【テドイア】隠れ神【まだ途中】

重音テッド×IA。 子供にしかその姿が見えない神のテッドと、彼の巫女であり、妻だったイアの物語。
0
前へ 1 ・・ 3 4
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアたんを失って、テッドさんは人の前から姿を消した。 信者達は敬愛する神様の悲しみが癒されますように、って変わらず神殿で祈りを捧げてた。 いつかまた、神様が人の前に現れてくれるように、って。 そしてそれから年月が経ち、事件が起こる。

2014-11-21 12:36:00
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんの神殿があるその街で、失踪事件が起きるようになるのね。 十五、六の娘がある日忽然と姿を消してしまう。 一週間程度で帰ってくるけど。 そして娘は口々に、神様と会った、っていうのね。

2014-11-21 12:38:17
大崎巧実(裏) @mboxtw2

その年になればもうテッドさんの姿は見えないはずなのに、何故か彼女たちはみんなテッドさんに会った、っていう。 実はイアがいなくて寂しくなったテッドさんが娘たちを連れてっちゃってたんですね。 普段は見えない姿を、その時だけは現せて。

2014-11-21 12:40:26
大崎巧実(裏) @mboxtw2

一晩だけでいいから、傍にいてほしいって誘うテッドさんの手をとった娘達が神隠しに会う。 たった一晩。娘に甘えて満足したテッドさんは娘を返してくれるんだけど、人の世界では一週間は経ってしまってるんですね。

2014-11-21 12:42:29
大崎巧実(裏) @mboxtw2

ちなみに十五、六の娘なのはイアの年齢がそれくらいだったから。 テッドさんはイアに似た娘を見つけると、そうやってやってきて拐っていったんですね。 甘えるだけの時もあったけど、中には(やっぱり)犯されちゃう子もいたわけでw

2014-11-21 12:45:10
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんに連れ去られた娘はみんな神殿付近で見つかるから、神隠しだって人は思ってる。 そして娘は神様に選ばれた娘としてある意味凄い栄誉を受ける。 稀にテッドさんに抱かれて妊娠しちゃう子もいたけど、神様の子だから歓迎された。

2014-11-21 12:47:44
大崎巧実(裏) @mboxtw2

そんな風に、娘達に慰めてもらいながらテッドさんは長い時間を過ごしてた。 そうして、やっとその時を迎えるんですね。 長い時間の果て、再びイアが産まれてくる。それをテッドさんは知るのです。

2014-11-21 12:52:25
大崎巧実(裏) @mboxtw2

まだ母親が妊娠にすら気付いていなかった頃。 腹の中に宿った魂がイアだと気付き、テッドさんはたまらず動くんです。 子供が欲しくて神殿にやってきた夫婦。その前にテッドさんが現れて、母親の前で笑うんです。ずっと待ってた、って。

2014-11-21 12:54:25
大崎巧実(裏) @mboxtw2

テッドさんの神殿で、見えないはずの神が風のように現れた。 当然神殿は大騒ぎ。すぐにまた消えてしまったけれど。 そして彼女は自分が妊娠していると知り、あの時神様が授けてくださったんだ、って思い込む。 そうして、イアはまた産まれてくるのです。

2014-11-21 12:56:35
大崎巧実(裏) @mboxtw2

産まれたばかりのイアを抱いて母親は神殿にやってくる。 テッドさんはイアのすぐ目の前にいたけれど彼女にはわからない。 小さなイアの手を握って、笑いかけて。 お帰り、って告げるんです。 今度こそ幸せにおなり、って。ずっと守ってやるからと。

2014-11-21 12:58:35
大崎巧実(裏) @mboxtw2

愛したイアが再び産まれてきて、抱き締めたい気持ちはあったけれどテッドさんはしなかった。 産まれた娘は自分の妻だったイアじゃない。 新しく生を受け、新しい道を歩いていく。 だから連れていけなかった。 以前のカイトたちとおんなじ。

2014-11-21 13:00:44
大崎巧実(裏) @mboxtw2

再びイアが産まれ、テッドさんの守りもあって順調に育っていく。 どんなに泣いても神殿に行くとピタリと泣き止むから、母親も毎日のように参拝にきてて。 抱いたイアがきゃっきゃ笑いながら小さな手をぱたぱたさせて、喜んでるんだなーって思ってた。

2014-11-22 13:33:58
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアが来れば必ずテッドさんは降りてきてたから、母親に抱かれたイアが喜んでたのはテッドさんが遊んでくれてたから。 伸ばした小さな手を握って、微笑むテッドさんの姿はイアと、子供たちにしかわからない。

2014-11-22 13:35:40
大崎巧実(裏) @mboxtw2

イアはまた『イア』と名付けられた。 これはテッドさんが母親の前に現れた時、思わず名前を呼んだから。 だから母親はあやかる為にも産まれた子にイアとつけたのです。 我が子の幸せを、神様の庇護を得られますように、って。

2014-11-22 13:37:40
大崎巧実(裏) @mboxtw2

ひとりで歩き回れるようになってから、お友達と一緒にイアはテッドさんに会いに来る。 テッドさんの傍で遊ぶのはその街に住む子供の定番で。 みんなに混じって遊ぶイアをテッドさんは眺めてた。凄く幸せそうに。

2014-11-22 13:40:28
大崎巧実(裏) @mboxtw2

神様のテッドさんからすれば、小さなイアは自分の妻だったイアと同じ。 魂が同じだから。 でも、小さなイアを見守ってはいても絶対に傍にはいかない。 強い祝福で包みはするけれど、それ以上はご法度。神は人に干渉してはいけないから。

2014-11-22 13:43:10
大崎巧実(裏) @mboxtw2

再びやってきたイアを神の世界に引きずり込むのは簡単。 けど。イアはイアであってイアではない。 だから今を生きる彼女の選択を、神が左右してはいけないのです。 だからテッドさんは見守るだけ。 病気もせず、イアは大きくなっていく。

2014-11-22 13:45:36
大崎巧実(裏) @mboxtw2

大きくなり、前世と同じ十六を迎えたイアは毎日神殿に通ってた。 十を過ぎれば神の姿は見えなくなる。だから回りもただ信心深いだけと思ってた。 本当は違う理由。 イアはテッドさんに会いたかった。

2014-11-22 13:47:51
大崎巧実(裏) @mboxtw2

大人になり、見えないはずの神の姿。けど、イアにはまだテッドさんの姿が見えた。 まだ子供のままだと、大人になりなさい、と言われるからイアは黙っていたけれど。 その街では神の姿が見えなくなれば大人、とされていたから。 大人への登竜門というか。

2014-11-22 13:49:43
大崎巧実(裏) @mboxtw2

神殿の屋根から街を眺めるテッドさんをずっとイアは見てた。 こっちを見てくれないテッドさんに、はらはら泣きながら。 どうして、って繰り返す。 神様、って呼ぶけれどテッドさんにその声は届かない。

2014-11-22 13:52:27
前へ 1 ・・ 3 4