- pochipress
- 6887
- 0
- 0
- 10
忘れないうちに報ステに何をコメントしたか書いとく。1)防災に対する気象庁の立場の歴史。2000年以前は情報発信に徹していたが、2000年以降は防災を前面に出すようになった。
2014-10-10 13:01:312)噴火警戒レベルの解説と問題点。原則的なレベル表があり、それに各火山の噴火史情報や癖を加味して特化したのが個々の火山のレベル表。過去の噴火のどれがレベルいくつに対応するか書いてあって参考になるが、噴火の数自体が少ないので当然想定外はおこり、例外的な対応を余儀なくされてきた。
2014-10-10 13:18:29続)当初は火山活動度レベルと称して火山の危険性評価だけをしていたが、噴火警戒レベルと名を変え、しかも規制や避難などのキーワードが付くようになった。自治体にとってはわかりやすくなっただろうが、災害対策基本法に規定されているように規制や避難の権限は気象庁になく自治体にある。
2014-10-10 13:24:39続)したがって気象庁はある意味「踏み越え」をおこなっている。ただし、それは自治体側から要望が多かったという面もある。もともと自治体の防災担当者は二三年で異動し、気象庁から情報だけ示されても判断に困る事情もあった。
2014-10-10 13:26:32続)しかしながら、こうした5段階の立派な警戒レベル表(規制ワードつき)があると、まるで確固とした予知防災システムが構築されてるように見える。だが今回の噴火で明らかになったように予知技術は不完全であり、レベル表は今後経験をつんで書き換わっていく性質のものである。
2014-10-10 13:42:303)どうすればよいのか。日本の火山は20世紀が比較的平穏だったため対策の優先度が下げられ、予算も削られ人材も減った。大学の法人化がそれに輪をかけた。付け焼刃的な対応で機器観測の予算をつけても人はすぐに育たない。何よりも気象庁の出す情報を住民に懇切丁寧に説明できる人材がいない。
2014-10-10 13:50:36続)それは一方で住民側の要望を行政に伝える双方向のコミュニケーションができる、両者をつなぐ人材だ。有珠山の時の岡田先生のような。そうした人材が少なくとも常時観測47火山にひとりずつ47人必要だが、いまは全然足りてない。
2014-10-10 13:55:01続)そうした人材はかつて測候所や大学の観測所にいたこともあったが、いま測候所や観測所は人べらしによって無人化されてしまった。現場には、限られた少数の火山を除いて、住民と普段から顔の見える関係をつくっている専門家が誰もいなくなった。
2014-10-10 13:57:584)そうした人材をどう育てるか。安全を十分はかった上で火山噴火の現場を体験させることが重要。かくいう私も大学院生とポスドクのときに1983年三宅島、1986年伊豆大島を現場で体験させてもらった。両噴火を体験してなければ、おそらく火山学を志してなかっただろう。
2014-10-10 14:04:21続)火山の噴火は恐ろしくはあるが荘厳かつ美しいものでもある。その体験を通じて火山の専門家が育つ。まあ、こんなことをインタビューで回答したと思う。
2014-10-10 14:08:53馬鹿みたいに富士山は富士山はと寄ってくるマスコミがいっぱいいるが、富士山のことを一言も尋ねられなかった点で報ステを評価したし期待していたのだが飛ばしは残念だ。
2014-10-10 14:11:56これはどうかなあ。私は懐疑的。RT @usa_hakase: 続)それは一方で住民側の要望を行政に伝える双方向のコミュニケーションができる、両者をつなぐ人材だ。有珠山の時の岡田先生のような。そうした人材が少なくとも常時観測47火山にひとりずつ47人必要だが、いまは全然足りてない。
2014-10-10 20:15:53火山にそれぞれホームドクターを設置する考えはもう20年も前からあるが、私はそれに懐疑的だ。むしろ、中央に機動班を一つ置いたほうがよいだろうと思っている。今回の御嶽山で噴きだした問題は、ホームドクターを置けば解決する問題ではないと思う。もっと原理的な問題。確率問題。
2014-10-10 20:18:12思い出したので報ステ飛ばしインタビュー追加。気象庁などの役所には立場上なかなか言いにくいこともあるし、とくに3.11以降、役所の出す情報は住民に信頼されていない。気象庁が出す無味乾燥な情報を読み解き、住民に適切なリスク認知を伝えるのも地元の専門家の役割。
2014-10-11 08:33:54