人狼グルRPGパロ 小説

みゅーさんが人狼グルのRPGパロ書いてくださってるよ!('ω') 【1~5話】
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蒼月 藍依 @auel_ai_blue

① 何の変哲もないとある村。 「おはようございます!」 「おはよう、納豆ちゃんは今日も元気ねえ」 「元気だけが取り柄なんで!」 善の塊のような少女が住んでいた。 彼女は周りの人間からとても好かれている。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 17:59:07
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

② 性格がいいことはもちろん、何かしら人に好かれるカリスマ性のようなものがあるのだろう。 近所の人に挨拶をして見上げた空は快晴だった。 そんな空に似つかわしくない黒い影が目に留まる。 「なんか最近蝙蝠よく見るなあ…」 #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 17:59:35
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

③ 「最近よくない事件とか起こってるみたいだしねえ…」 「!ミリさんっ!?」 納豆に後ろから声をかけたのはミリという少女だった。 二人は親友であったが、性格はあまり似ていない。 ミリは納豆から見てとても魅力的でいい人だ。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 18:01:10
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

④ それなのに彼女は必要以上の人間と関わろうとはしなかった。 もったいないとは思う。 でも、自分とだけ仲良くしていてくれるならそれでもいい。 納豆にはそれだけミリに好かれている自信があった。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 18:04:44
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑤ 「そんなに驚かなくてもいいのにー」 ミリは笑いながら納豆の肩を軽く叩く。 それはやっぱり心地よかった。 「あはは、ミリさんおはよう。それで…事件とか私全然知らんかったけど、何かあったん?」 #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 18:13:00
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑥ 「向こうに森があるでしょ?そこに行った人が帰ってこなくなったりとか」 「元々あそこは迷いやすいって言われとったしなあ…」 「いや、ただの迷子じゃなくて、あの吸血蝙蝠の仕業らしいんだけど詳しくはよくわかってないんだって」 #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 18:13:54
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑦ あれ、そういや最近あずもちさん見てないけどまさか…」 「そうかもしれない、って噂されてる。心配だけど…」 「そんなの納豆さんに言ったら絶対助けにいくとか言いだすでしょ」 突然会話に入ってきたのは二人の親友であり、ミリの幼馴染のわかめ。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 18:15:48
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑧ わかめは三人の中ではいちばん大人びている。 「わかめはあずもちさんが心配じゃないっていうのか!」 「そうは言ってないけど納豆さんとか迷子になりそうな筆頭というか」 「くっ、否定できねぇ」 二人が言い合いをしている中、深刻そうにミリが言った。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 18:24:01
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑨ 「私は、あずもちを助けたいんだ」 それに言い合いが止まる。 「私もあずもちさんを助けたい。まあ、ミリさんほど深刻に思えてるかはわからんけど…」 納豆はちらりとわかめの顔を見た。 やっぱり否定されるのだろうか…? #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 18:32:16
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑩ 「本当に、もう…。」 わかめは二人から顔をそむける。 これはやはり行くなということか。 納豆がそう思った瞬間、わかめが口を開く。 「止めたって無駄なのは分かってたけど…仕方ないからついて行ってあげますよ」 #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 18:40:44
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑪ その言葉を聞いて、納豆とミリは顔を見合わせる。 自然と顔がにやけた。 「ありがとな!わかめ!!」 こうして三人は村のはずれにある森へと向かうことになったのであった―――…。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 19:28:43
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑫ 「あの子ら本当に大丈夫なのかな…」 近くの木陰で読書をしつつ、三人の会話を盗み聞きしていた者が呟く。 「カナさん…ついていくん?」 隣に立つもう一人がそれに反応する。 『カナさん』と呼ばれた落ち着いた雰囲気の女性は姿からして剣士のようだ。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 19:44:28
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑬ 「正直あの蝙蝠は強いよ、あんなのに私が二合も…」 「…カナさんが行くなら私も行ってもいいかな」 「えっ、もちさん危ないよ!?」 もう一人の名前は『もち』と言うらしい。 こちらは杖と魔導書を持っていることから魔導師で間違いないだろう。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 19:44:49
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑭ 「カナさんが怪我したら私が治してあげるって決めてるから」 驚いて止めようとした『カナさん』の動きが止まる。 それくらい、『もち』のその言葉には強い何かがあった。 「最悪、何かあったら先に逃げてね。私だって無理だと思ったらあの子らの援護はしないから」 #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 19:45:18
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑮ 「わかった」 彼女たちの行為は正義のようであったが、結局は自分のことしか考えていない。 なぜ二人が隠れていたのか。 それは納豆たちの思いが彼女たちには眩しすぎたから。 彼女たちは装備を整え、納豆たちの後をこっそりと追った。 To be continued #人狼グルRPGパロ

