- DD_crescent
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「ウソツキ……約束したじゃない! お前達睦月型の姉妹は前線には送らないって!」 「……“特に理由がない限りは”と言ったはずだ。今回は理由がある。そして長月らも望んでのことだ」
2014-10-12 05:56:57ああ。二人の間には、そういう約束があったのですか…… 勿論、ただ取引的なものだけのために二人が身体を重ねていたわけではないのでしょうけれど。
2014-10-12 05:57:09「如月、落ち着いてください……まだ犠牲を払ってまで突破を試みる段階ではないですから……」 「三日月……あなた……」 私は立ち上がって、今にも食って掛かりそうな如月と提督の間に入りました。 とりあえずは、もう少し落ち着いてもらわないと……
2014-10-12 05:57:21「如月、珈琲淹れますから、それを飲みながら落ち着いて話しま」 ずぶり、という感覚。 「話すことなんてない。どうせあなたも一枚噛んでるんでしょ……司令官が私をあんまり部屋に呼ばなくなったのも、あなたのせいでしょ……もしかして、この部屋でそういうことしてる? ねえ、そうなの?」
2014-10-12 05:58:18ずるり、と引き抜かれた包丁。如月の右手に握られたそれに、べったりと赤く付着している、血…… ああ、艦娘の、自分の血も赤いんだ…… そんなことを頭の片隅で思いながら、私はがくりと膝をつく。 両手で押さえた傷口からどくどくと血が流れて。 体温と、魂が、流れ出てゆく。
2014-10-12 05:58:32視界が色褪せ、耳に届く音が遠くなる。 如月が、私の横を通り抜けて。 だめ……提督には…… 私の右手が、かろうじて如月の服の裾を掴む。 「ナニヨ、シツコイワネ」
2014-10-12 05:58:44軽く振り払われ、私の身体は床に倒れこむ。 そして、パン、という乾いた音と、どさり、という振動。 床と壁を見つめていた私の視界に、如月の顔。 ああ……如月の額に……あるのは、ああ……銃痕……
2014-10-12 05:58:57三日月、しっかりしろ、という提督の声が遠く聞こえます…… ああ、だめです、提督……あなたの服は白いから……血でよごれてしまいますから……
2014-10-12 05:59:13