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何も知らないふりをして、首を傾げた。 指先でつないだ手は今にも離れてしまいそうだった。 横顔。視線は交わらない。 夏の夕暮れ、鬼灯みたいに朱く染まって。 嗚呼、よく、わからないな。 #夏ヒトヒラ なんでこんなことになったんだっけ。
2014-08-21 00:16:29![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ほら、ごらんなさいな この赤く染まった頬を この華奢で可愛い体を この花のような全てを ほら、おいでなさいな 良いのよ、好きにして 良いのよ、壊しても。 #夏ヒトヒラ (その代わり) (貴方の全てをもらうから)
2014-08-21 00:17:01![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
着物の帯に鬼灯を刺した女は遊女の証。でもだれも私を誘ってくれないなぜなら私があのお方の女だと知っているから。でもあのお方は別の女のところに行っていて、私には見向きもしない。それなら私を自由にしてくれればいいのに。そうすれば、どこへでだって帰れるのに。#twnovel #夏ヒトヒラ
2014-08-21 00:22:16![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
どうか、名前を呼んでほしい。 どうか、名前で呼んでほしい。 ふわふわのままで、かまわない。 互いの、声が、腕が、ひとみが。 胸元に灯した、朱いひかり。 ゆっくりふたりを、冒してゆくの。 #夏ヒトヒラ いざなう掌差し出したのが、 どちらから、なんて、 もうどうでも、いいの
2014-08-21 00:46:03![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
不思議と悪い気はしなかった。偽りだとしても、隣にいれればよかった。たとえその先がわかっていたとしても。眠れない夜、1人でふらふら外に彷徨い出た。心許ない光が足元を照らす道。遠くで祭りの音が聞こえる。嗚呼、どうか。(私を誘ってくれはしないかしら) #夏ヒトヒラ
2014-08-21 00:46:47![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
偽りだから頼りないのか 頼りないから偽りめいているのか 隣のきみは飄々として わたしときみの心許ない繋がりに こんなにも心砕いているのは まるで私だけのようで こんなことで苦しむのであれば 全部投げ棄ててしまいたいのに #夏ヒトヒラ 唐突にわたしの手をとり、 笑うきみなんて、
2014-08-21 01:00:58![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
揺れる火が足元を照らす わたしはどこへ向かおうか 誰かに手をひいてもらいたい 手探りで進む道に 頼りない提灯の火 導かれたなら 川も渡りそうになる 危うい夜 #夏ヒトヒラ #怪詩
2014-08-21 01:06:43![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ほ・う・ずき?」「ほ・お・ずき」「つ?す?」「す」真っ赤な小さい袋を指先で弄びながらこちらを見ずに言う君の言葉はふわふわと宙に浮かんでいる。君は僕に嘘ばかりつく。いや、「嘘」とも言えないくらいの、勘違いや心変わりにすぎないのだけど、僕は今日も君を信じない。 #夏ヒトヒラ
2014-08-21 07:35:22![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
私を包んでください 悲しみ痛むことから 殻を作って 自分の世界がほしい 現実より そのほうが いくらか過ごしやすい #夏ヒトヒラ
2014-08-21 08:11:22![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
巡る世界で あの日貴方を知った事 あの日あたしが変われた事 その気持ちを 壊さないように 鍵をかける 開ける事ができるのは 貴方だけ 【8月21日 お題】「鬼灯(ほおづき)」 花言葉は「私を誘ってください」 #夏ヒトヒラ pic.twitter.com/rrYhiTCb23
2014-08-21 11:09:46![](https://pbs.twimg.com/media/Bvhxq6fCYAEQChc.jpg:medium)
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鬼の灯す明かりは いらない 皮一枚剥がされた わたしの中の空洞を 百鬼夜行が抜けていき 鬼に触れられたところから 腐っていくのだ 柔らかく丁寧に皮だけにした ほおづきを わたしが被りし夜のこと 灯りはこの身ひとつ 鬼はどこまでも百八つ #夏ヒトヒラ
2014-08-21 12:43:35