- eighter_rieko83
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156 私の隣には信ちゃん、ソファーの横に寝ているたっちょん。 すっかり静かになった部屋。 さっきまでの賑やかさが嘘みたい。 もうすぐ、お皿も洗い終わる…。 村上「あいつら置いてくとか、 薄情なヤツらやでぇ。」 正直、しょーちゃんが先帰っちゃったの寂しいな。
2014-09-09 17:06:45157 私 「ふふ。楽しかったなぁ♪」 村上「料理、うまかったわぁ。」 私 「ホントかなぁ?」 村上「なんでそんな疑り深いねん! ホンマやって!」 私 「ホントならいいけど。」 村上「前も自信ない言うてたけど、 なんでそんなないんか 分からん。」
2014-09-09 17:07:09158 私 「独学だからかな?あまり 誰かに教えてもらったりとか したことないから…。自分 好みの味なだけで、一般的に おいしいのか分かんない。」 村上「じゃ、○○と俺の好みの味は 同じっちゅうことやな!」 私 「えっ?あ、ありがとう…。」
2014-09-09 17:07:30159 サラッと言われたけど、なんか照れるよ、信ちゃん…。 村上「よし!皿洗い終了!」 私 「ありがとう!」 村上「なんも。作る方が大変 やったやろ?」 最後のお皿を拭き終わって、隣を見る。 じっと私を見てる信ちゃん。 ふと私の手からキッチンタオルを取り上げる。
2014-09-09 17:07:53160 私を見つめたまま、それをキレイになったお皿の上へ。 彼の目は優しくて、真剣で…すごくドキドキしてしまう…。 恥ずかしくて、俯いたら、フワッと彼に包まれた。 村上「もぉ、気付いてるやろ?」 私 「…信ちゃん…。」 村上「…薄情なヤツらとか 言うたけど…。」
2014-09-09 17:08:18161 村上「ホンマは感謝してんねん。 お前と2人になりたかった から。ずっと… こぉしたかったから。」 私を包む腕に、少し力が入った。 村上「でも…、あいつがおるから 2人やないな、はは。」 そう笑い私からそっと離れて、たっちょんの方を見た。
2014-09-09 17:08:44162 そして、もう一度私を見た。 村上「困らせたんならごめんな? でも、ちゃんと分かってて 欲しかってん。」 私 「う、ん…。」 村上「肝心な言葉は今度ちゃんと 言わして?そん時まで、 ゆっくり考えて欲しいねん。」 私 「……わかった。」
2014-09-09 17:09:02163 村上「ほな、帰ろかな!」 ニカッと笑って、たっちょんの近くへ向かう。 私もゆっくり後を追う。 村上「おい、大倉!いつまで 寝とんねん!帰るで!!」 大倉「…んー………。」 村上「ほれ、はよぅ!起きろ!」 大倉「うん………。」 ゆっくりと起き上がる。
2014-09-09 17:09:19164 大倉「あれぇ?みんなはぁ?」 私 「先帰っちゃったよ、ふふ。」 えーっ、と言いながら立ち上がり、荷物を掴んだ。 村上「ほな、行くで!」 玄関へ向かう信ちゃんの後ろに、眠そうなたっちょん。 私もついてって、お見送り。 大倉「おいしかったわ、 また来るな!」
2014-09-09 17:09:50165 村上「ほな、ありがとな!」 私 「うん、気をつけてね?」 玄関から、エレベーターに乗り込む2人を見送る。 乗り込む時にお互い手を振って。 すっかり見えなくなると、静かに部屋に戻った。 また1人になった部屋。 信ちゃんのことを考えるのに相応しい空間。
2014-09-09 17:10:08166 彼が言った“肝心な言葉”、それこそなかったけど、伝わってきた真剣な想い。 抱きしめられて、気持ち伝えてくれて、揺らがないわけがない。 しょーちゃんたちとドライブに行った時、電話くれたけど、もしかしてしょーちゃんへの気持ちに気付いてるのかな? その上で、言ってくれたの?
2014-09-09 17:10:29168 産みの苦しみを味わっていた。 同時進行の小説と、コラムの依頼でパニック。 信ちゃんの顔が頭から離れないせいなのか、うまく捗らない。 それでも何とか今日の締切に間に合いそう。 3日間まともに寝てない。 寝落ちしそうだったから、きのう様子を見に来た☆☆さんに合鍵を渡した。
2014-09-14 09:16:04169 原稿は必ず上げるから、勝手に持っていって、と。 もう、そろそろ☆☆さん来る頃…でも限界だな…待ってるのしんどい…てゆうか、身体がかなりしんどい…。 ベッドルームへ行こうと立ち上がると、クラクラしてその場にへたり込んでしまった。 意識も朦朧としてきた…あれ、おかしいな…。
2014-09-14 09:16:21170 ちょっと、がんばりすぎちゃったかな…ダメだ、意識が、、、。 ーーーーーーーーー 私を呼ぶ声が聞こえた。 身体も揺さぶられてる。 あ…☆☆さんだ…。 うっすら目を開けると心配そうな顔。 ☆☆「先生!大丈夫ですか!」 私 「あ、原稿…。」 ☆☆「先生!」
2014-09-14 09:16:37171 それはいいんですよ、いや、よくはないけど!って独り言のように言いながら、おろおろしてる。 ☆☆「あ!救急車呼びましょう!」 私 「や…大丈夫だよ、寝不足…、」 ☆☆「何言ってるんですか! すごい熱ですよ!」 え、私熱があるのか…。 その時私に電話の知らせ。
2014-09-14 09:16:54172 ☆☆「先生、村上さんって方から、」 信ちゃんから…。 ☆☆「……出ます!!」 え?? ☆☆「もしもし!…え、はい、 編集の者なんですが、先生の お知り合いなんですよね? ………あの、先生が倒れて… はい!動けな…えっ?はい!」
2014-09-14 09:17:17173 ☆☆「はい、お願いします!」 お願いします? 何を………? ☆☆さんの声がだんだん遠くなって…私は意識を手放した……………。
2014-09-14 09:17:55