ドラゴン長門シリーズ【その4・ビスマルク編Ⅲ】

BLITZ @Silver_Naught

〜カフェ外〜 陸奥「はー…結局夕立任せになるとはね…」 長門「ああ。まさかサインをねだられる程に人気があったとは思わなかったな…嬉しいことだが今はそれどころではないのだ…ヤツから目を離してはいかんのだ…！」 陸奥「大丈夫だと思うんだけどなぁ…」 #ドラゴン長門

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陸奥「でもここまで有名となると、尾行中で騒ぎにならなかったのは不思議ね…」 長門「うむ。いくつか視線は感じていたが…皆シャイなんだろう。知っていても話しかけづらいと言うこともある」 陸奥「…まぁ他の人から見たら完全に不審者だろうしね…」 #ドラゴン長門

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夕立『こちら夕立！』 長門「む！なんだ！動きがあったか！」 夕立『うん！頼んだミルクとチョコバナナパフェが来た！美味しそう！』 長門「それはお前の注文じゃないか！？しかもなに頼んでるんだ！？」 夕立『えへへ〜♪お腹空いちゃって♪じゃ！いっただっきまーす！』 #ドラゴン長門

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夕立『…ん〜っ！おいしー！クリームたっぷりであまーい！』 長門「なっなに！？そ、そんなに美味いのか…！？」 夕立『うん！すっごく美味しい！あっ！このバナナおっきい！提督のみたい！』 長門「なななんだとおおおおお！！？私も行きたい！！」 陸奥「姉さん落ち着いて…」 #ドラゴン長門

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長門「これが騒がずにいられるか！陸奥！お前は提督並のバナナを提督を見ながらしゃぶりたくないのか！」 陸奥「しゃぶりたい」 長門「だろう！？騒ぎたくもなるだろう！？」 夕立『れろっ…るっ…れろっれろっ…んぱっ…おいし♪』 長門「うおおおやめろ夕立ぃぃぃ！！」 #ドラゴン長門

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提督「っくしょん！」 Bis「やだ、風邪？帰って寝たら？」 提督「ん…いや、そんなことはないんだが…」 Bis「なんにしても、変な病気移さないでよ」 提督「移さねぇよ！お前俺のことなんだと思ってんの！？」 Bis「病原体」 提督「辛辣！」 #ドラゴン長門

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店員「お待たせ致しました。こちらカフェオレといちごミルクです」 提督「お、ありがとうございます」 Bis「…どうも」 店員「他にご注文がありましたらそちらのボタンにてお呼びくださいませ」 提督「分かりました」 店員「それでは」 #ドラゴン長門

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提督「さて、早速話をしようか…(ｸﾞﾋﾞｯ)あち！」 Bis「…ばーか」 夕立『って言ってる』 長門「あいつァ…！」 陸奥「堪えて堪えて！」 提督「げふんっ…ところで、お前が来てから少し経つが…どうだ？慣れたか？」 Bis「別に。馴れ合うつもりもないしね」 #ドラゴン長門

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提督「…なんだ、まだ長門と喧嘩でもしてるのか」 Bis「蜥蜴は関係無いわ。馴れ合うこと自体意味がないから慣れる意味もないってことよ」 提督「…とりあえず人間関係は悪いな…なら、住み心地はどうだ？」 Bis「…さぁね」 提督「はぐらかすなよ…」 #ドラゴン長門

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提督「住み心地が悪いならどうにかするのも俺の仕事だ。誤魔化されたら改善しようもないだろ」 Bis「じゃああの蜥蜴をクビにしてよ。そうすれば少しは住み易くなるわ」 提督「あのなぁ…そんな要望が通ると思うか？」 Bis「だと思ったわ…『私が変われ』…でしょ？」 #ドラゴン長門

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提督「別に変われと言ってるわけじゃないんだ。出来るならそのままでいて欲しいと思ってる」 Bis「なら、それは蜥蜴女がいる限り無理ね。諦めなさい」 提督「長門の何が気に食わないんだ？」 Bis「存在よ」 提督「まさかの全否定か…もうちょい具体的に」 #ドラゴン長門

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Bis「挙げるとキリが無いわよ」 提督「…それでもいいさ。…ん？そういえばお前、何かと長門等の姿を気にしてたな…」 Bis「そうね、それもその一因だわ」 提督「別に姿が違うくらい良いじゃないか、お前も似たようなものだろ？」 Bis「冗談じゃないわ！！！」バン！ #ドラゴン長門

