初春鎮守府EX　プロローグ：フローラの帰還

天宮ユウキ @amamiya1yuuki

#初春鎮守府ＥX 「ご主人様ー。お手紙ですよ、それも結構激ヤバの奴」 漣が少し不安そうに呼びかける。しかし、この鎮守府にはご主人様と呼べる提督など存在しない。 「なんじゃ、漣よ」 この鎮守府のご主人様兼中心人物である初春が指揮を執っていた。ちなみに秘書官は誰も決めていない。

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「だからテラヤバスなんです！」 「大変なものなんて精々提督の不在書くらいじゃろ。何を焦っておるのじゃ？」 初春は漣の持っている手紙をチラッと見えた送り主の名前に驚きを隠せなかった。 「！？・・・どういう事じゃ？何故あやつが戻ってくるのじゃ？」 「それを言いに戻ってくるって！」

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#初春鎮守府ＥX 「そうか。なら、一度招集をかけねばならぬようじゃ。よし、漣全艦娘に講堂に集合するよう指令を出しくれ」 「分かりましたご主人様」 こうして鎮守府内に招集命令が下り全員講堂に集合した。 初春は講堂に全員集合したのを確認すると口を開いた。

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#初春鎮守府ＥX 「皆の者、突然の招集にも関わらず集まってくれてありがとうじゃ。何故わらわが皆を集めたかと言うと提督についてじゃ」 提督という言葉を聞いた瞬間、講堂中が一気に騒ついた。いままで提督など概念すら感じさせない鎮守府だった為艦娘達が不安や期待を寄せていた。

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#初春鎮守府ＥX 「おい、初春の姉貴。姉貴はいままで提督はいないと断言していたじゃん？どういう事だ？」 初春に疑問を投げかけたのは摩耶だった。 「ふむ。その事についてじゃがわらわもそう思っていたいや帰って来ないと提督に言われたのじゃ。どういうわけか戻ると言い出したのじゃ」

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#初春鎮守府ＥX 「ふーん、そうか。姉貴がそう思っていたならアタシはそれ以上言えないな。急に帰るってどういう事情なんだ？」 摩耶の質問に対して手紙を先に読んでいた漣が口を開いた。 「それが来てから話すってそれ以上書いてないんです。ただごめんなさいと後で話すの二つで終わってるわ」

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#初春鎮守府ＥX 「なんだそれ。つまりアタシらは理由も知らずに帰りを待つ羽目になるのか。嫌だな」 「ねえ、漣さん。提督ってどんな人かしら？初春さんと漣さんしか知らないから知りたいの」 今度は矢矧が質問をしてきた。この事に関しては知っている艦娘はいたが知らない艦娘もいた。

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#初春鎮守府ＥX 「提督ねぇ。あの人は島から来た人よ。なんか違う言葉で言ってたけど忘れたわ。見た目はそうね、シスターさん？だったかな」 「シスターさん？」 矢萩は予想外の容姿に驚きを隠せなかった。 「それってお祈りする人でしょ！島風知ってる！」 「雪風も知ってる！」

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#初春鎮守府ＥX ここぞとばかりに島風と雪風が話に乗り出して来た。初春は二人の言葉に半ば納得していた。 「お祈りする人か。確かにお祈りはしてたぞ。二日しかいなかったじゃがな」 「ええっと、それじゃあその提督は女性でいいんですよね？」 「ふむ、間違いないのじゃ」

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「女性提督かー。無駄なセクハラされなくて済むぜ」 「天龍は男が嫌なのか？」 「ああ嫌だね。男はロクな事しねぇし。あいつらは俺達を手篭めにする手段をたくさん持っているから好きになれないぜ」 どうやら天龍は男じゃない事に安心はしているようだ。男性提督もとい憲兵は艦娘に対して不評だった

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#初春鎮守府ＥX 「天龍よ、それは浅はかじゃ」 「何！？初春だからってそれは許さねえぞ」 「まあよく聞け。提督というのはあらゆる手段、大方クスリで男にも女にも動物にも変身できるのじゃぞ？わらわ達では判別不可能という事実もあるのじゃ。そもそもわらわ達は提督の識別が怪しいのじゃ」

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#初春鎮守府ＥX 「な、なんだよそれ！俺達は提督が誰か全く分からねえじゃねえか！」 「まあ識別はできるのじゃが簡単に識別情報を書き換えられる可能性があるのじゃ。戦闘能力と引き換えのものとわらわは考えてはおるがのぅ」 天龍は不満な顔をしつつもそれ以上は話さなかった。

