2014ホラゲー風モブサイbot簡易まとめ 【イシツ箱と僕】

2014ホラゲー風モブサイbotの簡易まとめです。フォロワーコメントは無し。今来た人用。復習したい人用です。
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格ゲー風ワンパンbot @vsone_bot

僕は師匠が仕事する姿をずっと見てきた。依頼人が安心できるように、いつも微笑んでいて、堂々とした頼れる声で話していた。僕は、頭の中に師匠を思い浮かべながら口を開く。 「――なんでも話してください」 ――100%―― 「大丈夫。最後まで聞きますから――」 ≪―― 慈悲 ――≫

2014-08-24 23:38:27
格ゲー風ワンパンbot @vsone_bot

  :   : 「モブー! いるかー!?」 「シゲオー! 死んでねぇよなー!?」 師匠たちの声が聞こえてくる。朝陽が昇っていた。屋上の扉が開く。師匠とエクボの姿がそこにあった。花沢くんが疲れ切った顔で笑う。 「遅いなぁ、二人とも」 「おい大丈夫か!? 箱は……!」

2014-08-24 23:40:49
格ゲー風ワンパンbot @vsone_bot

僕の周りには、操られていた人たちが倒れている。眠っているようだった。そして四人とも、右目だけから涙を流してる。 僕は屋上でしゃがみこんでいた。箱を耳に当てて、いろいろなことを聞いたから、いっぱい泣いた。 「もう大丈夫です……」 僕の持つ箱は、すでに黒くなくなっていた。

2014-08-24 23:43:18
格ゲー風ワンパンbot @vsone_bot

「皆、聞いてほしかっただけなんです。誰にも怨みや辛みを分かってもらえないから、直接苦痛を与えようとして、人を呪ってきただけなんです。自分達の痛み苦しみを誰かに知ってもらうのが、この箱にいる全員の総意だったんです」 朝陽が屋上を照らし、柔風が僕の前髪を揺らす。箱をそっと降ろした。

2014-08-24 23:46:00
格ゲー風ワンパンbot @vsone_bot

「今、最後の人が終わりました……」 箱は音もなく開き、バラバラになって、六枚の金属板になった。箱の中身は、もう空っぽになった。 「少し疲れたけど……、除霊完了です」 ――イシツ箱は、完全に無力化した。

2014-08-24 23:48:19
格ゲー風ワンパンbot @vsone_bot

【……三日後】 「しかし無事で良かったな、モブ。怨念を一晩中聞き続けるの大変だったろ?」 「はい。師匠はすごいですね。そんなの仕事にしてて」 「まあな。大抵の人間ってのは、話を全部聞いてもらえるとすっきりするもんだ。怨霊も元は人間だもんな」 (師匠は何でも知ってるなぁ……)

2014-08-24 23:50:11
格ゲー風ワンパンbot @vsone_bot

「よし、相談所閉めるぞ。モブも早く帰れ。まだ疲れとれてないだろ」 「はい、師匠。お疲れ様です」 「おう。……っはー、さて片付け……、ん?」 「ああ、この本最上啓示のか……、モブのやつ読みっぱなしにしてったな?」 パラパラ……

2014-08-24 23:53:06
格ゲー風ワンパンbot @vsone_bot

『――はっきり言えることだが、怨霊・悪霊の類は現存する。 怨みの行き場などどこにもない。ただただ他者を傷つけて、彷徨いながら、のた打ち回るのだ』 「……馬鹿言え。怨み続ける人生なんざ、疲れてやめたくなるだけだ」 ……パタン

2014-08-24 23:55:22
格ゲー風ワンパンbot @vsone_bot

 :  : 『シゲオ、お前頭おかしくなったんじゃねーの?』 「そうかな?」 『あの箱が、呪いを解き放つやつを探してたってのか? 変なこというなよなー』 「だって、そう思ったんだ。きっと皆、解放されたがってた。呪うのが嫌になってたんじゃないかって……」

2014-08-24 23:58:20
格ゲー風ワンパンbot @vsone_bot

「イシツ箱は、自分を救ってくれる人を探してたんだよ。呪いを振りまきながらだけど」 『はた迷惑な話だぜホント。とんでもないもん作りやがって、あの野郎』  ――コツン 「……ん」 僕が振り返ると、後ろに金属の箱があった。大小様々、50のイシツ箱が列をなして――。  ―END―

2014-08-25 00:01:02
格ゲー風ワンパンbot @vsone_bot

※フォロワーの皆様お疲れ様でした。これにて、2014年度ホラゲー風モブサイbot【イシツ箱と僕】を終了します。イベントに参加してくださった方、読んでくださった方、本当にありがとうございました。また何かやる時はよろしくお願いします。

2014-08-25 00:06:46
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