鳥に纏わる掌編・籠屋・曳舟荘~空想の街にて/灯りの樹の夜

#空想の街 企画「灯りの樹の夜」における #鳥に纏わる掌編 #籠屋 #曳舟荘 周辺のまとめ。 何かありましたらお気軽にどうぞ。
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そして街は開かれる。

空想の街公式アカウント @humptyhumtpy

何処にもない、何処にでもある街。空想の街。時計塔の街の3日間。はじめましての貴方も、おかえりなさいの貴方も、街は全てを受け入れます。どうぞ、お楽しみください。 #空想の街

2014-12-12 00:01:05
chi-suke @ChiKomiya

鳥やさんへ 街はあかりのき、という木のきせつです よかったらまた遊びにきてください 大家さんが あいさつをしたいそうです ふたりで 待ってます ちどり めじろ ついしん かごやさんにもよろしく #空想の街 #鳥に纏わる掌編 #曳舟荘

2014-12-12 18:39:38
chi-suke @ChiKomiya

この度も旅は道連れ世は情け灯点し頃の一人と一羽 #空想の街 #短歌 #tanka

2014-12-12 21:38:48

--【設定】

chi-suke @ChiKomiya

【設定1】烏(鳥屋)…ちどり、めじろ達「鳥」を街に放った張本人。今回は何故か烏(カラス。おそらくワタリガラス)の姿になっている。本来は鳥打帽と黒い二重廻しの壮年。仕方ないので籠屋に同行することにしたらしい。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編

2014-12-12 21:53:58
chi-suke @ChiKomiya

【設定2】ちどりとめじろ…「鳥」と言われる存在。空を飛んだり、美しく囀ったりできる。花の蜜が主食。人の言葉は日々上達している。二人とも元々は鳥屋の商品だったのだが、街の住人としてなじんできているようだ。曳舟荘の店子。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編

2014-12-12 21:55:33
chi-suke @ChiKomiya

【設定3】籠屋…大小さまざまな鳥籠や鳥籠モチーフの細工物(根付、ネックレス、簪など装飾品メイン)を売っているお調子者の中年男。オーナメントと一緒に鳥籠なんかいかがでしょうか。天秤棒を担いでうろうろしているので、お気軽に用をお申し付けください。 #空想の街 #籠屋

2014-12-12 21:58:02
chi-suke @ChiKomiya

【設定4】曳舟荘の大家…ヒキフネさん、と呼ばれる年齢も性別も曖昧な人。ゆるくまとめた長髪、着流し姿。三味線を弾いたり店子の面倒を見たり、基本的に自由人。古アパート曳舟荘、こっそり入居者募集中(蓮根橋西、森側。家賃は相談に応じます)。 #空想の街 #曳舟荘

2014-12-12 22:01:58

--【一日目】

空想の街公式アカウント @humptyhumtpy

おはようございます。ずいぶん冷える朝でしたね。雲とともに寒気が海のほうから流れてきました。午後は雨になりそうです。この雨は明日のお昼にはあがるようです。寒くなります。傘とマフラーや手袋などの防寒具をお持ちくださいね。それでは、いってらっしゃい。(情報窓口:佐々木類) #空想の街

2014-12-12 08:30:41
空想の街公式アカウント @humptyhumtpy

午後からの雨もあり、今日は一段と寒い一日になりました。風邪は引かれなかったでしょうか?この雨は明日のお昼頃まで続きます。雨に煙る中の灯りの樹も、ちょっと素敵かも。(情報窓口:堂坂みかこ) #空想の街

2014-12-12 17:00:52
chi-suke @ChiKomiya

「やれやれ、っと」そぼ降る雨の中、一人の男が彼方の時計塔を見やって一つ息を吐いた。その息がぼんやりと白い。前にここに来たのは夏のことだった。いつかまた、この街にという望みが叶ったのは正直に嬉しい。嬉しいのだが――。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編

