@kitsuka_02 自分が取ろうとしていた行動が胸の奥をチクリと刺した。そうだ。もし手を取っていればそれは間違いなくアリババさんを裏切ることになっていた。傷だらけになりながらも耐えることを選んだ、アリババさんを。 オルバの前をアリババの腕が遮った。
2014-10-22 22:03:28@kitsuka_02 気付けばジュダルからオルバを守るようにアリババが片腕を上げていた。 「ジュダル。オルバを惑わすな」 正面からアリババはその琥珀の瞳でジュダルを睨みつけた。 「惑わす、ねぇ?それは本当に俺が惑わしているのか?……違うだろ、アリババ」
2014-10-22 22:08:42@kitsuka_02 スッとジュダルがオルバを指差して顎をしゃくった。 「こいつを一番惑わせているのはお前だろアリババ。俺じゃねぇ。誰が一番こいつを苦しめているのか、それくらいわかってんだろ」 「……んなこと……言われなくてもわかってる」 その苦しそうに歪んだ表情はオルバからは
2014-10-23 00:33:54@kitsuka_02 見えなかった。 その時、何かを思い出したようにニヤリとジュダルが口元を歪める。 「しっかし残念だったよなぁ。せっかく俺に身体を売ってまでしてこいつらへの口止めしたってのに、こいつが自分から知っちまったんだからよぉ」 「……なっん、だ…って……?」
2014-10-23 00:37:38@kitsuka_02 「ーーッ!!ジュダル!!」 「お前の身体サイッコーだったぜ。すっげぇ善かった。白龍だけに味合わせておくのがもったいないくれぇにな」 その時を思い出してだろう。ジュダルの瞳の紅さが増したような錯覚。情欲を孕んだ暗い眼でアリババの琥珀の瞳を覗き込んだ。
2014-10-23 08:51:36@kitsuka_02 その指先がアリババの顎に触れる。目と鼻の先まで顔を近付け、愛しいものに触れるように頬を撫でた。 「なぁ、また抱かせてくれよ。そしたらそいつのーーオルバの記憶を消してやる。お前が見られたくなかったこと知られたくなかったこと全部なかったことにすれば良いだろ」
2014-10-23 09:01:08