「はーい、及川徹くん誕生日おめでとうございまーす、せーの」 (何かが顔にあたる音) 「……スガちゃん」 「はい」 「どうして帰宅早々顔面ケーキを受けなければならないんでしょうか」 「東京の黒尾鉄朗くんが作ってくれました」 「なにそのいらん情報」
2014-07-20 19:30:37「その紙袋の中身、どーせ学部内の女子からもらってきたんだろ?」 「今日が誕生日って教えた覚えはないんだけどねぇ」 「とにかく早くあがれ。んで、洗面所でその顔見てこいよ。笑うから」 「ヒッド!! ちょっと~眼鏡に思いっきりクリームついてるんですけど」
2014-07-20 19:35:34【洗顔終了】 「うわぁ、服にまでついてる。綺麗に顔面ヒット」 「終わったか? うわ、服にまでついてるぞ。だっせ」 「知ってる!! スガちゃんがつけたんでしょ! 笑わないで!?」 「早く着替えて来いよ~」 「ちょっとぉ!」
2014-07-20 19:40:34「おお、今日の夕食は赤くない」 「赤いほうがよかったか?」 「いいえ全然! ……これ、全部スガちゃんが一人で作ったの?」 「いや? 清水がうちに来て少し手伝ってくれた」 「あぁ、マネちゃん? 烏野の」 「そうそう。昔話はいいから、早く食うべ」
2014-07-20 19:50:35「ごちそうさまでした!」 「はい、きれいに完食ありがとうございました」 「スガちゃんのことだからから揚げにロシアンルーレット仕込んでるんじゃないかってびくびくしながら食べてた」 「おお、いいなそれ。今度やろう」 「えっ」
2014-07-20 20:20:35「それにしても、こうやって俺の誕生日を家で祝うの、すっかり当たり前になっちゃったね」 「なんでか知らないけどお前は昔っから目立ってそれどころじゃなかったもんな~」
2014-07-20 20:25:34「そうだ、お前その紙袋の中確認しないでいいのか?」 「えっ? いいの?」 「いいの、ってなんで」 「いや、スガちゃんの前で見たら怒るかなって。せっかく二人だけなのに」 「あのなぁ、俺がそのくらいで怒ると思います?」
2014-07-20 20:30:43「他にもメッセージカードとか、うわ、これめっちゃ高いスポーツタオルだ」 「お前人気者だなぁ」 「うん、素直に嬉しい。使う勇気はないけど」 「ヘタレか!」 「だって怖いじゃん!!!」
2014-07-20 20:45:34「あーあ、こんな気合入ったものもらったら、俺のが霞むなぁ」 「スガちゃんがくれるものなら、俺はなんでも嬉しいよ」 「……お前、よくそんなことさらっといえるな。怖いわ」
2014-07-20 21:05:35「わぁ、ネクタイ」 「ちなみに俺とお揃いな。色違いだけど」 「……どうしよう、めっちゃ嬉しい」 「お、おい! 泣くなよ! 俺が泣かしたみたいだろ!?」 「スガちゃんが泣かした」 「あーもう、悪かったって!」
2014-07-20 21:15:34「泣き止んだか?」 「……うん。ほんとにありがとうスガちゃん」 「ネクタイ一本で泣くなんて、この先思いやられるな」 「むっ、来年のスガちゃんの誕生日は覚悟しててよ! 絶対泣かして見せるから」 「さぁ、どうかな」
2014-07-20 21:25:33