2014-12-12 18:40:54
chi-suke @ChiKomiya

「うーん……」小さく唸り声を漏らして、彼は頭の鳥打帽を被りなおした。「やっぱ、行かなきゃ駄目かねぇ?」それは独り言のようだった。と、咎めるような羽音が一つ。「わーったよ、わかりましたよ!」 #空想の街 #鳥に纏わる掌編

2014-12-12 18:42:32
chi-suke @ChiKomiya

帽子の上からがしがしと頭を掻いて男は言った。やれやれ、と湿気を含んで重い黒い二重廻しを引き上げてもう一度溜息を吐く。冬の落日が早いのは当然の事。雨なら尚更で、あたりにはもう闇が忍び寄ろうとしている。かァ、と鳴く声がした。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編

2014-12-12 18:43:55

謎の男が曳舟荘へ。

chi-suke @ChiKomiya

「――よいしょ、っと。うん、ここらでいいかねぇ」曳舟荘の大家はそう声を掛けた。「下ろすよー」「はいよ、ゆっくりね」鉢のもう一方を持つ少年――ちどりと息を合わせながら、ゆっくりと地面に下ろしていく。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編 #曳舟荘

2014-12-12 18:48:21
chi-suke @ChiKomiya

「かんせーい!」傍からめじろの楽しげな声が上がった。「完成も何も鉢を動かしただけじゃないの」笑い含みの声で大家が言う。丁度ちどり程度の背丈の裸木――灯りの樹の子株だった。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編 #曳舟荘

2014-12-12 18:49:24
chi-suke @ChiKomiya

首を傾けて肩で支え持っていた和傘を持ち直す。この子株はこの街に来てから少しして落ち着いた頃に購ったものだ。もう何年になるのか、買った時の数倍の大きさにはなった。今はまだ灯りの代わりに雨粒を枝に実らせている。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編 #曳舟荘

2014-12-12 18:51:15
chi-suke @ChiKomiya

ちどりとめじろは一つ傘の下、門前に立って何かを話している。そういえば親代わりにまた手紙を書いていたっけ、と思い出す。大家は書面でのやり取りしかしたことがないのだが、存外に面倒見のいい男らしいということは重々承知の上だった。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編 #曳舟荘

2014-12-12 18:52:18
chi-suke @ChiKomiya

「やれやれ、やっとこお顔拝見ってとこかしらん」そんなことをぼやきつつ、室内から煙草盆を引き寄せて煙管に火をつける。仄かな温かさを感じると、忍び寄る冷気が際立った。身震いを一つして、派手な模様の綿入れの襟を掻き合わせる。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編 #曳舟荘

2014-12-12 18:53:33
chi-suke @ChiKomiya

蓮根橋を渡ってその先、つまるところ街の最も外周にある曳舟荘の周辺の人通りは日中であっても少ない。夕暮れ時で雨天なら尚更だった――と、吐き出した紫煙の向こう、そのお人様と縁の少ない曳舟荘を目指してやってくるらしい人影があった。 #空想の街 #鳥に纏わる掌編 #曳舟荘

2014-12-12 18:54:50
chi-suke @ChiKomiya

「きた!」「来、た……?」弾んだ声を上げためじろに相槌を打とうとしたちどりが不意に言葉を詰まらせた。大家は二人の後ろに歩み寄る。歩いてきた男が鳥打帽を押し上げた。そのままその手を挙げる――「よ、よう。元気だったかお前ら」 #空想の街 #鳥に纏わる掌編 #曳舟荘

2014-12-12 18:56:54
chi-suke @ChiKomiya

ちどりとめじろの首が右に30度程度、ぴったり同じ角度に傾いた。――ふむ、と大家も首を傾げる。さらり、と深い灰色の髪が流れた。「……どちら様で?」首を傾げたまま問いかけると男は何故か再び帽子を引き下ろした。「えっと、その……鳥屋、です」 #空想の街 #鳥に纏わる掌編 #曳舟荘

2014-12-12 18:58:39
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