半導体について

エレキたんに感謝! (じぶん用のメモです。)
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エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#1】というのは、つぶやきレベルでは説明しきれません。ごめんなさい(とかいうと怒られますよね)。でも、今、私たちが「半導体」と呼んでいるものの進化を、生物の進化の系統樹のようにさかのぼると、2つのご先祖と、それによって滅ぼされた古い種族に行き当たります。

2014-11-27 12:24:10
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#2】現在進行形で長い話になるので、ごくごく大雑把にかいつまんで。まずは、現在の半導体デバイスの二つのご先祖の第一、「鉱石検波器」の紹介です。

2014-11-27 12:54:20
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#3】震災の少し前にラジオの実験放送が始まり(本放送は大正14(1925)年)、どこからともなく飛んでくる「電波」が人の声や音楽を伝え、自分の家で聞くことができるようになりました。これには、大人も子供も驚き、興味を持ったのは言うまでもありません。

2014-11-27 13:24:27
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#4】真空管式ラジオは最低限の3球+鉱石式ないし4球式でとても高価でした。そこで、みんなで聞くことはできないものの、誰でも自作できる「鉱石ラジオ」が一世を風靡します(昭和7-8年頃までは、これで本当に聞こえたのは東名阪の一部地域だけだったそうですが)。

2014-11-27 13:54:33
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#5】鉱石ラジオの「鉱石」とは、鉱石検波器のこと。黄鉄鉱などの鉱石(結晶鉱物)に、タングステンなどでできた細い針を突き立てると、整流作用が現れます。これをAM検波器として用いるわけです。

2014-11-27 14:24:36
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#6】鉱石ラジオの回路とは、コイルとコンデンサの同調回路とこの検波器、そしてクリスタルレシーバーだけ。よほど電波の強い地域でなければそうはっきりとは聞こえませんが、それでも夜になると大阪で名古屋局の音声が聞こえたりして、最初のラジオ少年たちを興奮させました。

2014-11-27 14:54:39
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#7】鉱石検波器には2つの電極(アノードAとカソードK)があり、電流を一方通行(A→K)にする作用があります。このような素子(デバイス)を二極真空管と同じく「ダイオード」と呼ぶようになります。

2014-11-27 15:24:41
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#8】アメリカの技師ド=フォレストは、フレミングの二極管(1904)に、もう一つ網状の電極を足した三極真空管(トライオード)を発明します(1906)。網状電極=グリッドに与える電圧次第で増幅やスイッチング作用を示し、本格的なエレクトロニクス時代を切り開きます。

2014-11-27 15:54:44
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#9】ついでに、二極管を発明したフレミングは、右手と左手でイェー!みたいな法則の、あのフレミング先生です。あれは法則自体を発見したわけではなく、教え子の学生に暗記法を工夫してあげた、というわけだったそうです。(で、どっちがどっちでしたっけ?)

2014-11-27 16:24:46
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#10】真空管は電極の数や構造で多彩なバリエーションが生まれました。しかし、特に軍用無線機として、乾電池で動作し、手荒な扱いにも耐えることを要求されると、原理的に脆弱で大喰な真空管はこれに対応して電池管・金属管へと進化しますが、所詮弥縫策にすぎませんでした。

2014-11-27 16:54:51
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#11】戦後間もない1947年、アメリカのベル研究所で、ショックレー、バーディーン、ブラッテンのチームは2つの細いプローブを金属台の上のゲルマニウム結晶に接触させたところ、電流に劇的な変化が観察されました。増幅作用を持つトランジスタの誕生です。

2014-11-27 17:24:58
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#12】ちなみに鉱石検波器とその子孫がダイオードと呼ばれるのに、トランジスタはトライオードとは呼ばれません。これは原理的に三極真空管と異なったことと、ベル研究所がトランジスタを画期的新製品としてプロモートするため、ユニークな名前を付けたからだといいます。

