杉本貴志先生の生協論(ロッチデール生協の功罪を語る)

くらしと協同の研究所の理事会での杉本貴志先生(関西大学)による生協論の講演。ロッチデール生協が世界最初の生協ではない。ロッチデール生協にさかのぼりつつ、現代のイギリスの生協の現状を紹介する。
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Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

ロッチデールが世界最初の生協ではない。オーウェン派協同組合運動によって多数の生協(店)がつくられた。しかし、ロッチデールが初めて大々的に成功した生協。なぜ成功したのか。独特の運営ルールを持っていたから。(続く)

2010-11-20 16:45:41
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

今日の世界の生協は、ロッチデールの原則を学んで広がる。ロッチデール原則がベースに協同組合原則に。なお、ロッチデール原則は創始者自らが主唱したわけではなく、研究者が整理したもの。(続く)

2010-11-20 16:47:50
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

ロッチデール原則。1民主主義の原則。当時のイギリス社会で珍しい考えではないが、経済活動で1人1票原則は現在においても革新的である。2開かれた組合員制。閉鎖的ではない。3出資に対する利子の制限。(続く)

2010-11-20 16:50:33
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

4利用高に比例した割り戻し(+市価販売)。これが成功の大要因。お金があるとムダ使いしてしまいがちの組合員を対象に、市価で売って利用に応じてお金が貯まるという仕組み。5現金取引。(続く)

2010-11-20 16:53:48
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

6純良で混ぜものをしない商品の販売。現在の協同組合原則にはない。日本は特にこの考えが影響。「安全・安心」志向。7教育の重視。消費者の学習が自分たちを守る。8政治的・宗教的中立。(続く)

2010-11-20 16:55:27
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

杉本貴志先生の講演から。ここからが面白い。生協は大規模化する中で民主主義の原則を揺るがすようになっているが、その根本的原因が、発展の要因でもあった「利用高割り戻し」にあると主張。生協の理念ではなく、お金目当てに。

2010-11-20 17:00:07
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

生協の利用高割り戻し(イギリスではdevi)、もともと違う考え、協同社会をつくろうということだったのに、実態はこれはヨドバシカメラのポイントみたいなものになってしまったという話。チェーンストアとまともに競合してシェアを落とす。

2010-11-20 17:04:59
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

そこからの反省。消費者の利益だけでいいのか?「協同組合はコミュニティの持続的発展への関与に責任を持つ」という新たな協同組合原則で宣言する。イギリスのユナイテッド・コープは"The Community Retailer"というキャッチフレーズ。生鮮コンビニを展開。

2010-11-20 17:11:00
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

郵便の民営化が進むイギリスで、地方の郵便局をコープが展開。中身は雑貨店。これがイギリスのコープが考える社会に対する貢献、責任の具体化。大型店はほとんど縮小。フェアトレード商品が商品政策上は目玉で先鞭をつけ、他の流通業にも広がる。

2010-11-20 17:14:35
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

他に。動物実験をしない化粧品。フリーレンジエッグ、カゴを使わない飼育。ニワトリにやさしいことがポイント。ツナにもドルフィンセーフ。動物を大切にするイギリス。

2010-11-20 17:17:57
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

他に。動物実験をしない化粧品。フリーレンジエッグ、カゴを使わない飼育。ニワトリにやさしいことがポイント。ツナにもドルフィンセーフ。動物を大切にするイギリス。

2010-11-20 17:17:57
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

シンクタンク"Ethical Consumer"という雑誌。薄型テレビの購入ガイドも、環境、動物、人権、政治等の姿勢で優劣を評価。日本企業の評価は低い。社会的責任を重視する商品、ビジネスを追求することを模索している。

2010-11-20 17:22:37
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

参照→ http://www.ethicalconsumer.org/ RT @ywakabayashi: シンクタンク"Ethical Consumer"という雑誌。…社会的責任を重視する商品、ビジネスを追求することを模索している。

2010-11-20 17:46:59
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

もう1つの反省。忘れ去られてきたこと。協同組合労働、生協の職員の問題。19世紀末には労働者利潤分配制度があり、職員が生協をリードすることを期待する南部派と、これに対し事業拡大のために廃止すべきだという北部派が鋭く対立。

2010-11-20 17:28:40
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

ベアトリス・ウェッブは、生協労働者は労働者のごく一部、労働者は消費者だから、消費者に利益を還元する「北部派」の主張を支持。こうして労働者利潤分配の制度はなくなる。国際的にもある種のタブー視に。現代においてあらためて「労働」のあり方も視野に。

2010-11-20 17:36:19
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

ですねーRT @dennis_50: マーケティング3.0ですね。RT @ywakabayashi: シンクタンク"Ethical Consumer"という雑誌。購入ガイドも、環境、動物、人権、政治等の姿勢で優劣を評価。日社会的責任を重視する商品、ビジネスを追求することを模索

2010-11-20 17:48:49
Yasunaga Wakabayashi @ywakabayashi

以上、杉本貴志先生(関西大学教授)のお話でした。

2010-11-20 17:36:56