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#初春鎮守府ＥX 「あの、ちょっといいですか？」 「なんじゃ羽黒よ？」 「初春様はその、提督とすぐに別れたわけなんですよね？提督についてどう思っているんですか？あ、ええっとこの質問は姉達にはすると言われたけど来るなら一回はしてみたいなーなんて・・・」

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#初春鎮守府ＥX 羽黒の質問に初春の表情は豹変した。いままでどんな質問や文句に対して冷静さを保ったまま対応していた彼女は何か別の憑き物が纏わり付いたように顔が辛辣に変わっていった。 「わらわはあやつが嫌いじゃ。わらわ達に全てを押し付けて不可思議な発言をして去ったのじゃ」

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#初春鎮守府ＥX 「ご、ごめんなさい！初春様を不快にさせたいわけじゃあ・・・」 「分かっておる！！」 「ひぃ！ごめんなさいごめんなさい」 突然怒り出した初春に羽黒はただただ謝る事しかできなかった。 「・・・すまない羽黒よ。お主に当たっても仕方ないのじゃが気分がもやもやするのじゃ」

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#初春鎮守府ＥX 知らずとはいえ羽黒に当たってしまい初春は落ち込んでしまった。 「初春様を怒らせた私も悪いのでそう気を落とさないでください。その、理由だって聞けますし真意が分かると思って前向きに行きましょ？ね？」 「そうじゃな。羽黒の言う通りじゃ。本心が聞けるなら良いとしよう」

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#初春鎮守府ＥX 初春鎮守府エクステンドクロスオーバー〜未知との遭遇、及び共存〜

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#初春鎮守府ＥX 「あら、もう一度来てみたのはいいけどどこか雰囲気変わっていますね」 鎮守府の前に修道服の少女フローラとメイドが立っていた。 「シャーロット、これ鎮守府の地図だけどもし内装が変わっていたら新しいのを交換してくださいね」 「分かりました、シスターフローラ」

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#初春鎮守府ＥX シャーロットと呼ばれたメイドは無表情のまま地図を受け取った。 「シャーロット？」 「なんでしょうか？」 「緊張しますか？」 「いえ、特に。それよりもシスターフローラはどうなのですか？久しぶりでしかも置き去りにしたと言っていましたが大丈夫ですか？」

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#初春鎮守府ＥX 「はい、凄く怖いです。初春には悪いと思っています。でも今日、私は初春と対面します」 「そうでございますか。もし襲われた時は力不足ですが私が全力でお守りします」 「シャーロットありがとうございますね」 「いえ、お気になさらず」 二人は鎮守府に向かっていった。

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#初春鎮守府ＥX 二人が鎮守府に入るとピンク髪の少女、漣が待っていた。その表情は複雑なものであり疑い深い目で二人を見ていた。 「おかえりなさい、提督。私が執務室まで案内します」 「ありがとうございます漣」 「私の名前覚えていたのね」 「ええ、覚えていますよ、初春の事も」

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#初春鎮守府ＥX 「ふん」 漣はそっぽを向きつつ二人を執務室まで案内した。三人が歩いている途中色々な少女を見てシャーロットは珍しく不思議そうに見ていた。 「漣様、ご質問よろしいでしょうか？」 「何？ってあなた誰？提督のお付きのメイドなの？」 「まあそのようなものです」

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#初春鎮守府ＥX 「で？何？」 「あなた様達は艦娘と呼ばれる者なのですよね。・・・えろモンとあまり違いが見受けられないのですが？」 「えろモン？・・・！！」 漣はその言葉に過去を思い出した。 「そうだ、提督。あなたはえろモンって言ってたね。女の子のやらしい妄想の具現化のえろモン」

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#初春鎮守府ＥX フローラは突然自分に振られ困惑してしまった。 「ええ、そう言いました」 「で、来たら話すって書いたんだから話すんでしょうね！？」 「話しますから今はシャーロットの質問に答えてあげてください」 「え、ああそうね。艦娘はそうね、艦艇が女の子に乗り移ったものよ」

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#初春鎮守府ＥX 「・・・やっぱりえろモンと変わらないですね」 「いやいや、こっちは火器を普通に扱う兵器よ？ただの妄想とはわけが」 「そう言われましても武器を扱う者や不思議な力を使う者が普通にいますので兵器と言われてもあまりピンと来ないのです」 漣は何故か負けた気がしてきた。