消極的な起業

近年の起業における考察。
8
ばく @kapibaku

タイラー・コーエン『大格差』を読んでいたら、現在、アメリカの労働力人口の3分の1は自営業またはフリーランスとして働いているという統計データが紹介されていた。これらの人々は決してポジティブな理由から「起業」した人々ではなく、むしろ満足のいく雇用先を見つけられなかったために、→

2014-11-15 22:37:17
ばく @kapibaku

→消極的な理由から「起業」した人々であるのがほとんどだという。そのビジネス内容も特別に優れたビジネスモデルや革新的なテクノロジーを伴ったものはほとんどなく、ちょっとした近所の便利屋さんとかHP作成手伝いとか自作の小物売りとかのたわいない小規模な内容のものがほとんどだという。

2014-11-15 22:37:21
ばく @kapibaku

日本でも今後、ホワイトカラーの仕事がコンピューターに取って替わられていくと、満足のいく就職先を見つけられず、仕方なく自営業を始める(起業する)若者が増えてくるのかもしれない。それは決して「起業で経済成長!」みたいなモデルではなく、もっと地味なローカル自営業のモデルになるだろう。

2014-11-15 22:41:42
ばく @kapibaku

すでにぽつぽつと脱サラして自分でお店を始めたり、小さく起業したり、NPOで活動したりする人たちは増え始めているように思う。それは昔に比べて起業の魅力が増えたというよりも、サラリーマンとして会社で勤め上げることのメリットのほうが減ってきたからではないだろうか。

2014-11-15 22:46:11
ばく @kapibaku

スコット・A・シェーンの『〈起業〉という幻想――アメリカン・ドリームの現実』もだいたいそういう内容で、実は〈起業〉によるアメリカン・ドリームというのはほとんど嘘で、アメリカで行われる「起業」の実態は、特別なスキルをもたない中高年が始める小規模なローカル自営業が大半を占めるという。

2014-11-15 22:50:38
ばく @kapibaku

経済成長戦略などで「日本はアメリカに比べて起業数が少ない!もっと若者による起業を増やさねば。日本発のグーグルやAppleを!」といった文言がよく見かけるけど、ああいうのはほとんど意味がないですよという。米国の実態をよく見なさいという話。dameinsei.hatenadiary.jp/entry/2013/07/…

2014-11-15 22:53:30
ばく @kapibaku

むしろ政府が若者のローカル自営業とかローカルNPOの立ち上げを支援してくれるならそれはそれで良いことだと思うけど。ただしそれは「経済成長」にほほとんど繋がらないだろう。「地域振興」や「雇用創出」には多少役立つかもしれない。

2014-11-15 22:54:51