ニンジャスレイヤー&艦隊これくしょん二次創作 【フォア・アウア・フリート・フー・ミート・サムデイ】 井３

shisei＠なるべく諦めない @shisei_ssi

◆NINJA VS FLEET DEITY▲ #ssi7nj

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（これまでのあらすじ：絶海の某所に駐留する謎の大型工作艦ネオアカシ。そこではカンムスと呼ばれる海上戦闘オトメたちが女ニンジャテイトク、セイラーウィドウの支配の下、海域に蔓延る正体不明モンスター、シンカイセイカンとのイクサを日々繰り広げていた） #ssi7nj

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（ニンジャテイトクは罪なき人々を奴隷監禁支配し、何らかの企みを推し進める。カンムスの中には人々への所業に何らかの形で疑問を持つ者もいたが、テイトクは絶対でありその支配は不動。だが、それらの非道はいつしか恐るべき復讐者を招くこととなる） #ssi7nj

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（ニンジャスレイヤー、かつてニンジャ抗争で妻子を殺され、邪悪な全ニンジャへの復讐に燃える男、フジキド・ケンジ。テイトクの指揮の下、カンムスたちは彼の襲撃に備える。だが彼女らの与り知らぬところで、他方から新たな嵐が吹き荒れようとしていた…） #ssi7nj

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【フォア・アウア・フリート・フー・ミート・サムデイ】 井３ #ssi7nj

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薄暗い部屋に、少女が一人横たわっている。窓はなく、部屋の中にあるものと言えば、薄汚れたタタミ部屋の片隅に置かれた一枚の毛布と、壁も衝立もないトイレのみ。まるで牢獄である。壁や床を隔てて聞こえるエンジン駆動音や波を切る音だけが、静かな部屋に響く。 1 #ssi7nj

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美しい銀色の髪持つ少女は、タタミの上で動かない。一心に休息を取っていた。少しでも体力を回復する必要があった。見た目は元通りの姿を取り戻していたが、体内は本調子とは程遠い。専用入渠施設もないこの閉鎖環境ではそれが限界だったが、諦める訳にもいかなかった。 2 #ssi7nj

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不意に、防弾フスマの多重電子ロックが解除される音が響く。銀髪の少女は、ヒビキという名のカンムスは、部屋の入り口を振り向く。厭らしい下卑た笑みを浮かべた男が一人、部屋の中に入ってきた。その顔はマスク状のメンポで隠されていたが、表情は簡単に窺い知れた。 3 #ssi7nj

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「ドーモ、ヒビキ＝サン。マラタイムです。調子はいかがかね？」真黒な軍服を着たそのニンジャは、返事も待たずにつかつかと歩み寄ってくる。「…ドーモ」ヒビキは最低限の返答のみする。余分な体力は使いたくなかった。ただ、冷たい瞳で邪悪なニンジャを床から睨み上げる。 4 #ssi7nj

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ヒビキの冷徹な視線を受けて、マラタイムは嬉しそうな声を上げる。「そうか、悪くはないか。結構、結構」突如、マラタイムの臀部からいくつもの半透明触手が伸びて、ヒビキの身体を這いまわり、縛り上げる。ヒビキは反応を拒否する。触手がヒビキの身体を持ち上げる。 5 #ssi7nj

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「ン、ンーーーーム」ヒビキの頭部を自分の目線と合う高さまで持ち上げると、マラタイムはイクサと投獄生活を経てなお輝きを失わない銀髪を右手で掬い上げ、その臭いを上から下まで丹念に嗅ぐ。「アア、イイ、イイゾーッ！俺は少女の銀髪が大好きなのだ」変態だった。 6 #ssi7nj

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ヒビキは唾でも吐き掛けてやろうかと思ったが、無駄な抵抗は無駄に体力を消耗するので、やめた。しばらく水揚げされたマグロじみてなすがままになる。マラタイムは十分に銀髪を堪能した後、ヒビキの耳の裏を舐め、囁きかける。「どうだ、いい加減口を割る気になったか？」 7 #ssi7nj

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「……」ヒビキは反応を拒否する。マラタイムはしばし彼女をねめつけた後、懐から首輪を取り出してヒビキに着けた。それから首輪に繋がる鎖をしっかと握ると、いきなりヒビキの腹部にカラテパンチを叩き込む！「ンアーッ！」タタミにバウンドして、壁まで転がるヒビキ。 8 #ssi7nj

