東京大学南原繁記念出版賞 第3回受賞者講演会(藤岡俊博氏、本田晃子氏) ―― 新しい知の地平を描き出す (東大新図書館トークイベント11)2014年11月7日
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当時の建築の流派のひとつが構成主義。レオニドフが美術学校ヴフテマスの卒業建築としてデザインしたのがレーニン図書館学研究所。#南原賞新図書館
2014-11-07 18:10:081930年以降、数年のあいだにソヴィエト・ロシア建築界では、合理主義・構成主義など各建築家集団の論争の時代から、唯一の様式としての社会主義リアリズムへの移行が生じた。その結果ソヴィエト建築は全体主義的な性格、大衆支配の道具としての性格が明確に。#南原賞新図書館
2014-11-07 18:17:021930年~反”レオニドフ主義”運動。1932年、建築家同盟結成。1931~34年ソヴィエト宮殿コンペティション。逆風の中でレオニドフもコンペに参加。社会主義リアリズムを意識し、過去の建築様式をうまく自分に取り込むことを検討し始める。#南原賞新図書館
2014-11-07 18:19:061930年代にモスクワを離れ、クリミア周辺に仕事の場所を移す。クリミア南岸開発計画。レオニドフも有機的建築を実現しようとするが、社会主義リアリズムが意図しているものとは違った。#南原賞新図書館
2014-11-07 18:19:55戦争中の塹壕の中で、考えた新しい建築<<太陽の都>>。興味深いのは、過去の幾何学的形態が戻ってきていること。太陽信仰を想起させるようなもの。 厳密な線から、身体性を反映した描き方に。このころはインテリアデザイン、模型製作の先生として食いつないでいた。#南原賞新図書館
2014-11-07 18:23:17レーニン図書館学研究所について。大きく分けて3つのパターンから成っている。水平方向、垂直方向への伸張、ガラスの球体。当事レオニドフが属していた構成主義は、機能主義、合理主義をモットーにしていた。しかし、図書館、研究所の機能からこの形態を導き出すのは不可能。#南原賞新図書館
2014-11-07 18:27:08レオニドフはなぜ球体を選んだのか。ハンス・ゼードルマイヤーは球体建築を「大地からの解放」として批判している。しかし、ロシアアヴァンギャルドの文脈では重力からの解放こそが目指された。#南原賞新図書館
2014-11-07 18:31:37レーニン図書館学研究所は、レーニンに関する記録の収集・保管・伝達の場。 背景には、レーニンをめぐる記憶・記録の共有によって共同体を組織する試みがあった。=代補的な復活の試み?#南原賞新図書館
2014-11-07 18:36:41労働者クラブ、コロンブス・モニュメントなどの文化施設では、情報の共有のための建築が発展的に描かれていた。情報の発信、伝達装置として考えられていた。#南原賞新図書館
2014-11-07 18:38:04レオニドフにとっての新しい建築は物理的空間ではなく、マスコミュニケーションの非現実的な網の目を通して実現する大地に根付かない建築。#南原賞新図書館
2014-11-07 18:41:36レーニン図書館学研究所とは 1.図書館という従来一定の空間内に限定されていた知を物理的隔たりとは無関係に伝達・共有 2.知の伝達・共有によって、特定の場所に限定されない、新たな集団=共同体を組織 #南原賞新図書館
2014-11-07 18:42:18藤岡氏から本田氏へのコメント。重力を克服するための建築、大地からの解放というのはレヴィナスに近いテーマ。 レヴィナスはリトアニア出身。レヴィナスのフランス語はロシア語を感じるといわれているが?#南原賞新図書館
2014-11-07 18:45:12本田氏から藤岡氏へのコメント。レヴィナスは「場所を占める」ということをどのように考えていたのか?レオニドフは完全に否定的。#南原賞新図書館
2014-11-07 18:47:59(藤岡氏)「場所を占める」ことの肯定的な意味を見出した上で、それをさらに疑うことで、ハイデガーの哲学そのものを自分の中に組み込もうとした。#南原賞新図書館
2014-11-07 18:51:26会場からの質問。レヴィナスとメディアの関係について。レオニドフはメディアの影響を受けているが?#南原賞新図書館
2014-11-07 18:53:45(藤岡氏)レヴィナスは技術は評価しているが、マスメディアに関して考えていることはおそらくなかった。彼にとってのメディアは本、テクストだった。 一方でレヴィナスは応答責任を重視した。#南原賞新図書館
2014-11-07 18:54:45(会場・川添講師)オランダ留学中にレオニドフを調査。建築家は図面は描くが実際には建てない。実現しなかったからこそ彼のやりたかったことが純粋に現れている。現実的な制約のない中でレオニドフは建築に何を見ていたのか?#南原賞新図書館
2014-11-07 18:57:27(本田氏)レオニドフは建つと思ってドローイングを描いていたわけではないだろうと思っている。全く違う方向で建築を見て、マスメディアで共有することによって新しい共同体が築けると考えていたのではないか。#南原賞新図書館
2014-11-07 18:59:44@UTokyoNewLib #南原賞新図書館 実際に建築されない設計は、重力も資金も耐久性も考えなくて良い。。。それだけに純粋な設計といえますね。
2014-11-07 19:05:36(石田副館長)レヴィナスから電話を受けたときのエピソード。選挙の開票結果を見ていた、政治に関心があることがわかった。研究対象の2人は年代的に共通。悲劇的な経験と隣り合わせ。2人の関係性とそれを研究している79年生まれのお2人の関係が響きあっているのでは。#南原賞新図書館
2014-11-07 19:08:23本日のイベントは終了いたしました。ご来場の皆様、Twitterをご覧いただいた皆様、ありがとうございました。東大新図書館トークイベント11「第3回 東京大学南原繁記念出版賞 受賞者講演会-新しい知の地平を描き出す」#南原賞新図書館
2014-11-07 19:10:25東大新図書館トークイベント11:東京大学南原繁記念出版賞 第3回受賞者講演会へ。藤岡先生のレヴィナス研究、本田先生のレオニドフ研究のお話は勿論、渡辺先生の南原先生と東大出版会に関するお話や、川添先生、石田先生の最後のコメントも全部面白かった♩同じ時代を生きることの意味ね。^_^
2014-11-07 20:37:09昨日東大附属総合図書館で行われた、第3回東京大学南原繁記念出版賞受賞者の藤岡俊博先生と本田晃子先生の講演は本当に面白かった。藤岡先生の研究対象・レヴィナスと本田先生の研究対象・レオニドフがほぼ同時代を生きていて、哲学と建築が思いもかけないかたちで交わるというスリリングな展開。
2014-11-08 01:27:10