三連ツイノベ自選第3集

三連ツイノベのまとめ第三弾です。
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おーさん @osayas811

「421号、外へ出ろ」俺の番号が呼ばれた。ついに今日、俺は死刑になるのだ。3年前、俺は妻が寝ている隙に、家に火を放って逃げた。長年俺を蔑み束縛し続けてきたあの女への復讐だった。だが、廊下に出ると係官が言った。「お前は死刑にはならない。この国にはもう死刑はないのだ」 #三連ツイノベ

2014-05-24 16:35:14
おーさん @osayas811

「じゃあ、どんな刑になるんだ?」俺は尋ねた。「死心刑だ」「何?」「人口の減少した現代では、健康な肉体は貴重な資源なのだ。だから死刑囚は心だけが刑に処され、体は再利用される。心は健在なのに、体を事故や病気で失う人は多いからな」「じゃあ、俺の体も誰かに使われるのか?」 #三連ツイノベ

2014-05-24 16:36:08
おーさん @osayas811

「お前の体には、先日事故にあった男性の心が入る。奇遇なことに、彼の奥さんも事情で別の体を使っているそうだ。もちろん、顔は整形して前と同じになっているが」そして係官は1枚の写真を見せた。「この女性だよ。3年前、前の夫に体を焼かれたんだ」写真にはあの女が写っていた。 #三連ツイノベf

2014-05-24 16:36:52

まるで回転寿司のように

おーさん @osayas811

「さあ今日は、たらふく食うぞ」「ねえ、このお寿司さっきもこっちに来なかった?」「当たり前だろ、回転寿司なんだから」「そっか。だからまた回ってきたのね。何度も何度もグルグル……。はっ、これだ!」「何だ?」「ゴメン、急に用事思い出したから帰る」「え?待てよ、まなみ!」 #三連ツイノベ

2014-06-07 00:47:25
おーさん @osayas811

それ以来、まなみは姿を消してしまった。俺は毎日彼女を探し求めた。月日が流れ、ようやく諦めかけた頃、街で彼女にそっくりな若い女性を見かけた。「まなみ?」いや、そんなはずはない。あれから50年も経つのだ。俺だってこんなに老いぼれて……えっ?俺、いつの間にか若返ってる! #三連ツイノベ

2014-06-07 00:48:09
おーさん @osayas811

「あの日、このお店でふと思いついたの。時間の流れを回転寿司方式にしてみたらって。だって今までの方式だと、いずれ宇宙が滅びちゃうから。でも、切り換え作業に思いのほか時間がかかっちゃって」「でかしたな、まなみ」「今日は、たらふく食べましょ。50年前のあの日の分もね」 #三連ツイノベf

2014-06-07 00:52:43
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