ラージは夢を見ていた。愛くるしい恋人と雪の下、手を繋ぎベンチに座り二人で、二人だけの時間を過ごすことを。恋人が居るだけで温もりを感じる、そんな日々を。でも、夢は覚める。そして思い出すのだ、現実を---。
2014-12-15 22:30:57「はぁ……今日も寒いね///」 そう言うと彼女はラージの手を取った。 「手、つなぐと、あったかいね…///」 彼女はラージの顔こそ見なかったものの、やけに恥ずかしそうにしていた。たまにはこんなのもいいもんだな…。ラージは珍しく、空から降る白い悪魔に感謝した…そんな妄想をし文字数
2014-12-15 22:22:49研究に疲れたラージ。やっと帰れる……。彼女からプレゼントされた腕時計は、すでに22時を回っていた。 ああ、今日も彼女にかまってあげられなかったな……。次の土日くらい、デートにでも誘わないとな…… 「えいっ!」 バスッ!ラージの顔に冷たい塊が直撃。 「やった〜命中!」 研文字数
2014-12-15 22:25:42妄想に萌えを感じてしまって俺はもう終わったなって思ったけど、よく考えたら世の中のキモオタは妄想に萌えを感じまくってるし金を溶かしてる。 ぼくはつよく生きる。
2014-12-15 22:32:08「ごめんごめん。そろそろかなって思って、ラージ君のこと、待ってたんだ」 研究棟のすぐ脇から、彼女が近づいてくる。 「ふふっ、顔、赤くなってるww。でもラージもわるいんだからね。かまってくれないんだから。まぁ、忙しいのもわかるけどさ…」 彼女はラージの腕を抱えるように寄り添文字数
2014-12-15 22:28:22「忙しいのもわかるけど…」 彼女の腕に、少し、力が入る。 「私だって寂しいんだから……」 恥ずかしそうな彼女の言葉は、とても小さく、雪の降る音にかき消されそうだった。だが、ラージにはしっかりと聞こえていた。 「そうだな……ごめんな……」 ラージは彼女を抱き寄せうわっもう続けられん
2014-12-15 22:31:35「ふう、やっと着いた…。」ラージはそう呟きながら繋がったもみあげを撫で上げる。そうするのが彼の癖だったのだ。成田空港、あいつが迎えに来てくれる。 「ラージくぅーーーーん!」 聞こえたっ!うずみの声だっ。
2014-12-15 22:34:51急いで走ってきたのか、うずみの頬は朱く染まっていた。ここは寒い北海道ではないのに。少しおかしくなってクスリと笑ってしまった。 「なんだよ」 うずみが少し拗ねたような口振りで言った。 その様子がなんだか懐かしくて、おかしくて 「帰ってきたんだ。」 そう、強く感じた。
2014-12-15 22:38:33