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「イヤーッ！」マラタイムは鎖を強く引っ張ってヒビキを手繰り寄せ、腹部に向けて今度はケリ・キックを放つ！「ンアーッ！」タタミにバウンドして、壁まで転がるヒビキ。「んー、つまらんな、いつも通りでつまらん。これではいけないぞ、ヒビキ＝サン」 9 #ssi7nj

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「…チョルト・バジミー」囁くような声で、ヒビキは悪態をつく。「そんなヒビキ＝サンに、今日は気分転換だ。ついてこい」マラタイムは戸口に立ち、ヒビキに後をついてくるよう促す。その背中には「天下」のカンジを意匠した禍々しいエンブレムがプリントされていた。 10 #ssi7nj

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ヒビキは十分に警戒しながらも、他に選択肢もなく、その後に続いた。通路ではそこかしこで武装したクローンヤクザ・クルーが定期巡回している。彼らはマラタイムに敬礼すると道を譲り、ヒビキが通り過ぎると再び無言で巡回作業に戻る。ヒビキの後には誰もついてこない。 11 #ssi7nj

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ヒビキは必死に周囲を観察する。監禁部屋の外を見る機会を与えられたのはこれが初めてだった。巡洋艦の艦内通路。見かけるのは自分たちを除けば同じ顔のヤクザばかり。いや、通路の先に別の視線を感じ、ヒビキはそちらを向く。そこには別のニンジャがいた。 12 #ssi7nj

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「ドーモ」「ドーモ」ニンジャはマラタイムに軽くアイサツすると、隣をすれ違った。その間、彼はしばらくヒビキの方を見つめていたが、鼻で笑い、興味をなくしたかのように去っていった。ヒビキは前方を見る。通路の行き止まりに部屋があり、「艦長室」の表札が見えた。 13 #ssi7nj

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ヒビキは青い目を細める。銀の髪が揺れて肩にかかる。マラタイムが別の通路へと曲がろうとしたところに、ヒビキは強気に話しかけた。「気分転換って、何をするつもりなんだい？」マラタイムは振り返ると、くっくっくっと厭らしい笑い声を上げる。 14 #ssi7nj

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「それはもちろん、裏社会でもおいそれとはお目にかかれないレベルの楽しい楽しい拷問ショーに決まっているだろう。解体マグロにされたくなけりゃ早々にインタビューに応じた方が身のためだぜ？」マラタイムは手元の鎖を弄びながらヒビキを見下ろした。 15 #ssi7nj

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「それは、こういうことも含むのかな？」不意に、ヒビキは己のスカートをたくし上げた。ヒビキの白く艶めかしい脚が露わになり、マラタイムの視線は一瞬釘付けになる。そこへ、スカートの合間から、突如大量の魚雷が床に降り注いだ！爆発！KABOOOOOOOOOOM！ 16 #ssi7nj

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「グワーッ！」マラタイムは咄嗟に後ろへ飛び退きながら両腕で防御態勢を取る！爆風の合間からヒビキの姿を探す！ヒビキは爆風に乗るようにして後方回転ジャンプを決めていた。首輪についた鎖は、魚雷の直撃を受けて中間部で断ち切られていた。 17 #ssi7nj

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「貴様ァーッ！」マラタイムはニンジャ反射神経を駆使して追おうとするが、ヒビキは空中回転中もさらに魚雷をばらまき、床に壁にと次々に炸裂させる！KABOOOOOM！KABOOOOOM！「ヌゥーッ！」いかなニンジャと言えど、この連続爆破の中では追えぬ！ 18 #ssi7nj

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ヒビキは床を蹴ると、一目散に艦長室めがけてダッシュ！艦長室のフスマをトビゲリで破壊して飛び込む！室内を高速で見まわし、ある机の上に目的のブツが無造作に置かれているのを見つける！それを素早く手に取ると、躊躇いもせずに口の中に入れ、飲み下した！ 19 #ssi7nj

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「…もう誰にも渡さない」ヒビキはかっと目を見開くと、艦長室に突撃してこようとしているマラタイムを睨んだ。右肩の艤装を実体化させ、通路に向けて連続砲撃！「ウラーッ！」「グワーッ！」狭い艦内通路で回避する余裕はなく、やむなくマラタイムは後退する！ 20 #ssi7nj