信五&亮

2人の間で動く恋心…
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クラゲ @04kurage

#93-1 ① 行為の後 ベッドサイドに座ってタバコを吸う その後ろ姿をぼんやり眺めている私 気だるさから動け無くて 手探りで服を探したけど 「あっこやで」 と遠くの床を指す彼 「もうちょっとええやろ」 何て言われたらそれ以上動けない でも今日こそ言わなきゃ

2014-10-09 23:40:09
クラゲ @04kurage

#93-1 ② 『亮ちゃん…』 「何?」 『私結婚するの』 「はぁ?」 振り向いた彼はタバコの火を乱暴に消してベッドに上がってくる 私に跨って 「村上くんと?」 って機嫌の悪い顔 『うん…』 「で?終わりにしようって?」 『うん…』 「わかった」

2014-10-09 23:43:21
クラゲ @04kurage

#93-1 ③ そう言ったと思ったら 「はいそうですか何てあるわけないやろ」 って貪るような激しいキス 『んっ…亮…ちゃん…聞い…てっ』 必死に話すのに止めてくれなくて 抵抗した手はあっさり押さえつけられる 「なんで村上くんなん?」 そう言って鎖骨にきつく吸い付く

2014-10-09 23:46:14
クラゲ @04kurage

#93-1 ④ 『イヤッ!』 「ついたわ。何?お前が悪いんやん」 そう言って跡を舐める 「こんなにも好きやのに」 いつもは言わないのにズルい彼 さっきまで何度も触れられて上り詰めたのに また指で舌で触れられると感じる身体 『んっ…あっ…』 「もう会えんくなってええん?」

2014-10-09 23:49:29
クラゲ @04kurage

#93-1 ⑤ 『はぁっ…ンッ…』 「こんなに感じてるのにさ」 良いところばかりを責めて 『ダメっ…』 とイきそうになると緩める 「何?」 薄っすら目を開けて見ると少し悲しそうな目をした彼 『亮ちゃん…好きっ…』 「ズルいわー」 そう言ってスピードを上げる彼

2014-10-09 23:54:13
クラゲ @04kurage

#93-1 ⑥ ベッドに雪崩れ込んでキツく抱きしめられる 「別れる何て言わんでや」 『亮ちゃん…』 「それに村上くんも気づいてるんちゃう?あの人鋭いし」 何も言えなかった 帰りが遅くなる日が増えている事に 少し疑われてるのに気づいているから

2014-10-09 23:57:07
クラゲ @04kurage

#93-1 ⑦ 「俺の事利用してええよ。村上くんと結婚した後やって。お前と会えんくなるよりマシや」 『そんなの…』 「お願いや」 『ズルい…』 そんな目で見られたらもう何も言えない 信ちゃんとの結婚を選んだ私 それなのに亮ちゃんと別れられない私

2014-10-10 00:00:06
クラゲ @04kurage

#93-1 ⑧ 重い足取りで帰宅する 玄関に見えた男物の靴にドキッとする 「お帰り。遅かったな。明日休みやし来てん」 と言った信ちゃん 『ごめんね。残業で』 「そうか」 そう言って抱きついてきた 「残業でシャワーすんの?」 耳元で囁く声に血の気が引くのを感じた…

2014-10-10 00:02:47
クラゲ @04kurage

#93-2 ❶ 「残業でシャワーすんの?」 そう言った瞬間に抱えられて あっという間にベッドのスプリングが軋んだ 『信…ちゃんっ…』 話したいのに激しいキスをされて 同時に乱暴に脱がされていく服 破れる音やボタンが弾く音がする 「くっきり付いてるこれなんやねん」

2014-10-10 23:22:22
クラゲ @04kurage

#93-2 ❷ 『信ちゃん…』 「亮やろ?」 『私…』 「言い訳なんて聞きたない」 そう言うと亮ちゃんの上から吸い付いた 「売られた喧嘩は買う方やねん」 全身に赤く跡をつけていく ブラも下着も外されて 隅々までつけられていく跡 「亮で何回イったん?なぁ。答えろや」

2014-10-10 23:28:50
クラゲ @04kurage

#93-2 ❸ 信ちゃんからの痛い位の打ち付けにも感じてしまう私 「プロポーズ喜んどったの嘘か?」 必死に首を振るしかできない 「それでも亮と会っとったん?酷い女やなー」 『信ちゃん…あぁっ…』 「それでも俺でこんなになれるん?」 何度も何度も角度を変えて攻められる

2014-10-10 23:34:16
クラゲ @04kurage

#93-2 ❹ 『ンッ…はぁっ…信ちゃん…あぁっ…』 気づくと信ちゃんの腕の中 ギュッと抱きしめられていた 「起きたか?」 『信ちゃん…』 「別れんぞ」 そう一言言った 「俺は別れん。亮と繋がってたいならそんでもええけど結婚はする」 『私…』

