半導体について

エレキたんに感謝! (じぶん用のメモです。)
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エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#26】デバイスそのものに話を戻すと、鉱石検波器の後身としてのダイオードも、点接触から接合型に進化します。そして、大まかに二つの方向に分かれていきます。

2014-11-28 00:56:05
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#27】ダイオードが進んだ2つの道の一つは、ひたすらハイパワーになる方向です。微弱な電波から信号を拾い出すのではなく、何百V・何百Aの電流を整流するもので、真空管の独壇場である電源整流を徐々に奪い取ることに成功します。

2014-11-28 01:26:08
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#28】ダイオードのもう一つの道は、高周波・高速化です。点接触型でのVHF無線電話の検波は第二次大戦中に実用化されましたが、その先、UHFやマイクロ波にも対応できるようになることで、この分野でも真空管を駆逐します。

2014-11-28 01:56:12
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#29】ダイオードは半導体独特の性質から、検波・整流・スイッチ以外の用途、例えば逆方向電圧で端子間の静電容量を制御する可変容量ダイオードによる電子同調、弱点だった温度への過敏な反応を逆用した温度センサ、そしてLEDなど新しい応用を開拓し続けます。

2014-11-28 02:26:16
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#30】大電力化を追求したグループは、トランジスタの弱点だった大電力の制御に一つの答えを出します。SCR(シリコン制御整流器)がそれです。後に様々なバリエーションが生まれ、それらの仲間をまとめて“サイリスタ”と呼ぶようになります。

2014-11-28 02:56:26
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#31】サイリスタは、ゲート(G)という第3の電極のついたダイオードとして扱われます。Gがスイッチを押す指の役割で、アノード(A)・カソード(K)間の導通を制御します。数百Aもの電流を扱えるので、今日のパワーエレクトロニクスの基本デバイスとなっています。

2014-11-28 03:26:31
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#32】さてトランジスタは別の進化を遂げます。元々ショックレーは半導体を電界の中に置き、その電圧(電位差)で電流の流れを制御できないかと考えていました。この作用(電界効果)は実験的には確認されていたものの、デバイスとしてはなかなかうまくできなかったのです。

2014-11-28 03:56:36
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#33】普通のトランジスタが電流で電流を制御するのに対し、電圧で電流を制御できれば、より微小な電力で大きな出力を得ることができるはずです。また、構造として出力側の電流経路にPN接合を持たないなら、高速で歪の少ない出力が得られるはずです。

2014-11-28 04:26:41
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#34】電界効果トランジスタ(FET)は、接合型トランジスタの成功(1953)に続き1954年に実現しました。PN接合に逆極性の電圧をかけて電界を生じるものです。後に金属電極で電界をかけるMOS型が発明されると、ICに広く利用されるようになります。

2014-11-28 04:56:44
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#35】FETはPN接合に逆電圧をかけたり、絶縁体越しの金属膜で電圧をかけたりするので、この電極(ゲートG)にはほとんど電流が流れません。これは真空管のグリッドと似ています。その上、Gの電圧と出力電流(ドレインDとソースSの間)との関係も真空管に似ているのです。

2014-11-28 05:26:47
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#36】FETの特性が真空管に似ていることから、真空管時代に発明された回路方式で、トランジスタではうまくいかなかったものが見直されることになりました。今でもオーディオファンにFETユーザが多いのは、そうした事情も影響しているようです。

2014-11-28 05:56:51
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#37】FETのD-S間には極性(接合部)がないため、ただの抵抗です。トランジスタのようにC-E間の電流が一方通行でなくてよいので、交流信号をそのまま通せるのです。これを利用した電子スイッチは、現在ほとんどの電子機器で利用されています。

2014-11-28 06:26:56
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#38】MOS型FETは、ICの配線に使うアルミ蒸着膜を使うので、ICへの作り込みが容易です。1個1個が小さく、基板に詰め込みやすいので、メモリやCPUなどLSI(大規模IC)はみんなMOS型になりました。MOSがなければパソコンもケータイもなかったわけです。

2014-11-28 06:57:00
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体の歴史#39】あれやこれやの細かい話(サイリスタの制御信号を作るUJTやPUT、絶縁ゲートトランジスタ、化合物半導体とかなんとか)は現在進行形で無限に続きますが、ひとまず今日の半導体デバイスの誕生までのあらすじでした。

2014-11-28 07:27:05
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体業界#1】半導体と言えばシリコンバレーですが、TIはその名の通りテキサスの地場産業、石油探査に使う計測器(Instruments)の修理から出発しました。キルビーのおかげで世界有数の半導体メーカーとなり、今ではシリコンバレーの名門NSを買収しています(2011)。

2014-11-28 08:27:17
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体業界#2】ショックレーの下を離れたノイスらの起業に出資したFairchild Camera & Instrumetsも元は測量機器メーカー。後にFSCを買収したSchlunbergerも油田探査機器の会社で、油田と半導体産業には因縁めいたものがあります。

2014-11-28 08:57:20
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体業界#3】現存の主な半導体企業を並べると;TI、INTEL、AMD、FSC、ADI(アナログデバイセズ)、LT(リニアテクノロジー)、ONsemi(旧モトローラ)、ここまでがアメリカ。韓国のサムスン、日本の東芝あたり、欧州はSTmicro、NXPと続きます。

2014-11-28 09:27:27
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体業界#4】もちろんこのほかにも有名無名合わせて、およそ300社ぐらいが自社で半導体を製造・販売しているほか、設計だけ・受託生産だけ、という垂直分業ビジネスが早くから育ったのも半導体業界の特徴です。

2014-11-28 09:57:29
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体業界#5】“シリコンバレー”とは、米国カリフォルニア州サンタクララ峡谷を中心とした一帯に、半導体関連企業が集中していることに由来する俗称ですが、世界一有名な俗称かもしれません。

2014-11-28 10:27:37
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体業界#6】シリコンバレーはカリフォルニア大バークレー校(UCB)やカリフォルニア工科大(CALTECH)などの理工系研究機関を知的供給源に、廃墟だらけの放棄地の割に交通便利な土地柄から、半導体事業に賭けたベンチャー企業が集まったものです。

2014-11-28 10:57:41
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体業界#7】ちなみに、アメリカの主な半導体企業でもシリコンバレーに関係のないものは珍しくありません。TIはテキサス、ADIはボストンです。TIは最初から大企業の一部門、ADIは半導体以前の真空管時代に発足した電子機器メーカーで、真空管式オペアンプで定評がありました。

2014-11-28 11:27:48
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【半導体業界#8】シリコンバレーの栄枯盛衰は聞くだけでもワクワクするのですが、連ツイ程度でなんとかなる話ではありません。ぜひ文献に当たってみてください。参考資料としては、NHK特集「電子立国日本の自叙伝」がDVD化されているので、図書館などでご覧になるとよいでしょう。

2014-11-28 11:57:52
エレキたん【節電・ピークシフト】 @ElekiTan

【高耐圧半導体】これまで半導体素子は小型さとバンドギャップの小ささから、高い耐圧は得られませんでした。最近化合物半導体の研究が進み、Siの5-10倍のバンドギャップの材料が開発され、これにより数kVを超える耐圧を実現した素子が市販されています。SiCがその代表例です。

2014-11-28 07:57:11