hitsu_bot

@saso_bot そっそんな簡単に俺は好きとか言わねーぞ…!

2010-07-05 00:12:43
さそりん @saso_bot

@hitsu_bot そんなびびるなよ(笑)どんな話がいい?

2010-07-05 00:37:16
さそりん @saso_bot

愛か。わかった。じゃあテーマは「愛」で

2010-07-05 00:48:32
さそりん @saso_bot

【怪談】……愛っていっても、ひとえにいろんな形があるよな。恋人の愛、家族愛、友情も愛かもしれない。無償の愛。金で売り買いする愛もある。永遠に続くものも、儚く醜く終わる愛も。

2010-07-05 01:07:30
さそりん @saso_bot

これからやる話の中には俺が学生時代に聞いた話も多いんだが、これもそういう話。あるところに牡羊っていう学生と、蟹っていう学生のカップルがいたんだ。……いや、これは二人とも偽名だけどさ。臨場感があっていいだろ?

2010-07-05 01:11:36
さそりん @saso_bot

それでこの牡羊っていうのが、困っていた。何で困ってたかっつーと、恋人がいるのに別の生徒からラブレターをもらってたんだ。これが魚っていってマジめちゃくちゃ可愛い子だったらしい。──お前そういうときってどうする?俺なら恋人がいる以上、最低でも一人に絞るのが愛だと思うんだけどな

2010-07-05 01:16:10
さそりん @saso_bot

だがその牡羊は切れなかった。蟹に隠れて魚ともちょくちょく遊ぶようになったんだ。うまい奴なら隠しとおせるんだろうけど、そんな器用な奴でもなかった。牡羊の二股は蟹にばれてしまった

2010-07-05 01:19:56
さそりん @saso_bot

校内で大喧嘩になったのが夏休みに入る直前のことだったかな。何人かがその現場を見てて、まーひどかったらしい。牡羊は売り言葉に買い言葉で「じゃあ別れようぜ」と切り出したんだが、蟹は逆上して「絶対許さない。死ぬまでおまえにつきまとってやる」と叫んだそうだ

2010-07-05 01:24:35
さそりん @saso_bot

牡羊は大喧嘩して別れてきたあともまあ頭に血が上ってカッカしてた。同じ学校内のカップルだしな。明日また会ったら揉めるのは確実だし、どうやって相手を言い負かして追い払うかそればっかり考えてた。夏休みが近いとはいえ、憂鬱な展開だよな

2010-07-05 01:28:44
さそりん @saso_bot

ところが、次の日蟹は学校に来なかった。風邪かなんかで具合が悪くなったって言い分だったらしい。牡羊は拍子抜けして、何だか蟹に悪いことをしたような気分になってきた

2010-07-05 01:31:40
さそりん @saso_bot

蟹は次の日も学校に来なかった。その次の日も。またその次の日もだ。風邪をこじらせたのか、とうとう夏休みに入るまで蟹は一日も学校に来なかった。──だんだんクラスも変な空気になっていったらしい。というのも、誰も蟹の話題を口にしない。朝の出欠のときも。まるでそれが当たり前みたいに。

2010-07-05 01:35:21
さそりん @saso_bot

夏休みに入った。牡羊は、なんともいえない気持ち悪さがピークに達していたもんで、ついに蟹の携帯に電話をかけた。でもいくら呼び出しても電話に出る様子もないし、メールしてみても返信がないんだな。奴はとうとう蟹の家にまで直接行ったっていうよ。家族と一緒にマンション暮らしだったらしい

2010-07-05 01:38:01
さそりん @saso_bot

家は空き家になっていた。──急に引っ越していったそうだ。何もないがらんどうの部屋が、クーラーもつけてないのに妙に寒かった。牡羊はこの時になってようやく自分の浮気を後悔したっていうよ。その後の蟹の行方を知る人間は一人としていなかった

2010-07-05 01:42:52
さそりん @saso_bot

そんなすわりの悪い状況で、結局魚との関係もうまくはいかなかったそうだ。夏休みの間に自然消滅した。牡羊は結局夏休みの間、蟹が戻ってくるのを待つ羽目になった。毎日毎日カレンダーの日付が進んでいくのを見ながら。

2010-07-05 01:46:47
さそりん @saso_bot

蟹はどこへ行ったのか。自分は蟹を愛していたのか。蟹は自分を愛してくれていたのか。どうしていなくなってしまったのか。忘れることもできずに毎晩毎晩。

2010-07-05 01:50:20
さそりん @saso_bot

八月の下旬にまで差し掛かっていたと思う。ある晩、牡羊の携帯が鳴った。ディスプレイに蟹の名前が出て心臓が跳ね上がるような思いをしたそうだ。牡羊は恐る恐る携帯を取って通話ボタンを押した

2010-07-05 01:53:05
さそりん @saso_bot

「もしもし、蟹です」あの声だった。恋人として聞き続けていた、愛情に満ち溢れた穏やかな声。牡羊はまっさきに聞いた。「お前いまどこにいるんだよ」

2010-07-05 01:55:42
さそりん @saso_bot

「ずっとおまえのそばにいる」

2010-07-05 01:56:03
さそりん @saso_bot

牡羊は、その時とてつもなく背筋が寒くなった。蟹は言った。「誰にも見られないように洗面所の鏡を見てほしい」牡羊は逆らえない圧力に突き動かされて、夜中の洗面所まで電気もつけずに歩いていったそうだ。そしておそるおそる洗面所の鏡を見ると

2010-07-05 01:59:36
さそりん @saso_bot

鏡の中、牡羊の真後ろに蟹が白い顔で浮かんでいた。

2010-07-05 02:00:27
さそりん @saso_bot

……牡羊がその後どうなったかって?今も普通に暮らしてるよ。ただ、言うことに若干整合性がなくなったらしいな。あと、背中と肩が異常に冷たいんだ。いつも。冷えからくる肩こりがひどすぎてスポーツもろくにできなくなっちまったらしい。それを指摘すると奴は土気色になった顔で笑うんだ。【終】

2010-07-05 02:08:37
さそりん @saso_bot

@hitsu_bot まあ最初はこんなもんだな。

2010-07-05 02:15:07
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