小西に「頼むな」って言われたときも、内海は内心「ええええええええええ無理無理無理無理嬉しいけどええええええ」ってなってたはずなので。
2014-08-26 01:59:36お化け屋敷ってさ、意外と男も怖いじゃん。あんまり意識してない子の手でもはずみで握っちゃったりするじゃん。抱きつかれたりしたらぎゅっとしちゃうじゃん。そんで後で「しまった・・・お化け屋敷ってやべえ」とか思ったりする。だから永田先生もそんな感じだったと思います。
2014-08-26 02:07:12@nisikou_d 内海ちゃん可愛いっ……!真っ赤になってて、後で気づいた永田先生に、「悪い、ペース考えずに走った。大丈夫か?」「だ、だいびょうぶですっ!!」「そうか?」「(こくこく頷く)」とかなってるんだろうなー。あー可愛い。恋する乙女可愛い。
2014-08-26 01:56:41肝試し編
無理だって思った。 いつもの教室の、黒板の前の先生なら見てられる。でも隣だなんて、一緒に歩くなんて。無理だ。 小西はなんで知ってたんだろう。私があの人のことが好きでどうしようもないってこと。この想いは、あの淡々とした同級生にまで気付かれるほど漏れ出ているのだろうか。 #ながうち
2014-08-28 23:07:23「内海?」 思わず足取りが鈍ると、少し先を歩いていた先生の声が響いた。 夜の学校。しんとした廊下。誰もいない、廊下。 「怖いですね」 ごまかすように下を向く。 「うん。夜の学校って不気味だよな」 あの野郎巻き込みやがって、と小西に悪態をつく、少し嬉しそうな声。 #ながうち
2014-08-28 23:14:14「先生、なんか嬉しそう」 「うん?いや、まあな。小西があんまり変わらなくてよかったよ」 「野球部のこと…?」 「そう。ショックだったはずだから」 優しい先生。誰にでも同じように、こんな風に心を砕いて寄り添って、とてもいい先生だって親たちも言ってる。 だけど、私は。 #ながうち
2014-08-28 23:16:52「うおっ」 「きゃっ」 ほぼ同時に声が出たのは階段の踊り場にいたピエロの人形のせいだった。 いつもは学校にいるはずのないもの。 「あー…心臓に悪い」 先生が眉間にシワを寄せて頭をかく。いつもと少し違う顔。余裕のある笑顔が消えてる。 「何笑ってんだよ」 「いえ…別に」 #ながうち
2014-08-28 23:20:41少し嬉しい、なんて言えるはずもなかった。 歩を進めて、理科室。誰かいる。歌ってる。怖い。 「わーらーべーは見ぃたーりー。のーなかーのばーらー」 「キャーーー!!」 振り返ったその顔、焼けただれたその顔に思わず悲鳴をあげていた。反射的に近くにある腕をつかんで、 #ながうち
2014-08-28 23:26:42それが先生だって気付くのに0.1秒。 「ごごごめんなさい!」 うわずる声。やだ。気付かれたくない。 「大丈夫」 少し低い声が響いて、先生が息をついた。 「梅原だよな?おれたちで最後だぞ」 火傷の人はニヤァと笑って、こっちに近付いて来る。 「ちょっ、やっ」 「行くぞ」 #ながうち
2014-08-28 23:29:27腕を引かれた。心臓が跳ねる。 それからのことはあんまり覚えてない。先生の体温と、たまにぎゅっとなる大きな手のひらと、うるさいくらいの自分の心臓の音。それだけ。 「走るぞ」 順路の最後、先生が差し出した手に泣きそうになった。 優しい先生。誰にでも、優しい。 #ながうち
2014-08-28 23:34:11「うまくつかねー」 「濡れた手で触るなって」 南野くんから線香花火を取り上げて火をつけ、それを彼に渡す大きな手。 「内海?」 見とれてて握りしめた花火が、手の中でくしゃくしゃになってた。 「先生、私のも」 「仕方ねえなあ」 ぱちぱち。火がついて、先生がまた近づく。 #ながうち
2014-08-28 23:37:35「せんせい」 呼ぶ。 「ん?」 目を伏せたまま、こっちを見ようとしない。 …なんで? 「…どうしたんですか?」 「何が?」 答えないまま線香花火を手渡される。揺れて、ぽとりと落ちた。 「へたくそ」 笑った横顔に近付けないまま、火薬の匂いにまた泣きそうになった。 #ながうち
2014-08-28 23:43:43@dodoitsu_ 大変ごちそうさまでした。萌えたぎりすぎて眠れなさそうです。あああながうちあああ!あああ!ヾ(:3ノシヾ)ノシ
2014-08-28 23:45:49走るぞ、と差し出された手に心臓が跳ねた。いえ、その、と怯んでいると、生徒置いて逃げられるか、と続く。 生徒。そうだよね、と納得しながら、そっと手のひらを重ねた。汗ばんでいるのも、どきどきしているのも、今なら平気だと自分に言い聞かせて。 #ながうち
2014-08-28 23:14:46生徒とはいえ女性で、というより生徒であるからこそ湧いた一瞬の躊躇いをかき消して手を伸ばす。 庇護欲?見栄?まさか、と自嘲する余裕があったのは、その手を掴んで走っている間が妙にスローに感じられたせいだ。時間にして1分もなかったはずのそれは、しかし妙に長く感じられた。 #ながうち
2014-08-28 23:36:55