銀土まとめ

ツイッターでつぶやいた銀土まとめ
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極楽鳥一楽 @iti_raku

なあ、此れは秘密の話。名前も知らねえあんただから話すんだ。ああでも俺が死んじまったら、俺の身体を引き取りに来たやつにゆっちまってもいいや。引き取りにくるやつが誰かなんて知りもしねえが、まあいいや。そいつにだけは話してあげてくれよ。

2014-10-27 20:46:22
極楽鳥一楽 @iti_raku

此れは秘密の話。昔昔の秘密ごと。・・・むかしむかし好きなおとこがおりました。そのおとこの形は珍妙で、何よりも可笑しいのは、老人の白髪よりもま白い髪の毛とおとこの頭ん中のようにくるくるの巻き毛。そんな何処にいても目を惹くその珍妙さに、俺はすっかり魅了されたのでした。

2014-10-27 20:52:17
極楽鳥一楽 @iti_raku

だけれども其れはただの横恋慕。そいつには好いたおんながいて、やがてそのおんなと夫婦になって赤ん坊が生まれました。めでたい、みんなが言いました。めでたいとそう言いました。だから俺もめでたいと思いました。そのおとこは大層人気のあるものでしたから、それはそれはお祭り騒ぎでした。

2014-10-27 20:56:22
極楽鳥一楽 @iti_raku

だからそれに乗じてこっそりと、そのおとこの髪の毛を、愛してやまぬ髪の毛をひと房手に入れたのでした。俺は誰にも知られぬようにと、此の思いすら誰にも知らせぬようにと、髪の毛のひと房を飲み込みました。ごくんごくんと飲み込みました。そうしてすっかり腹の中に収めたのでした。

2014-10-27 20:59:33
極楽鳥一楽 @iti_raku

七日まえ、臍の下に花が咲きました。その夜にはもうひとつの花が咲きました。ちいさなちいさな花でした。次の日はみっつ花が咲きました。その次の日はいつつ花が咲きました。そうしてほら、今はこんなに満開です。おとことおんなしいろの花がこんなに満開に咲き乱れました。

2014-10-27 21:03:03
極楽鳥一楽 @iti_raku

俺には好きなおとこがいました。昔昔のお話です。そしてもうすぐ俺は死にます。名前も知らぬあんただから話しました。聞いてくれてありがとうございました。

2014-10-27 21:05:03
極楽鳥一楽 @iti_raku

家への帰路。すっかり空は藍色に光を落としたけれど、まだ、山の稜線が仄あかるい。彼処を覗き込めばまだお日様が照り輝くよい日和なのかとか、そんな馬鹿馬鹿しいことを思い描く。

2014-10-19 17:54:36
極楽鳥一楽 @iti_raku

それでも地上はぽつぽつと灯りを灯し出すのだから、やはり、みんな宵の準備を始めるのだ。

2014-10-19 17:57:41
極楽鳥一楽 @iti_raku

ああ、と銀時は吐息とも溜息ともつかない言葉を含む息を噛み締めていた歯の隙間から漏らした。其れと同時にどうやら胴震いをしたらしい。銀時の額から鼻先から顎先から汗が滴った。滴った銀時の汗は目の前に晒された背中に落ち今度は其のおとこを震わせた。筋を付けて汗の玉が流れ敷布の上へと零れる。

2014-10-03 08:40:42
極楽鳥一楽 @iti_raku

そんなものも刺激になるのか、おとこが、此のおとこがそんな声を出せるのだとゆうことはおそらく銀時しか知らない、甘える猫のような声を出した。そして其れから背中をしならせ、浮き上がる筋肉を蠢かせた。おとこの細く柔らかな筋肉がおとこの皮の中で波打ち、まるで絹のような光沢を皮膚に与えた。

2014-10-03 08:50:53
極楽鳥一楽 @iti_raku

銀時は噛み締めていた歯を緩め今度は声を含まない熱い息を漏らした。其れからおとこの腰を掴んでいた手を放し絹布を撫でた。不思議なことにおとこの其れはひんやりとして冷たかった。銀時の手のひらの下でおとこが身を捩った。おとこの背中が脊椎を中心にして歪んだ。おとこの項に朱いろが混ざる。

2014-10-03 08:59:07
極楽鳥一楽 @iti_raku

銀時は屈んでおとこの背中に唇を落とした。脊椎をいっこいっこ数えるように丁寧に丁寧におとこの背中に唇を落として行った。其のたんびにおとこの背中の筋肉が脈動した。しっとりと汗も浮かび上がっているようだった。皮膚の光沢が増し銀時の唇を湿らせた。

2014-10-03 09:05:03
極楽鳥一楽 @iti_raku

銀時は夢中になった。夢中になっておとこの背中を愛でた。だから、銀時はついつい失念してしまったのである。おとこが銀時より遥かに気が短いとゆうことを。甘えた猫のような声を出した口が汚い言葉を吐いたと思った瞬間に結局銀時はおとこに形成を逆転させられて、組み伏せられたのであった。

2014-10-03 09:08:46