2014-11-27 17:55:01
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#13】トランジスタ(transistor)という名前は、transfer(伝達)とresistor(抵抗)に由来します。ベース(B)電極の微小な電流変化でコレクタ(C)電極-エミッタ(E)電極間に大きな電流変化が現れるから、というのがその説明です。

2014-11-27 18:25:08
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#14】トランジスタの発明でショックレー、バーディーン、ブラッテンはノーベル賞に輝きます(1956)。ちなみにバーディーンはその後超電導の原理を解明するBCS理論を確立したことで二つ目のノーベル賞をもらいます(1972)。

2014-11-27 18:55:15
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#15】ともあれ、半導体工業の二つ目のご先祖、トランジスタの誕生で、のちのICの発明、デジタル技術の飛躍的発展によるエレクトロニクス全体のパラダイム変換が始まります。

2014-11-27 19:25:16
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#16】トランジスタは当初の点接触型から、間もなく接合型へと発展(1953、ショックレー。実はこのとき動作原理レベルで異なるデバイスではないか、という議論があるぐらいの革命的な進化でした)、安定した品質で量産可能な、本当の工業製品となります。

2014-11-27 19:55:22
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#17】こうしてあっという間に真空管を駆逐するかに見えたトランジスタですが、真空管側もしぶとく生き残ります。高電圧・大電力・高周波の分野で、真空管はなおトランジスタにできない仕事を力強くこなしてくれるからです。

2014-11-27 20:25:24
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#18】トランジスタは非常に小型なので、高い電圧に原理的に弱いのです。また半導体の物性として熱にも弱く、初期のトランジスタラジオは夏の浜辺では使えないという苦情が殺到したといいます。

2014-11-27 20:55:28
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#19】初期の半導体材料はゲルマニウム(Ge)ばかりでした。これは製造しやすさから広く利用されていたのですが、製造しやすい=物理的・化学的に変化させやすい=変化を受けやすい=弱い、というわけです。

2014-11-27 21:25:32
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#20】ほどなくして、ケイ素(シリコン、Si)が半導体材料として実用化され、少なくとも人間の通常の生活空間に同居できる程度に丈夫なトランジスタが得られるようになりました。これと相まって、新しい構造や製造法(メサ型、プレーナ型など)がどんどん生まれます。

2014-11-27 21:55:38
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#21】世界最初のICは、テキサスインスツルメンツ(TI)社のキルビーが発明し、特許を取得しました(1959)。のちにノーベル賞(2000)に輝く偉業です。彼はGe基板上にトランジスタ1個、抵抗3本とコンデンサ1個でできた発振回路を組み込んで見せたのです。

2014-11-27 22:25:41
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#22】ICはSiを素材にすることで実用化が進み、間もなくTIから最初のロジック(デジタル)ICファミリTTL74シリーズが発売されます。74シリーズのピン配置、型番などはその後類似の製品に広く踏襲され、最初の業界標準の地位を獲得します。

2014-11-27 22:55:46
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#23】アナログ(リニア)分野では、フェアチャイルド(FSC)社のワイドラーが汎用リニアICとしてuA702を開発します(ca1963)。これは程なくより実用的なuA709(1965)に発展し、汎用部品としてのICオペアンプという新しいジャンルを築きます。

2014-11-27 23:25:51
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#24】ワイドラーはuA723電圧レギュレータなども開発し、初期のFSCがシリコンバレーに君臨する原動力となりました。ほどなく彼を含む何人かはFSCをスピンアウトしてナショナルセミコンダクタ(NS)社を設立し、より先進的な製品づくりを進めます。

2014-11-27 23:55:56
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#25】ちなみにこのFSCからのスピンアウトは経営悪化によるもので、シリコンバレー随一の老舗ブランドはその後何度も身売りされ、NSの子会社となったあと、MBOされて現在のFSCとなりました。ブランド以外、最初のFSCと現在のFSCとの間に関係はありません。

2014-11-28 00:25:59