坂本龍一『戦メリ』を分析する(その6)

第五回はこちら。http://togetter.com/li/706959
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It happens sometimes @ElementaryGard

「戦メリ」分析いきます。前回のぶんはここ。togetter.com/li/706959

2014-08-19 22:00:56
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youtu.be/OeimhlSm8Kk ここまで分析、というか再現しました。原曲はD♭メジャー調なのでここでも同じ音にしましたが楽譜はあえてCメジャー調での表記にしてあります。このほうが♭や♯が出てこないぶん読みやすいし説明しやすいから。

2014-08-19 22:03:22
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音楽は、というか西洋の音楽文法は4が基本です。四小節で一単位。ところがこのプロトタイプは3小節で途切れています。3小節目で完結しています。するともう1小節付け足さないといけません。

2014-08-19 22:05:12
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そこで一番安直な付け足しをしてみます。和音をもう1小節増やすのです。3小節目で鳴る、ラの和音を4小節目でも鳴らしてみます。youtu.be/03mJiL3bswI

2014-08-19 22:11:11
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こんなんでも4小節=1ユニットにはできました。が、なんだか間延びしてますよね。旋律がないのが主因ですが、といって旋律をつければいいってものでもない。俳句の5、7、5のリズムを意識した旋律を1~3小節につけたので、そこに何か付け足すとリズムが崩れかねないし。

2014-08-19 22:13:03
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ここで裏技を使います。ラの和音(これは私の造語なので楽典にあたっても出てこない)は、文でいう読点(、)の機能があって、この和音を連続して鳴らしても読点が並ぶのと同じで無駄であります。

2014-08-19 22:16:19
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ところが転調させてみます。1~3小節はずっとCメジャー調ですが、この4小節目で四度下の調、つまりGメジャー調にしてしまう。そしてこの調における「ラ」の和音を鳴らすのです。

2014-08-19 22:17:43
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youtu.be/bojN_Bi6hWA どうでしょう譜面上はミの和音ですが、Gメジャーに転調していると考えればラの和音です。ラの和音が連続するけれど調が違うので間延びしない。

2014-08-19 22:21:05
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ラの和音とかミの和音とか、私の造語で説明してきたので少し再説明します。ラの場合は厳密にはラ・ド・ミと音が重なるし、ミの場合はミ・ソ・シと重なります。譜面上はそれぞれラ・ラ、ミ・ミになってますがこれはシーケンサーの音の性能上こうしているのであって本当は違います。

2014-08-19 22:23:31
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ミの和音を構成する音つまりミ・ソ・シを旋律に入れてみましょう。むろんミの和音が鳴っているときに、です。 youtu.be/iIeDJiNH9As

2014-08-19 22:26:42
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ラ・ド・ミの和音とミ・ソ・シの和音(Gメジャー調でいえばラ・ド・ミ)には共通項があります。ともにマイナーコードであるということです。

2014-08-19 22:30:22
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マイナーコードが四度下のマイナーコードに進むとき、ひそかに転調が起きているの法則。これは以前話したとおりです。togetter.com/li/706702

2014-08-19 22:31:57
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ここはすぐには理解できないと思うので、できれば実際に鍵盤をたたいて体で確認してみてください。

2014-08-19 22:32:34
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今回の講座のキモは、ラの和音つまり読点(、)にあたる和音が鳴ったあと、さらに読点をうつことが音楽では可能なんだということです。四度下への転調という技を使えば、です。

2014-08-19 22:34:30
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これが飲み込めると、「シェルタリングスカイ」の謎の音もすっきり解析できてしまいます。作曲者そのひとがうまく説明できず「旋法的」だとか「サティ的」とかアサッテなことを口走ってしまった、謎の音が読み解ける。素晴らしい。

2014-08-19 22:36:15