2014-10-22 19:48:14
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

① 「まだ朝だっていうのに随分暗いな…」 納豆が空を見上げると、先ほど快晴であったはずの空が灰色に変わり始めていた。 蝙蝠の数も村に比べて多いようだ。 風はほとんど吹いていない。 「なんかやっぱり不気味だね…」 ミリが周りを確かめつつ言う。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-23 19:40:48
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

② するとその時、木々が揺れた。 枝にとまっていた蝙蝠が一斉に飛び立ったのだ。 「血を吸われないように気を付け…てっ!」 わかめは言いながら矢を放つ。 それは一匹の蝙蝠を射抜いた。 「さすがわかめ!私も負けてられないね!」 #人狼グルRPGパロ

2014-10-23 19:42:23
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

③ ミリも蝙蝠を仕留めようと銃を構える。 「ちょっと、待って…」 なぜか納豆がミリを止めた。 納豆は続けて呟く。 「これ…人間、だよな…」 彼女が見ていたのは蝙蝠だったはずだ。 それを証明するように、その人間の胸部にはわかめの射った矢が刺さっていた。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-23 19:44:00
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

④ 損傷部位からして、もう助からないだろう。 蝙蝠すべてが人間なら、攻撃はできない。 「へえ…"正義の味方"も人間を殺すんだ…?」 鈴を転がしたような可愛らしい声がどこからか響いてくる。 その声とは裏腹に内容は直球で、そして残酷であった。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-23 19:46:38
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑤ それは納豆が今一番悩んでいることだったから。 「ねえ、攻撃しないの?」 くすくすと笑いながら、その声は問いかける。 迷っている間などないはずなのに。 「おなっとさん…どうするの…?」 ミリは心配そうに、でも焦りながら言った。 それでも納豆は動けない。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-23 19:51:15
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑥ 後ろから蝙蝠が迫って来るのも分かっていたのに。 「危ない!!」 どこからか声とともに人が現れ、蝙蝠を一気に斬り伏せた。 「何やってんの!迷ってたら殺られるでしょ!!」 いきなり現れた女剣士。 彼女の行動と言動から察するに、どうやら味方らしい。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-23 19:54:22
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑦ 斬られた蝙蝠は全て人間に戻っている。 気を失っているが、急所を斬られたものはいない。 「あの、あなたは…」 「それは後で!羽を狙って斬れる?」 「でも…」 「大丈夫、後ろの友人が治癒魔術で怪我した人たちを治してくれるから…!」 #人狼グルRPGパロ

2014-10-23 19:57:44
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑧ 女剣士と一緒にいたらしい魔術師は、倒れた人間に術を施しながら強く頷く。 なぜだろうか。 初対面であるのに彼女たちを信じることができたのは。 「…いいわね?」 「はい…!」 二人は大量の蝙蝠を一息に斬りつけた。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-23 20:00:18
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑨ 全て急所は外したが、それでも自分の手で人間を傷つけてしまったことには変わりない。 それはやはり、納豆の心に重くのしかかる。 「傷つけるのは平気なんだね。まあ、人間がどうなってもいいけど」 可愛らしい声はまたそれに似つかわしくない言葉を吐く。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-23 20:03:05
蒼月 藍依 @auel_ai_blue

⑩ 納豆はなんとかその言葉を無視して、そして叫ぶ。 「お前っ、あずもちさんをどこにやったんだ…!」 倒した蝙蝠の中にあずもちはいなかったのだ。 また、くすくすと笑い声が響く。 #人狼グルRPGパロ

2014-10-23 20:04:54
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