竹端寛 @takebata さんによる "ロベルト・メッツィーナさんの講演会「鍵をかけない!拘束しない!トリエステ型地域精神保健サービスを世界へ」" 連続ツイートまとめ。

7
竹端寛(たけばたひろし) @takebata

続49 「電気ショック療法はやっていますか?」→フランコ・バザーリアが1971年にトリエステに着任したときにはまだやっていた。だが、バザ-リアが着任して、すぐにやめた。イタリアでは電気ショック療法は否定的見解が多い。短期的効果はあっても長期的には脳にダメージが高いから。

2014-11-22 16:15:53
竹端寛(たけばたひろし) @takebata

続50 ECTはイタリア人医師が発明したもの。電気ショックを含めたショック療法は科学的にはとうてい支持できないものであり、人間を媒介にした治療というものを我々は信じている。薬は使うが、人間を媒介せず薬が直に脳に効くのではない。人間関係の中で薬が投薬されるのだ。

2014-11-22 16:17:36
竹端寛(たけばたひろし) @takebata

続51 「家族の責任や役割は?」→家族の同意による強制入院はイタリアにはない。強制入院という仕組みは、患者の責任を医師から市長に移すという仕組み。強制入院に署名するのは市長だが、それはある状況において地域で責任を取る、という考え方。

2014-11-22 16:22:31
竹端寛(たけばたひろし) @takebata

続52 社会防衛的観点をなくし、本人の健康に対する権利としてのみ強制入院を可能にするという運用になってきている。あくまで本人の権利を護るためにのみの強制入院であって、家族がその強制入院の同意の役割を担うことは出来ない。2004年から本人の権利を支援する職種も出来た。

2014-11-22 16:24:14
竹端寛(たけばたひろし) @takebata

続53 家族とは違う第三者が、精神保健システムの乱用による権利の侵害から本人を護り、電気やガスの支払いを助ける事も含めた支援をする職種ができた。そのような権利を保障する仕組みを作りつつある。本人と家族の利害対立に第三者が関与し、家族からの距離が取れるようになった。

2014-11-22 16:26:19
竹端寛(たけばたひろし) @takebata

続54 「作業療法はどうなっているか?」→重要な変革の一つ。作業療法を廃止し社会協同組合を作ったのが1972年。精神病院の中で病棟清掃や木工を入院患者にさせていたが、労働対価は支払われず、煙草銭くらいの搾取だった。労働搾取だった。

2014-11-22 16:32:34
竹端寛(たけばたひろし) @takebata

続55 労働する権利を重要な権利と認めている。共和国憲法の第1条にそれを謳っている。作業療法ではなく、労働として対価を払うために社会協同組合を作り、今は4000ほどの数がある。この社会協同組合以外にも、インターンシップから就労するというプログラムもある。

2014-11-22 16:33:32
竹端寛(たけばたひろし) @takebata

続56 実際の作業をする事が本人の様々な能力活性化には重要だが、そこで間違ってはいけないのは、治療的な側面と人間として地域の中で仕事をしながら生きていくという事を取り違えてはいけない。仕事に似た偽の仕事をさせるのではなく、本当の仕事をすることが重要であり、治療の作業ではない。

2014-11-22 16:34:42
竹端寛(たけばたひろし) @takebata

続57 「病棟転換型居住系施設についてどう考えるか?」→マレーシアの精神病院を視察したが、無拘束で開放の居住施設があったが、精神病院の敷地内にあった。イタリアではそれとは似て非なる事が起こった。

2014-11-22 16:40:06
竹端寛(たけばたひろし) @takebata

続58 元の精神病院の病棟を一定期間、居住施設として使っていた。だが、本体の精神病院を閉鎖してから行った。元病棟を居住施設にするといっても、精神病院がない状態で、居住施設化するということ。病院がある状態で、その論理が貫徹している場で作るのか、は大きく違う。

2014-11-22 16:41:16
竹端寛(たけばたひろし) @takebata

続59 トリエステでも、居住施設を全廃できたのは去年。日本で行われているやり方は、偽の解決方法であって、強く批判されてしかるべきものである。終了

2014-11-22 16:42:54
竹端寛(たけばたひろし) @takebata

続60 イタリアの話をずっと連ツイしてきました。タイムラインを長く占領してすいません。でも、僕自身にとってもすごく勉強になる、エキサイティングな講演会になりました。それではこれにて了!

2014-11-22 16:44:19
竹端寛(たけばたひろし) @takebata

「司会業・英語しゃべり・連ツイ」をこなして、結構クタクタ。師匠とロベルトさんを新大阪までアテンドして「のぞみ」にお見送りして、こちらは「ひかり」に乗り込む。京都から観光客で満席になり、グッタリしながら今日の余韻に浸るなど。関係性を捉え直すとは何か、というヒントを頂いた一日。

2014-11-22 18:28:41