村上部長―結婚生活編―

クラゲ @04kurage

#73 【村上部長】 ① 結婚して お揃いのリングが左手にはまった事に幸せを感じたり 彼女が“村上さん”って呼ばれた時 俺も反応してしまって一人で恥ずかしくなったり 隣にいてくれるだけで幸せなんやって思って 結婚って紙切れ一枚やって思ったのに 気持ちも変わるねんな

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#73 ② 出来れば仕事もずっとそばに置いときたいけれど やっぱり付き合うならまだしも結婚したし 公私混同もあかんやろって事で 彼女は横山の部署に移動になった 『安田さんって天然ですよね。この前なんて…』 とか 『錦戸さんにまた美味しいお菓子もらったんです』 とか

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#73 ③ その日あったこととか報告してくれるんやけど ちょっと嫉妬してしまう俺もいて そういう所は相変わらずやったりもする そういう時は 「他の奴の話何てええわ…」 何て言って彼女を押し倒したりする 『もうっ…信五さんっ…』 なんて言われても止まらへんし

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#73 ④ そんなある日 「部長、○○さんって体調悪いんですか？」 って部署の子もとい大倉の彼女が言ってきた 「え？朝は普通やったぞ？」 何て思ってたけど 「給湯室ですごく疲れてたんですよ」 と言った 居ても立ってもおられんくって そっと彼女の部署を覗く

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#73 ⑤ 「おい。何してんねん」 話かけられたのは横山 「ああ、あいつは？」 「はぁ？あー仕事しとるで」 と見ると真剣にパソコンに向かってる彼女 「今日あいつ定時か？」 「あー多分」 「わかった。迎え来るって伝えて」 「はぁ？なんで俺が」 「ええやんけ」 と言って仕事に戻る

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#73 ⑥ 色々考えたけど特に思い当たる節もなかった 定時になって彼女の部署に行く 「帰るぞ」 と彼女を迎えに行く 『もうここまで来なくてもいいじゃないですか！』 と少し怒る彼女 いつも通りに見えるけど 帰宅してからも彼女を観察する 時々胸の当たりをさすったりする彼女

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#73 ⑦ まさかな… 一瞬浮かんだ考え 生理周期は彼女のスマホで 先月いつ来た？ 目の前にある彼女のスマホとにらめっこする俺 『信五さん？大丈夫ですか？ご飯できましたよ？』 と食卓に並んだご飯 食べる所観察してても 元々少食やしわからへん どう切り出すんがええんやろ…

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#73 ⑧ 『なんですか？今日の信五さん変ですよ？』 と彼女 「え？そうか？普通や」 とごまかしてみる 片付けしてても気になるし手伝う 『信五さんゆっくりしててください。せっかく定時で上がれたんですから』 「定時で上がれたからゆっくり相手してもらわんと」

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#73 ⑨ 何て言ってみる俺 『信五さんのエッチ…』 顔を赤くする彼女 「別に何も言って無いけど。ただゆっくり2人で話したらええと思っただけやけど？」 『なっ…』 「それなら期待に応えんとなー」 と彼女の腰を寄せる 『期待何てしてませんっ』 「どうだか」

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#73 ①⓪ 「体調は？」 『特には大丈夫ですよ？』 と言った彼女 「疲れてるみたいやって聞いたから」 『あー。夏バテですかね？少し食べれなくて疲れやすいんです』 「大丈夫か？無理すんなよ？今日は先風呂入って来い」 『いいですよ！信五さんどうぞ』 「ええから」

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#73 ①① スポンジを奪ってキッチンを追い出す 本人に自覚ないならこれ以上言っても仕方ないし と思ってそれ以上は何も聞かないまま 彼女が風呂から上がって入れ違いで俺も風呂に入る 上がって来るともうベッドにおって 「もう寝るんか？」 と寝るには随分早い時間で問う

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#73 ①② 布団に潜ると背中を向けてる彼女 「起きてるやろ？」 と寄りそって見る 『信五さんのせいです』 というから何の事かわからずこっちをむかす 「何がや？」 『信五さんが変態だから悪いんです』 何て目を潤ませて言う 「期待したん？」 軽く額にキスする

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#73 ①③ 『してないですっ』 「したくせに」 そう言ってパジャマのボタンに手をかける 「ほんまに体調大丈夫なんやな？」 ゆっくり頷く彼女 優しくキスしながら進めていく 『んっ…ゃっ…信五さんっ』 「何や？」 『どうして今日はそんなにゆっくりっ』 「たまにはええやろ？」

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#73 ①④ 『ひゃっ…』 中で爪を立てたり今までしたことない事までしてみる 「結婚したてで飽きられたらあかんでな」 『んっ…あっ…いじわるっ…』 「めっちゃ感じてるくせに」 『もう無理っ…信五さんっ』 何て見つめて来るから 俺も耐えられんくなる 「しゃーないなー」

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#73 ①⑤ 余裕ぶってるけどそんな余裕はあまりなくて でも出来るだけゆっくり動く 「あ、ゴムするん忘れてる」 と結婚前の癖で言うと 『もう中で良いんですよ？』 何て言って抱きしめて来るから もう止まらんくなってすぐに果ててしまう 余韻に浸る事もなく眠る彼女

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#73 ①⑥ そっと抱きしめて俺も眠る 翌朝 すでにベッドに居ない彼女 『おはようございます』 「珍しいな、早起き」 『え？あ、はい…』 「どうした？」 『何かずっとムカムカしてて…』 と具合の悪そうな彼女 まさかがまた頭を過る とりあえず仕事休ませて病院に行くよう言う

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#73 ①⑦ 仕事中いつでも連絡するよう念を押しておくけど一向に連絡がない 昼休みに電話をしたら 『今病院です』 と言われた そのあと “今日早く帰れますか？” と来たLINE 昨日定時で上がった分の仕事を急ピッチで仕上げて急いで帰宅する 「ただいま」

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#73 ①⑧ 『お帰りなさい』 「病院どやった？」 と靴を脱ぎなから聞く 『向こうで話します』 と言った彼女 着替えて 「飯の前に聞く」 とソファに座る 『あの…』 と差し出された2冊の冊子 「え？」 そこには確かに母子手帳の文字が 「2冊？」 『双子だそうで…』

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#73 ①⑨ 「マジか！」 子供ができた喜びよりも 双子だと言う驚きが大きかった でも 「ここにおんのか！」 とお腹を撫でてみる 「全然わからへんわ」 『そりゃそうです。これまだこんなんですから』 と写真を見る 嬉しくて彼女を抱きしめる 『信五さん痛い』

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#73 ②⓪ 「無理すんなよ？今が大事やからな！なるだけ安静！」 その日から張り切って家事する俺 そんな俺見て笑う彼女 実際体調とか不安定でまだまだ油断できんけど パパになる日が待ち遠しい俺 「早く大きくなれよー」 とお腹に毎日話しかける日々が始まった end…