胎内記憶と「赤ちゃんは親を選んで生まれてくる」の問題点

幼児が母胎やそれ以前の記憶について証言することをもって「赤ちゃんは親を選んで生まれてくる」とする主張が抱える問題点について述べました。
心理
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幼児が証言する胎内記憶の信憑性
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
「赤ちゃんは親を選んで生まれてくる言説」が根拠としているのは幼児からの聞き取りで得られたとされる胎内記憶の証言である。しかし研究により人間は往々にして偽の記憶を構築してしまうことが明らかである。胎内記憶の信憑性を測るには、これら偽の記憶の影響を排さなければならない。
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
ブライディ・マーフィー ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96… 退行催眠を受けた女性が自らの前世として語った人物。調査の結果、名前の似た別の人物が見つかった。生後の記憶から「前世の記憶」が構築されたと考えられる事例である。
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
赤ちゃんだったころを覚えていない理由 psych.or.jp/interest/ff-25… 多くの人は赤ちゃんだったころの記憶を思い出せない。これを幼児期健忘という。理由は諸説あるが、記憶(得にエピソード記憶)の能力の発達に年月がかかることが挙げられている。
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
幼児期健忘の原因として、幼児期に構築した神経のネットワークが後の記憶で上書きされてしまうことを挙げる説もある。幼児の記憶はその仕組みからして発達の途上であるという点も、胎内記憶の信憑性を測る上で留意せねばならない。
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
記憶の歪みについて nazotoki.com/step2.html ピアジェの回想録は有名。人さらいに遭ったところを乳母に助けられたという、幼少期に聞かされた嘘の話を、実体験であるかのように錯覚してしまっていた。
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
虚偽記憶 ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%99%9A… 記事内で言及されているのは退行催眠だが、催眠を用いない面談であっても、虚偽記憶の構築を惹起してしまう恐れがあることに注意すべきだ。質問の仕方の微妙な違いで記憶が変わってしまう場合がある。
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
胎内記憶に関する記述をウェブで探してみた限りでは、「自分は空の上にいて、下を見たらママが見えた」といった証言が多いようだ。これは私の憶測の域を出ないのだが…そうしたイメージを含むメディア(絵本や、テレビ番組のオープニングムービーなど)がどこかにあって影響を与えているのでは?
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
胎内記憶について実証実験をする方法はあると思う。3歳児を部屋に入れて遊ばせる。ただしこの部屋は3種類あり、「雲の上に赤ちゃんが乗っている絵」「星が割れて中から赤ちゃんが出てくる絵」「何も描かれていない」のいずれかで装飾される。一定期間後、児に胎内記憶について面談する。
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
胎内記憶について、難産だった子が、出産前の状況(逆子だった等)の仔細を語る事例があるようだが、出生後に「あの子は逆子でなかなか頭が出なくてねえ」といった大人たちの会話を漏れ聞いてしまったら、胎内記憶としての信憑性は一気に薄れてしまう。
虐待と胎内記憶との関係
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
さて、胎内記憶と虐待の関係に移ろう。「虐待するような親を選んで生まれてくる子がいるのか?」という問いに対し、魂の不滅やら輪廻やらを持ち出してくる者がいたら、「魂は不滅なんですからあなたの肉体が今ここで滅んでも問題ありませんね?」と言っておきたい。
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
魂の不滅はともかく輪廻は実証されていない。そもそも輪廻を含む宗教観自体が限定的である(キリスト教には輪廻の考え方はないもんね)生まれ出た子の生命をそのようなものに賭してしまうことに、危険はないだろうか。おっと脱線した。
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
輪廻は置いておいて。「なぜ虐待する親を選んで生まれてくるのか?」に対して、「その親を助けようとしたからだ」とする証言はあるようだ。これはもっともらしいことである。DV被害者が陥る「私が耐えて支えなければダメ」思考に似ている。
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
私が危惧しているのは、「虐待する親を救うためにその親を選んで生まれてきた」という言説が、被虐待者の回復や自立を妨げてしまうことだ。先の言説を忠実に内面化したとする。親が逮捕されたらどうなる?「私が救えなかったから親は逮捕されてしまった」と自分を責めるようにはならないか?
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
そう、胎内記憶言説は、親の虐待で死んでしまった子には魂の救済策を設けているのだが、サバイバーへの配慮が見当たらないのだ。むしろその構造から、「君が選んで生まれてきたんだろう?あの親を救うために」という、逆のメッセージを放っている。
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
むしろさー、性的虐待のサバイバーは多いわけですよ。そういう人達に面と向かって「あのお父さんを選んで生まれてきたんですよね?救うために。立派なことですよ」なんて言えますかね?
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
もっとも、胎内記憶言説は、「子は親を選んで生まれてくる」とは言うが、「だから親は子を好きにしてよい」とは言わない。むしろ「せっかく選んでくれたのだから期待に応えなさいよ」というのが含意するところだろう。それにどれくらいの意味があるのかは、わからないけど…
親になれない人が傷ついている
遊牧家族/yuuboku @yuuboku
最後に。「子は親を選んで生まれてくる」言説が、不妊治療を受けても子に恵まれない人々を傷つけている、という事例も散見されたことを書き添えておく。(ただしこれには「みんなあなたの子どもになりたくて喧嘩しちゃってなかなか決まらないのよ」というちょっと素敵な(?)言説もある)

コメント

bass_ikeda @bass_ikeda 2014年8月26日
催眠療法によって事実無根の嘘記憶を刷り込まれる、なんて報告もあるようですね / 虚偽記憶 http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%99%9A%E5%81%BD%E8%A8%98%E6%86%B6
bass_ikeda @bass_ikeda 2014年8月26日
ただの物語に意味やら意義やら教訓やらを求めて事実の認識が歪む事例はよく見かけます。麗しい教訓とは酔うてみるのも垂れてみるのも心地よいものです。
ゆゆ @yuyu_news 2014年8月26日
この説、何が発祥なんだろう。輪廻転生的な考えを持つ宗教の場合、前世の業によって人間以外の何かになった話は多くても、「自分で何に生まれるか選ぶ」というようなものはあまりないように思うし。
マフラーマント @shotany 2014年9月2日
来世があったって 仮に無くたって だから何だって言うんだ