【智勇】剣の翼

ゆん @mboxtw3

CPは智勇。BGMは今絶賛マイブーム中のミク曲『文学者の恋文』。 その物語の始まりは、勇気にトモが告白する所から。 好き、って。愛してる、ってそんな告白を勇気は聞く。泣きながら。 どうか言わないでと願いながら、トモの言葉を聞いてた。

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そして次の瞬間、トモの手に手錠がかかる。 その告白は二人にとって一番の望みではあったけれど、同時に一番の禁忌だった。 罪を犯したトモは捕まり、つれていかれてしまう。勇気の目の前で。 勇気に残されたのはたった一枚の羽根。 トモがくれた、最初で最後の贈り物。 そして物語が始まる。

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時間は少し巻き戻り、まだトモがつれていかれる前。 勇気は何も知らずに恋をした。本当にまっさらな状態で、ただ恋に落ちた。 それが禁忌である事も、まだこの時は知らずに。 一緒にいるのが楽しくて、二人ともにあるのが幸せで。それだけだった。

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恋人として傍にいて。どんな時でも一緒で、まわりも幸せそうな勇気に何も言えなかった。 空也さんも勇気に幸せそうだな、って笑って。このまま、ずっと続けばいいのにって。 どうか、と祈りながら、二人の幸せを願ってた。 その祈りは叶わなかったけれど。

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勇気はトモと付き合ってて幸せだったけれど、一つだけ疑問だった。 それは、トモは一度も勇気に『愛してる』って言ってくれない事。 勇気がトモに好き、って愛してるよって言っても優しく笑うだけ。 愛されてないとは思わない。でも、勇気はずっとそれだけが引っ掛かってた。

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好きじゃないのかな、って不安にはなるけどでもトモは優しくて、愛しそうに触れてくれる。 その手から愛は感じるけど言葉がない。 揺れる勇気に空也さんは大丈夫だよ、って励ましてくれる。 それでも勇気は愛しているのだろう？って。 そして勇気はその意味を知る。

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勇気の不安はトモも気付いてた。で、トモはそんな勇気に告白するんです。 自分が人間じゃない事。その背中に生やした白い翼を見せながら。 そんなトモに、勇気は笑う。 例えトモが天使でもこの気持ちは変わらないよって。 言ってくれないのは寂しいけれど、構わないって。

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そして二人はずっと一緒にいたけれど、冒頭部分に戻るわけです。 トモは勇気に言ってしまった。 天使であるトモにはその言葉は禁句。だから言えなかったけど、トモはそれに耐えきれず、口にしてしまったんです。 それでも勇気を愛したかった。自分もちゃんと恋がしたかった。そんな願い。

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そして二人は最初で最後のキスをする。 勇気は拒むけれど、でもそれは勇気もずっとずっと望んでいた事で。 愛し合いたかった。ダメだとわかっていても、望んではいけないとわかっていても、その気持ちは消えなかった。 だからトモを拒みきる事が出来なかったのです。罪を犯させると知りながら。

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やっと、本当の恋人になれた時。空也さんがやってくるんですね。トモに剣を向けて。 「どうして言ってしまったんだ」って酷く怒った顔で。 『その言葉』さえ言わなければ、君は勇気とずっと幸せでいられただろう！って怒鳴るんですね。泣きそうになりながら。

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実は空也さんも天使の一人。規律と審判を任され監視をしてた。 天使のトモが恋をしたのも本当は禁忌なのだけれど、それでも知らないふりをしてた。 禁忌の言葉さえ言わなければ、俺はこのまま気付かないふりをしていられたのに！って。 言ってしまったら、もう見逃してあげられない。

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空也さんは罪を犯した天使を捕まえ、天に連れていく役目を背負ってる。 だから言い逃れ出来ない罪を犯したトモを捕まえなきゃいけないんですね。 勇気が悲しむ事をしたくなかった。ずっと勇気には幸せそうに笑っていてほしかった。 だからトモに怒鳴ったんです。自ら幸せを壊したと

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そして空也さんはトモを天に連れていく。 最後の時、トモは自分の羽根を一枚抜いて勇気に手渡す。 それでも愛したかったんだ、って。 ずっと言いたくて。それですべてを壊してしまうとわかってて、でも勇気の願いも叶えてあげたかった。 そして勇気はただ一人、取り残される。

