「常に同じで不変な」まどか

以前自分は,『その焔が照らす先へ』 http://togetter.com/li/660175 の中で,ほむらの〈願い〉とあまりにも密接に関連しているために,ほむらが今まで疑いもしなかった前提があったことに触れました。それはループをすれば「常に同じで不変な」まどかと出会える,という前提です。 以下の一連の投稿では,『その焔が照らす先へ』で駆け足で説明したその内容について,『魔法少女まどか☆マギカ』のTVシリーズ,『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語』,同『[後編]永遠の物語』を足掛かりにして,もう一度順を追って整理します。
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篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

この〈願い〉の文言。ほむらは「やり直したい」と言っています。この「やり直す」という言葉が,ほむらの認識を象徴しています。「迷路の中を進んできて,行き止まりにぶち当たった。迷路の入り口にまで引き返して,またそこから再出発しよう」というわけです。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:38:43
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(あるいは「画像編集ソフトである写真を編集していて,何か思ったのと違うものになった。『元に戻す』ボタンか『Ctrl+Z』キーを押して,未編集の状態まで引き返して,またそこから再編集しよう」という例えの方が分かりやすいでしょうか。) #暁美ほむら

2014-09-08 23:38:56
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「やり直したい」というほむらの〈願い〉は,もっと明確に表現すれば「時間を巻き戻したい」です。そしてほむらは,時間を巻き戻した先,つまり「迷路の入り口」には,「自分の目の前で死んでいるまどか」が「生きて」待っていてくれるはずだ,と期待しているのです。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:39:16
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

任意の経路(=周回)の任意の地点(=その周回を開始してからの時間経過)から任意の回数引き返したとしても,迷路の入り口は,その形状も,位置する場所も,「常に同じで不変」であってくれなければ困ります。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:39:47
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

迷路の入り口に引き返したら,その形状も位置する場所も全く別のものに変わっていた…という「そんなバカな!」と叫びたくなる可能性は,ほむらでなかったとしてもまず考慮しないでしょう。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:40:03
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(画像編集ソフトの例で言うなら,編集対象である元々の未編集の写真が,全く別の写真にすり替わっているようなものなのですから。) #暁美ほむら

2014-09-08 23:40:17
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

同様の考えを,3周目でも見て取ることができます。まどかが託した約束に対してほむらが答える場面です。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:40:34
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「約束するわ。絶対にあなたを救ってみせる。何度繰り返すことになっても,必ずあなたを守ってみせる!」 #暁美ほむら

2014-09-08 23:40:45
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

絶対に「あなたを」救ってみせる,と言っています。必ず「あなたを」守ってみせる,と言っています。これは,時間を巻き戻して「迷路の入り口」に戻りさえすれば,「常に同じで不変な」まどかが待っていてくれることをほむらが疑っていない,ということを意味します。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:41:04
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

そして本編たる5周目。ほむらはこう独白しています。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:41:21
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「繰り返す。私は何度でも繰り返す。同じ時間を何度も巡り,たった一つの出口を探る。あなたを,絶望の運命から救い出す道を」 「まどか…たった一人の,私の友達…。あなたの…あなたの為なら,私は永遠の迷路に閉じ込められても,構わない」 #暁美ほむら

2014-09-08 23:46:50
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「同じ時間を」と言い,「迷路」という表現を使っています。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:47:19
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

やはりほむらは自身の置かれている状況を「迷路」として認識し,この一ヶ月間を繰り返すことを「迷路の中を進んできて,行き止まりにぶち当たった。迷路の入り口にまで引き返して,またそこから再出発しよう」ということとして認識しているのです。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:47:27
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

そして止めは,第11話「最後に残った道しるべ」,あるいは『[後編]永遠の物語』で,ほむらの家を訪ねてきたまどかに対してほむらが語りかけた言葉です。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:47:43
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「…私ね,未来から来たんだよ。何度も何度もまどかと出会って,それと同じ回数だけ,あなたが死ぬところを見てきたの。どうすればあなたが助かるのか,どうすれば運命を変えられるのか,その答えだけを探して,何度も始めからやり直して」 #暁美ほむら

2014-09-08 23:48:07
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「繰り返せば繰り返すほど,あなたと私が過ごした時間はずれていく。気持ちもずれて,言葉も通じなくなっていく。たぶん私は,もうとっくに迷子になっちゃってたんだと思う」 #暁美ほむら

2014-09-08 23:48:32
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「あなたを救う。それが私の最初の気持ち。今となっては…たった一つだけ最後に残った,道しるべ。分からなくてもいい。何も伝わらなくてもいい。それでもどうか,お願いだから,あなたを私に守らせて」 #暁美ほむら

2014-09-08 23:48:45
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

以上から分かるように,ほむらにとってまどかは,迷路の入り口たる「常に同じで不変な」存在なのです。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:49:02
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

ほむらにとっては,任意の相異なる2つの周回のまどか同士の関係(例えば,1周目のまどかと2周目のまどか,3周目のまどかと5周目のまどか)は,似ている別人でもなければクローンでもなく,「完全に同一の」存在なのです。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:49:28
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

相異なる2つの周回のまどか同士の関係が似ている別人である可能性は最初から考慮していません。従って,周回を重ねたことによってまどかを「似ている別人」に変化させた,という「そんなバカな!」と叫びたくなる可能性は,ほむらは最初から全く考慮していないのです。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:49:55
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

迷路の模式図を作ってみました。図の中に登場する経路1から3は,ほむらの周回の回数と全く関係ありません。 #暁美ほむら pic.twitter.com/eix9bBpwOX

2014-09-08 23:52:30
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篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(3)ほむらは,自分の行動によってまどかの価値観が変化することを,全く考慮していなかった。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:52:59
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

言われてみれば当たり前のことかもしれませんが,観測者(観測機器)も観測対象に影響を与えます。例えば次の例を想像してみましょう。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:53:20
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「今,あなたは台所で鍋を火にかけて,鍋の中の水を温めています。温度計で水の温度を測ってみると,温度計は50℃を指し示しました。さて,水の温度は実際には何℃だったでしょうか?」 #暁美ほむら

2014-09-08 23:53:37
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

これは,温度計自体の温度が元々何℃であったかによって答えが変わります。 #暁美ほむら

2014-09-08 23:54:08