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ざわざわ… 提督「…まぁ、落ち着けよ。ここは鎮守府じゃない。一般客のいるカフェだぞ」 Bis「…ふんっ」 提督「…気に障ったなら謝る。すまない…」 Bis「心の底から謝って欲しいわね。私をあんな蜥蜴達と一緒にしないでちょうだい」 提督「…お前と何が違うんだ？」 #ドラゴン長門

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Bis「あなたの目は節穴？この私の綺麗な翼、見たでしょう！これが大きな違いよ！」 提督「翼なら長門だってある」 Bis「一緒にしないでって言ったでしょ！？私のはあんな醜く無いわ！」 提督「…まぁ、そうだな。お前の翼が長門より綺麗なのは確かだ」 #ドラゴン長門

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提督「…でも、それがどうした？」 Bis「…なんですって？」 提督「長門の翼は醜くないかない。強く大きく、逞しい立派な翼だ。方向性は違うが、ちゃんとした翼だ。お前のと大した差はない」 Bis「大差あるわ！私の翼は特別なのよ！」 提督「じゃあ長門のだって特別だろ」 #ドラゴン長門

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Bis「なんでよ！なんであんなヤツの肩を持つのよ！」 提督「別に肩を持ってるわけじゃない。俺はお前もあいつも、平等に見てるだけだ」 Bis「平等…あいつと私が同等っていうの！？」 提督「同等だろ？同じ職場にいて、同じ階級で同じ力を持って、そんで、同じ女の子だ」 #ドラゴン長門

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Bis「なによそれ…気に食わないわ…なにもかも！」 提督「…なぁ、なんで姿に拘るんだ？」 Bis「拘ってるのは周りでしょう！！いつだってそうよ…あの時も、あの男は私を化物呼ばわりしたわ…！」 提督「…ビスマルク？」 Bis「でも、仕方ないわ！私は特別なんだから！」 #ドラゴン長門

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Bis「憧れも！妬みも！全ては私が特別だからこそよ！！私は特別なの…あんな醜い蜥蜴でもない…私は綺麗だから特別なの！！」 提督「…」 Bis「皆言うの…綺麗な翼があって羨ましいって！それは何故？私が特別だからよ！！私は特別よ…私は化物じゃない…！私は悪くない！！」 #ドラゴン長門

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Bis「ふーっ…ふーっ…」 提督「…」 店員「お客様…大変申し訳ございませんが、他のお客様のご迷惑となりますので…」 Bis「…！……帰るわ……」 提督「…ビスマルク」 Bis「…なによ…」 提督「まだ飲み始めたばかりだろう」 Bis「…帰るったら帰るのよ」 #ドラゴン長門

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提督「まぁ待てよ。今更視線を気にして帰るのか？」 Bis「…別に視線を気にしたわけじゃないわ。ただの気分よ」 提督「そんな理由じゃダメだね」 Bis「なによ。あんたにそんな事決める権利なんて…」 提督「提督命令だ。戻れ」 Bis「！ あんたねぇ…！」 #ドラゴン長門

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提督「別に難しい注文してるわけじゃない。俺はただ戻って座れって言ってるだけだぞ」 Bis「それは職権濫用よ！」 提督「…それもそうか。まぁ仕方ないな〜。なにせ、お前は特別なんだもんな〜。騒いで迷惑かけても特別だからそのまま帰っても良いんだもんな〜」 #ドラゴン長門

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Bis「あんたねぇ！」 提督「…で？戻るの？戻らないの？」 Bis「…っ」 どか！ 提督「…それでいい」 Bis「…いつか訴えてやる…」 提督「どうぞ、ご自由に」 夕立『…鎮まったっぽい』 陸奥「はー…良かった…また一騒動あるのかと思ったわ…」 #ドラゴン長門

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長門「そうだな…奴が暴れるということを想定に入れてなかった…次起こるようなら止めに入らねばな…」 陸奥「でもなんで急に怒り出したのかしら…」 長門「わからん…だが何か地雷を踏んだのかもしれん。怒ったり落ち着いたり…奴は情緒不安定か」 #ドラゴン長門

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提督「お前、すぐ怒るのどうにかならないのか？」 Bis「私を怒らせたのはあなたでしょ！」 提督「俺はただ長門もお前も大して差はないって言っただけだろ…」 Bis「だからっ！………ふんっ…」 提督「…なんでそこまで拘る？俺はお前の姿に拘りを持ったことはないぞ？」 #ドラゴン長門

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Bis「なんだって良いじゃない。それとも、また私を怒らせたいの？」 提督「ああ、そうだ。お前が怒って逃げ出そうとしてる限りはな」 Bis「はっ！私が逃げだすですって？」 提督「…俺には、そう見えた」 Bis「…」ﾋﾟｷｯ 陸奥「姉さん、準備したほうが良いかも」 #ドラゴン長門