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ごめん、って空也さんは謝るんです。トモを連れていったのは自分。トモを罪人としてしまったのも。 それに勇気は首をふる。空也さんは悪くないよ、って。今までずっと知ってて何も言わないでいてくれたんでしょ？って。 それに空也さんは食い下がるけど、勇気は強く拒絶する。

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空也さんに言わないで、って。どうか、空也さんを恨ませないでほしいって泣きながら言うんですよ。 空也さんも大事な友達だから恨みたくなくて、どうかって。 それに空也さんは引くしかない。 ごめん、って言いながら。それでも心から勇気の幸せを願っていたよって。

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たった一人取り残された勇気にできる事は、それでもトモを想い続ける事。 残した羽根を握りしめて、ひたすらトモを想い続ける。 そんな勇気にジョーカーがやってくるんですね。 もう諦めちゃえばいいのに、って。そんな苦しい想いを続けるなら、やめちゃえば？って。

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天使ってめんどくさいよね、ってジョーカーが言うんですね。言いたいことも言えなくて、好きな人さえ置き去りにして。 僕らには考えられないな、って言うんです。 ちなみにジョーカーは魔物。だから好きなことして、好きな人は好きって言う。 つまり僕にしなよ、って誘惑。

ゆん @mboxtw3

僕なら勇気君にそんな顔させないのにな、って。一緒に、たのしい事をしようよって。 一人きりで寂しい勇気にそうやって誘惑するけど、勇気は頷かない。気持ちは揺れるけれど、手の中の羽根がジョーカーを拒絶する。まだ、トモが忘れられない。まだトモを愛してるって言うのです。

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たったその羽根一枚で何ができるの？って園田さんも勇気を揺さぶりにくる。 大切にされた？本当に？でも勇気は今泣いてるじゃない、って図星をびしばしと。 ちなみに園田さんも魔族です。 二人とも勇気が好きで、チャンスとばかりにせめてきた。 でも勇気は簡単に靡かないけど。

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でも流石に気持ちは揺れる。悲しくて、でも好きで、二人にぐちゃぐちゃに掻き回されて。 凄く凄く勇気は苦しむんですよ。 羽根を抱いて泣く勇気に千葉さんが手を差しのべる。ずっと泣いてる、って。そんなに辛いのか？って。 ちなみに千葉さんは人間。

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トモがいた時は勇気はずっと笑ってた。楽しそうで、嬉しそうで。そんな勇気を見るのは嫌いじゃなかった。 けど今は笑わない。辛そうに羽根を抱いて、そして一人で泣く、そんな姿ばかり見る。 何があったかを千葉さんは理解してないからわからない。けど、なんか辛い。

ゆん @mboxtw3

で、千葉さんは勇気に言うんです。ジョーカー様ではダメだろうか、って。 確かにジョーカーは魔物だけど、あの人は自分の正義に従っているだけだと。魔族だからといって悪い事をする人じゃない、って。 ジョーカーが勇気を誘惑してるの見てるから、ジョーカーならまた勇気を笑わせてくれるかな、って

ゆん @mboxtw3

だから、自分と一緒にジョーカー様のもとに行かないか、って勇気を誘うんです。 それに勇気は揺れるけれど、やっぱり頷けない。 ごめんなさい、それでも俺は、ってまた泣いてしまう。 この想いを捨てられない、けど辛い、って勇気は泣く。 そんな勇気に回りは心配なのです。

ゆん @mboxtw3

神様、って勇気は祈り続ける。 この愛は間違っているのだろうか。ただ、トモを好きになっただけなのに、この恋は罪なのだろうか。 どうして、って神に問いかける。何故愛してはいけないのですか、愛を説きながら、なぜその愛を禁じるのですか たった一つの羽根に勇気は祈りをこめる。

ゆん @mboxtw3

そんな勇気の前に空也さんがやってくる。 勇気の想いは間違ってない、って。誰かを愛する事が罪であるはずがない、って。 そして勇気に問いかける。もしも一つだけ方法があるとしたら、勇気はどうする？って。 命をかけてでもやれる？って。 それに勇気はうなずいた。