茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1375回「選挙制度に関する一考察」

脳科学者・茂木健一郎さんの12月15日の連続ツイート。 本日は、今朝考えたこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1375回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、今朝考えたこと。

2014-12-15 06:31:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

選挙制度は、どうあるべきだろう。どんな選挙制度でも、勝者がすべてを持っていくwinner-takes-allの構造がある程度出るのは仕方がない。その際に問題なのは、有権者の投票行動と選挙結果が乖離する、いわゆる「死票」の問題であろう。

2014-12-15 06:33:51
茂木健一郎 @kenichiromogi

小選挙区制の場合、二大政党がいちばん死票が少ない。たとえば、A党とB党が各選挙区で競っていて、48%とか52%とかそういう票がだーっと並んでいて、獲得議席もだいたい半分ずつになる場合は、国全体としては、ほぼ死票がない、という状態になる。

2014-12-15 06:36:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

問題は、小選挙区制で、多彩な政党が候補者を立てる場合で、この場合は、大量の死票が生じる。たとえば、得票率20%台、30%台の政党が「圧勝」するということが起こりやすい。そのような場合、国全体としてみると、大量の死票が生まれることになる。

2014-12-15 06:37:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

小選挙区制で、死票を少なくするためには、二大政党に限りなく近づかなければならない。逆に言えば、小選挙区制の導入は、二大政党への移行をうながす目的がある場合が多いだろう。一方、政党が多様なままの場合、選挙ごとに大量の死票が生じて、結果と有権者の投票が乖離する。

2014-12-15 06:38:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

現代の政治状況は複雑化しており、かつてのように、イデオロギーで二つの政党に分かれるという時代ではない。従って、小選挙区制は、死票を少なくするという統計的な目的からすれば、現代になじまないのだろう。単純な比例代表制こそが、現代にもっともなじむ選挙制度なのかもしれぬ。

2014-12-15 06:40:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

民主主義である以上、選挙結果はそのまま受け入れるのが筋である。しかし、その「結果」が、小選挙区制における多数の政党の並立という状況の下では投票行動と乖離しやすいというのが問題の本質である場合は、選挙制度自体を改革しなければ、有権者のフラストレーションは構造的になくならないだろう。

2014-12-15 06:41:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1375回「選挙制度に関する一考察」でした。

2014-12-15 06:41:54