ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10100745:ショック・トゥ・ザ・システム #5

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ナムアミダブツ!死の砲弾と化した漆黒のパワードスーツは、ニンジャスレイヤーを抱きかかえたまま、キリモミ気味の狂った飛行機動で甲板上を飛び回った。SMAAAAASH!「グワーッ!」強化ショウジ戸やネオン看板を突き破りながら飛ぶ!激突の衝撃がニンジャスレイヤーを容赦なく襲う! 46

2014-11-15 00:01:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーは密着状態からのショート肘打を敵の顔面に叩き込んで抵抗!「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」だが離さぬ!彼らの向かう先は何処か!?壁に叩き付け圧殺を狙うか!?海に飛び込むか!?否……!前方では主砲砲塔が彼らを狙うように旋回……アブナイ! 47

2014-11-15 00:03:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「完璧なる統治秩序機構完成のためならば、私は死すらも厭わぬ!」官房長官はフジキドと睨み合う。その目が覚悟の狂気に輝く。「それは洗脳電波と情報統制とニンジャの暴威で作る、完璧な奴隷化システムのことか」死神は右肘を振り上げ、そこに渾身のカラテを溜めながら、ジコクめいた声で問う。 48

2014-11-15 00:19:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「その通りだ、君は賢いな」官房長官は平然と答えた。「何と素晴らしき世界か。アマクダリ・セクトこそは我がドージョーなり。ニンジャの秩序が世界を統治する!」マスターマインドは弾道計算と射出カウントダウンを開始!「ならば打ち砕いてみせよう」ニンジャスレイヤーはチャドー呼吸を開始! 49

2014-11-15 00:28:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「スゥーッ……ハァーッ……」「私を止める事はできぬ!」マスターマインドは飛行を続ける。49cm砲の射角へと。彼方ではナンシー艦が横腹に艦砲射撃の乱打を受け、悲鳴めいた軋みと共に真っ二つに折れ曲がり始めていた。「スゥーッ……!ハァーッ……!」「何故なら私は官房長官だからだ!」 50

2014-11-15 00:36:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

艦砲射撃5秒前!ナムサン!最早これまでか!?「スゥーッ……!ハァーッ……!」その時、ニンジャスレイヤーが遂に動く!ゼンめいた精神集中からカッと目を見開き、右拳と左掌を組み合わせると、渾身の右肘打を敵の顔面に叩き込んだ!「イイイイヤアアアアアアアーーーーーッ!」 51

2014-11-15 00:45:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

SMAAAAAASH!肘打がマスターマインドの額に命中し、凄まじい打撃音が響く!「グワーーーッ!!」だが官房長官は歯を食いしばり飛行機動維持。何たる執念!ニンジャスレイヤーのカラテ完全敗北か!?「見よ……私の……勝……」だが砲声轟く直前、脳衝撃が再度、波のように押し寄せる! 52

2014-11-15 00:53:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グ……ワーッ……」官房長官は白目を剥き気絶した。LAN直結されていたパワードスーツも機能停止し、ニンジャスレイヤー拘束状態のまま落下を開始。直後、二人の真上を死の砲弾が通過する。衝撃波が落下軌跡を乱し、鋼鉄に包まれた二人のニンジャは回転しながらネオンビル壁に激突した。 53

2014-11-15 01:02:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーは身を捩りながら膂力を振り絞って拘束を脱し、死の鋼鉄棺桶と化したパワードスーツの拘束からジャンプで逃れる。そして傾いた強化ネオン看板に片手で掴まった。マスターマインドは障害物に跳ね返り、回転激突しながら落下を続け、凄まじい音とともに滑走路へ叩き付けられた。 54

2014-11-15 01:11:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

官房長官はピクリとも動かず。プッ、プッ、プッ、プーーーーーッ。『バイタルサインフラット化。権限委譲プロセス秒読み。事実の確認を』ナンシーからIRC。フジキドは呼吸を整えながら片手で携帯IRC端末を操作した。……敵は仮死状態にある。これよりカイシャクし、確実に爆発四散させる。 55

