李啓充先生の講演

本田　宏 @honda_hiroshi

李啓充氏、米国P4Pの問題点（まとめ）①現時点では質が劇的に改善するという証拠はない②現時点で医療費が抑制されるという証拠もない③重症患者の忌避・計測項目以外は手を抜く等、好ましくない結果を将来する危険が伴う。

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李啓充氏、米国メディケア・メディケイド管理庁長官に就任したドナルド・バーウック氏（小児科医で医療の質改善の大家）。医師・看護師対象のP４Pには反対している。理由は医療者はより良い医療を提供したいという欲求がある。札びらで医療者を変えようと言うのは間違い。と。

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李啓充氏、米国では競争や札びらでなく、病院相互間学習が質改善に寄与したデータあり。→ニューイングランド三州における心臓外科手術の改善。（JAMA 275:841-846,1996)

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李啓充氏、日本では保険者機能の強化を財界・連合・健保連が一致して主張。医療機関の選別・医療機関との個別契約を考え、医療内容の「適・不適」の審査をして患者さんのために益するという主張。しかし事前審査（保険休給付拒否して医療行為ができなくなる）、事後審査（支払い拒否）の危険性あり

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李啓充氏自身の経験：２００９年１月初め直腸カルチノイドの診断。腫瘍径０．６ｃｍ、EMR試みるも切除失敗。経肛門的切除の適応で２月２日に手術予定。ところが直前に保険会社から保険給付拒否の通知。研究段階の手術に保険適用は認められない。人口肛門増設手術なら認めると。←大変困った

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李啓充氏自身の経験：保険会社から保険給付拒否の通知に対して不服申請の手続き開始。保険会社と交渉する弁護士を雇う（時給１７５ドル）。自分で文献も集めて粘り強く交渉しようやく給付拒否の決定が取り消され、二ヶ月後れて手術を受けられた。

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李啓充氏、日本でも保険者機能の強化を財界・連合・健保連が一致して主張し「保険者が通訳を勤める」と言うが、通訳と称する人々の医療介入は「患者の権利」を侵害する危険性あることを忘れてはならない。

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李啓充氏、ドナルド・バーウィック（保守派から危険思想の持ち主と毛嫌いされている）の言葉「病者ほど貧しい傾向があり貧しい人々ほど健康を損なわれている事実を直視しようとせずに、お金のある人や健常者のみを保護することも可能です。しかし公平かつ文明的かつ人道的な医療費のシステム（続く）

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李啓充氏、ドナルド・バーウィック（保守派から危険思想の持ち主と毛嫌いされている）の言葉「医療費のシステムは、富める人から貧しい人・不運な人へと富を再分配するシステムでなければなりません。優れた医療制度は、医療制度という名を使う限り、富を再分配する制度でなければならないのです」

本田　宏 @honda_hiroshi

李啓充氏、ドナルド・バーウィック「英国のように医療費にGDPの９％しか使わずに国民が医療にアクセスする権利を保障する代わりに、米国のように医療費に１７％も使いながら、国民が医療にアクセスする権利を保障しないというやり方もあります。

本田　宏 @honda_hiroshi

李啓充氏、ドナルド・バーウィック「・・市場の「見えざる手」に委ねることで、本来政治家達に課されている説明責任をあいまいにするだけでなく、消失させてしまうことさえできるのです。・・私企業が支配する暗黒の下で、誰も説明責任を負おうとしないシステムに委ねてしまうこともできるのです」

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李啓充氏、ドナルド・バーウィックの挨拶は２００８年７月、NHS発足６０周年記念式典でのスピーチ。

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李啓充氏、米国では新しい治療を患者一個人が保険審査請求ができるシステムとなっている。その際に米国では日本の厚労省にあたる官僚がその個人を懇切丁寧に補佐する役割を果たしている。そこは日本の官僚と全く異なる点と思われる。

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李啓充氏：私は自己責任や生活習慣病という言葉は嫌い。経済の問題や遺伝の問題等々、個人では解決できないのが多くの病気に関係している。憲法２５条の精神で医療制度を整備すべきではないか。

本田　宏 @honda_hiroshi

李啓充氏に私が質問「医療再生の活動を通して患者（国民）と医療者が手を取り合って動かねば何も変わらないと実感。患者の権利視点での医療基本法制定が必要と考えている。米国ではそのような法律はあるのでしょうか？」李氏「米国では州単位で患者の権利を守る法律あり」日本はやはり後れていた