2014-10-10 23:40:25
クラゲ @04kurage

#93-2 ❺ 「どうせ亮に別れてもらえんかったんやろが」 『信ちゃん…私最低な女なのに…』 「俺にとっては大事な女やねん」 抱きしめる腕に更に力を入れる 「やから別れん。ええな?」 それから何もなかったように接してくる信ちゃん でも毎日 「愛してるで」 と言う様になった

2014-10-10 23:48:41
クラゲ @04kurage

#93-2 ❻ 毎日朝から連絡が来て 信ちゃんから会いに来てくれる 無数にあった跡は亮ちゃんがつけた場所だけ薄くなる度に濃くされる 亮ちゃんからも毎日連絡が来る けれど会えなくて “何で連絡してくれんの?会いたい” って言われる度に胸が痛む

2014-10-10 23:56:45
クラゲ @04kurage

#93-2 ❼ 随分肌寒くなった夜 二人からの着信に携帯が震えるけどどちらも取ることが出来ない ふらふらと当てもなく歩いていると突然の大雨 帰りを急ぐ人の波で肩にぶつかって転んだ私 「何してんねん」 不意に声をかけられて立たされる 『何で…』

2014-10-11 00:09:14
クラゲ @04kurage

#93-3 [亮side]① あれから彼女からの連絡はなくて それでも会いたいと思う 仕事帰り帰る気もせんくて歩いてたら突然の大雨 ふと見たら彼女が歩いてて ぶつかって転んだ 「何してんねん」 俺は彼女の腕を引いた 『何で…』 俺を見て驚く彼女

2014-10-11 11:31:20
クラゲ @04kurage

#93-3 [亮side]② 「ええから立って」 もうすでにかなり濡れてる彼女 「送るわ」 って手を引こうとしたら振りほどいた彼女 『亮ちゃん…』 「何も言わんで。送らせて」 手を引いて持ってる傘を彼女にさして歩く 一言も喋らんまま歩く

2014-10-11 11:39:04
クラゲ @04kurage

#93-3 [亮side]③ ずっとこのまま手を繋いでいたい このままどこか二人になりたい そう思うけどできんくて 彼女のマンションが近づく 『亮ちゃん…』 不意に話した彼女 「何も言わんでって言ったやん」 なのに話し続ける彼女 見たらしっかりとした目で見つめる彼女

2014-10-11 11:46:59
クラゲ @04kurage

#93-3 [亮side]④ 『物心付いた時から3人一緒にいるのが当たり前で、信ちゃんはお兄ちゃん、亮ちゃんは弟みたいだった。亮ちゃんいっつも信ちゃんに負けたく無くて勝手に競ってたね』 「昔の事なんて覚えてないわ」 懐かしいな ずっと一緒に居れる何て思ってた幼い日々

2014-10-11 11:59:38
クラゲ @04kurage

#93-3 [亮side]⑤ 『何でも信ちゃんに負けたく無いから。だから私の事もそうでしょ。取られたくなかっただけ』 「それはちゃうよ!絶対違う」 『じゃあ私のどこが好き?』 そう言われて何も答えられんかった俺 最初は初恋やった やけど彼女の気持ちが俺に向いてなかった

2014-10-11 12:09:23
クラゲ @04kurage

#93-3 [亮side]⑥ ずっと村上君やってん だからどうしても振り向かせたくて 彼女との関係持ったんや 彼女も優しいから付き合ってくれてただけやねん 「ごめん…」 『ううん。私もズルいの。ずっと3人一緒にいられたらって思ってたんだから』

2014-10-11 12:13:27
クラゲ @04kurage

#93-3 [亮side]⑦ 「あーあ。振られてもうた」 『亮ちゃん…ありがとう』 「やっと笑ってくれた」 そっと彼女の髪を撫でる 帰ろうとしたけど彼女が許してくれんくて 彼女の部屋に行く 「お帰り」 出迎えたんは村上君で 「ごめん」 って頭を下げた

2014-10-11 12:32:09
クラゲ @04kurage

#93-4 [信五side]❶ 仕事終わり彼女に連絡しても繋がらへん 亮とおるんかもしれんって思ったけど 彼女の部屋で待つ 雨も上がりかけた頃 不意にドア開ける音して玄関に行くと 濡れた彼女と後ろにおった亮 「ごめん」 って頭下げた亮 「一発殴らせろ」

2014-10-11 19:24:38
クラゲ @04kurage

#93-4 [信五side]❷ 『信ちゃんダメ!』 って言う彼女を振り解き 肩に拳を当てる 「殴らんの?」 「これで終いや。タオル持って来る。上がれ」 ずぶ濡れの彼女を先に風呂場に追いやって 亮には俺の服を貸す 着替えて来た亮に缶ビールを差し出す

2014-10-11 19:27:34
クラゲ @04kurage

#93-4 [信五side]❸ プルトルを開けて傾けると 亮も開けてコツンと合わせた 「一緒に飲むん久々やな」 「そうやね」 「可愛い弟やと思っとったのに。いつの間に憎たらしい奴になってん」 「そうやね…」 「何やねんそれ」 フッと二人して笑った

2014-10-11 19:29:17