2014-11-15 01:25:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『準備はいいな、ナンシー=サン』その発言をIRCコトダマ空間内のナンシーが聞き遂げ返す。『助走は十分よ』キャニオン地帯めいた無限遠地平をナンシー論理肉体が高速飛翔する。空に巨大な目が浮かび、レーザー光線が背後スレスレに降り注ぐ。彼女はアルゴスの攻撃を躱し、隙を窺い続けてきた。56

2014-11-15 01:34:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『5秒以内に復帰しないと管理者権限委譲ドスエ』パワードスーツから音声。官房長官は反応しない。フジキドはチャドー呼吸を整え終えると、遥か下方のマスターマインドに対し猛禽めいて狙いを定め、跳躍した!『あと5秒でジャンプする、飛んでみせる』ナンシーも委譲プロセス開始の秒読みを行う。57

2014-11-15 01:43:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

死神は足を下に、ドリルじみた高速スピンを行いながらマスターマインドの頭部めがけ一直線。電脳空間では委譲プロセスが開始。ナンシーはチャントを唱え、瞬時にタイプ加速する。マスターマインドの権限喪失。電子喇叭が鳴り、ナンシーの論理肉体が金色に光る。全能なるADMINの力が宿った。 58

2014-11-15 01:50:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

だが死神が官房長官に到達する直前……システムの喉笛に喰らいつく直前……何者かの影が過った。「イヤーッ!」「グワーッ!?」ミリタリーコートニンジャ装束を纏った男が、急角度のトビゲリを見舞ったのだ。後方では、彼を輸送した高速ステルス輸送機ナイミツが機体を傾けながらビルの間を通過。59

2014-11-15 01:57:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

官房長官のバイタルサインは依然消失のまま。ADMINナンシーは、アマクダリ機密サーバに飛ぶ方向を本能的に悟り、睨む。瞬時に亜高速ワープめいた飛翔を行い、無数のトリイゲートを通過。ニンジャスレイヤーは弾き飛ばされ、滑走路上の戦闘機に叩き付けられた。コート装束の男が回転着地した。60

2014-11-15 02:08:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ADMINナンシーは物理世界の事態を感知できない。全ニューロンをIRCコトダマ空間にダイブさせているのだ。彼女はアルゴスの追撃を振り切りつつ、未知なるIP群で構築された暗黒の領域を渡った。かつてコトダマ空間の最深部に潜った時とはまた違う、凄まじい孤立感と寒気が彼女を包んだ。 61

2014-11-15 02:13:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ここが……アマクダリ・ネットの最深部…?」ADMINナンシーは、ワープじみた飛翔で乱れた論理肉体を、01ノイズから再構築した。彼女は巨大なクレーターが並ぶ、灰色の無限遠荒野に立ち尽くしていた。空は暗黒。周囲は荒漠。ナンシーがいま立ち尽くすクレーターにのみ、無数の赤トリイ。 62

2014-11-15 02:19:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「トリイ……まるでトリイの墓場……」そこには無数の赤トリイが、大きさも方向も間隔も一切の規則性無く、しかしどこか整然と乱立していた。あたかもシャウレイの丘の十字架めいて。ナンシーはトリイ群の中心に向かって歩いた。『読むだけなら』と書かれた木製の本棚が、ぽつんと置かれていた。 63

2014-11-15 02:30:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

冷たい暗黒の空。青ざめた地面。鮮烈な赤漆塗りのトリイ。無音。異物たるADMINナンシーは本棚の前で止まり、鷲の紋章の金属装飾が施された大冊を手に取ると、横の読書机に置いた。物理空間では、ミリタリーコートニンジャ装束の男がアイサツを決めていた。「ドーモ、ハーヴェスターです」 64

2014-11-15 02:36:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ10100745:ショック・トゥ・ザ・システム】#5終わり #6へ続く

2014-11-15 02:43:04