【智勇】嘆きの桜

ゆん @mboxtw3

どこまで書けるかわからんが、書ける所まで垂れ流す！ BGMはALFEEのリバティベル。カプは智勇で、トゥルー後の時間軸。 学園島にある一本の桜。これを勇気が見つけた事がすべての始まり。 広い場所に立つ大きな大木。目立つのに誰もいない

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桜が咲いたら綺麗だろうなって思うんだけど、近寄ろうとした勇気をトモが止める。 あれは呪いの木だから、って。 一緒にいたオカケンが詳しく教えてくれる。 生徒の血を吸って咲く桜の木。その下には犠牲になった生徒達が眠るという。 養分になりたくないなら近付くなと。

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それに怯えた勇気はその場から離れるんだけど、みんなで去っていく時。勇気は誰かの声を聞く。 誰か泣いてるような。誰にもきこえない声。 そして、事件が起こる。その日を境に、勇気が忽然と消えてしまうのです。 どこを探しても、勇気はいない。

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消えた勇気を探して、生徒会からデュラックから総動員で探してもいない。 学園島から出た形跡もない(トモがサーバー棟から探索済み) そして、最後の目撃地点はあの桜の傍。 桜の怪談なんて誰も信じてはいなかったけれど、その可能性が浮上してくる。

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そんな事ないだろ、って探し続けるんだけど、一人ずつ人が消えていく。 千葉さん、空也さん、と。そして彼らは最後に勇気を見たって言うんですね。 高東さんに、空也さんは勇気を見つけた、って言い残してる。 そして、忽然と消えてしまった。

ゆん @mboxtw3

どこにもいない勇気。誘われるように消えていくメンバー。 トモは暗い部屋で勇気を想うんですよ。 最後に見た様子となにも変わらない勇気の部屋。彼だけがそこにいない。 取り残されたトモの前に、勇気が現れるんです。 「トモ」って呼ぶ声が聞こえる。

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トモを呼ぶ勇気の声に誘われて、外に出る。 誰もいない夜の道に、勇気がいるんですね。 にっこり笑って、トモも一緒にいこ？って誘う。何故かそれに抗えないまま、トモは歩き始めるんです。誘われるままに。 あの桜の木のもとへ。

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誘われるまま、歩いていくトモなんだけど、途中で勇気が立ち止まるんですよ。 トモ、って呼ぶ勇気の顔は今までと違ってて。 そこでトモの目が覚める。目の前にいた勇気が泣きそうな顔でふわりと消えてしまう。 目の前には桜の木。どうしてここにいるのかトモにはわからない。

ゆん @mboxtw3

トモも怪談を信じてはいなかったけれど、でももしかしたら本当に勇気がいるのかも、って思うんです。 桜につれていかれてしまったのかと。 巨木にすがり、トモは叫ぶ。勇気を返してくれ、って。 俺にはもう勇気しかいないんだ、だから返してくれって泣くんですよ

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両親を知らず、たった一人の兄を失ったトモに残されたのは勇気ただ一人。 大切なその人を、勇気までも俺から奪わないでくれ、って言うんですよ。 どうか、返してくれって。

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昼の続き。 桜の木の下で、必死に智友が願う。その時、桜の木がぼんやりと光り始めて、木の幹から勇気が出てくるんですよ。「ごめんね」って誰かの言葉とともに。 そして木の根っこを枕にするように、消えてしまっていた空也さん達も現れる。 みんなただ眠っていて、怪我はない。

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みんな戻ってきて、そこでお終いになるんだけど、後日談として。勇気がお花見をしよう！って言い出す。勿論、あの桜の木の下で。 どうしてもやるってきかない勇気に智友はあんな目にあったのにって困惑するんだけど、何故かジョーカーや空也さん達は反対しないんです。理由を知ってるから。

ゆん @mboxtw3

勇気はあの桜の木は呪いの木じゃないよ、って言うんです。ただ、桜の木は寂しかっただけ。 今で春になれば生徒達が花見に来てくれたのに、今では誰も来ない。どうしてだろう？って。一生懸命花を咲かせても、誰も見向きもしてくれない。 桜の木はそれがずっと寂しかった。

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勇気は桜の木としばらく同化してて、昔王様の時代とかに盛大な花見が繰り広げられていた事、卒業の時期に花の下で最後の別れをする生徒達。それらの光景を見ていたんです。 この学園島に植えられてからずっと生徒達を見守ってきた桜の木。その寂しさも勇気には直接流れ込んできた。

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勇気が取り込まれたのは、桜の木に同調したから。そして勇気は沢山の人に好かれてる。だから人がまた来てくれるんじゃないか、ってそんな桜の木のお願いを、勇気は聞いたんです。 空也さん達をつれてきて、夢の中でお花見してた。だから空也さん達も桜の願いを知ってる。

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桜の木の願いはただ一つ。花を咲かせた姿を見て欲しいだけ。綺麗だね、って言って欲しいだけ。 だから勇気はお花見の企画を立ち上げるのです。もう一度、この桜の下でお花見を。桜の木の願いを叶えてあげたい、って。 噂を知ってる人は嫌がるんだけど、でもジョーカー達が巧く誘った。

ゆん @mboxtw3

「明日、みんなが来るよ。みんなでお花見をするよ」って勇気が桜に打ち明ける。 居ないはずの人影がそこにあったけれど、勇気は怖くなんかなかった。 まだ蕾の桜。花は咲かなくても、この木の下であの夢のように騒いでる光景を桜に見せたかったから、花が咲かなくてもいいなって思ってた。

ゆん @mboxtw3

そうして次の日。みんながやってくると、その桜の木は一斉に花を咲かせていた。みんなが来るのを歓迎するように。 暖かくなったから一気に咲いたんだろうって言うけれど、勇気は風の中に声を聞く。 「ありがとう」って言う桜の木の声。それに満足そうに笑う勇気、でこの話はお終い。

ゆん @mboxtw3

作中、どうして智友が連れ去られなかったのか。それは勇気が一瞬だけ躊躇ってしまったから。 彷徨う勇気の姿は桜の木と同化した姿で、幽霊みたいな物。 勇気の身体は桜の木の中に閉じこめられていて、心だけが学園の中を彷徨っていた。 そうして夢の中につれてくる人をさがしていたんですね。

ゆん @mboxtw3

勇気の身体を動かすのは桜の木。動けない桜の代わりに、俺の身体を貸してあげる、って勇気が言うのです。そして彷徨う桜が花見客を誘っていく。 身体を傷付けるわけじゃない。ただ、夢を見せるだけ。花を見て欲しい、っていうだけの桜の木には人の思う善悪は存在しない。

ゆん @mboxtw3

で、その花見客に智友が選ばれ、桜の元に連れて行かれている最中。勇気は本当にいいのかな、って少しだけ不安になってしまったんです。 他の人は気付かなかった。他の人なら思わなかった。けれど、その相手が智友だったからこそ不安になり、そしてぼんやりしてる智友にこれで良かったのかと心が揺れる

ゆん @mboxtw3

その揺れた心がズレとなり、桜の木と同調出来なくなってしまい、智友の暗示が切れてしまった。だから智友は正気を取り戻す事が出来たわけです。 ちなみにこの桜の木は和希のじーちゃんが生徒の為に植えた桜の木で、お花見が出来るように広い場所に植えられています。

ゆん @mboxtw3

そんなお話。一番書きたいのは桜の木に縋って泣く智友のシーンなんだよね。 勇気を返してくれって叫ぶ所。凄い書きたい。しかし、そこまで辿り着くのが大変という……まあ、いつか書けたらいいね。