- Dame_Schwarz
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外から馬車の音がする。メイドがそれに気付き、階段を降りていくと、早い足音が聞こえる。長い金髪の娘が、メイドを追い越し、ドアへと向かっていった。
2014-04-14 20:21:32そう……じゃあ、サイズの近いものを着せなさい。明日、仕立て屋に連れて行けばいいわ。……それが終わったら、滅多に使われない、客室の明かりがついている理由をききましょう。
2014-04-14 20:39:05白雪、どうでしたの? 他には何か面白いものがありましたの? あーん、白雪ぃ! 黙ってないで何とかお言いなさいよぉ!
2014-04-14 20:40:40……そう、人形だけでなく人間も捨てられるようになった、と。看病してもらって、また使役でもしようとしたのかしらね。そして、寝不足になったラプンツェルを、快適な睡眠をもたらす店に連れて行ったわけね。
2014-04-14 21:54:04いいえポラリス。貴女の判断は正しいわ。さて、Herr Aldebaran、幸いにも貴方は黒に相応しい色を持っているわ。だから、選択肢は二つある。
2014-04-14 21:55:56一つ、ここを出て、好きに暮らすこと。どこへなりと行けばいいわ。貴方が元々どこにいて、誰によってここへ捨てられたかは知らないけれど。もう私たちと関わることもないでしょう。二つ。ここで「調度品」として過ごすこと。ポラリスたちのようにここで働くなりなんなりすること。
2014-04-14 21:58:16そうそう。貴方達もお聞きなさいね。(簡素な服を着せられた一組の男女を見る) 貴方達は、ここでは「調度品」。召使。人形。拾ってきた娘。迷いこんできた男。買われてきた奴隷。ここにはいろいろいるけれど、それらすべては、私が「黒に相応しい」と選んだものよ。
2014-04-14 22:00:54貴方達は、生きながらの調度品。もちろん、館の主である、この私も。だからと言って、ぞんざいに扱うつもりはないわ。せっかく自分で選んだのだから、末永く置いておくわ。けれど、貴方たちが黒に相応しくなくなったり、出ていきたいと思うようになったなら、この館に背をむけることになるでしょうね。
2014-04-14 22:04:42ここで静かに楽しく生きていくなら、私はいつでも迎え入れるわ。その身が黒に相応しいなら。……そうそう。新しくここに来た子のお名前を尋ねなければ、ね。
2014-04-14 22:06:24わ、わたし。拾われてきて……前のお屋敷では、あなた、とか、おまえ、とか呼ばれてて、それで……(赤い癖毛に翠の瞳の少女が、俯き、緊張した様子ではなしている)
2014-04-14 22:09:52……僕は、青星。青星って、呼ばれてたけど、それが本当の名前かは、わからない。そもそも、それがどういう意味かなんて、知らない。
2014-04-14 22:11:14