第四回覆面同題バディSS　正解発表

覆面同題バディSS @fukumenBuddy_SS

【A-1】 「神様の決めた事だから」とか「これが運命だ」なんて、そんな言葉は俺らしくない。最後の一秒まで足掻くよ。あの日、自分から手放した場所に立って誓う。お前の隣で戦う事を二度と諦めない。凍える夜を越えて辿り着いた朝は光と熱情に満ちて。二人は未来に向かって再び走り出した

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【A-2】 「待機か突入か。ドチラニシヨウカナ！あれ待機か。えーと、テンノカミサマノイウトオリ、よし突入！いいなバニー」 「科学者の息子としては神は信じ難いですが貴方の言う事なら」チラと流し目で笑い煤けたメットを下ろす。 勝負はこれから、神任せにするには早すぎる。

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【A-3】 『あの日ニンジンを残さなかったら、神さまがお父さんとお母さんを天国に連れていかなかったのかな？』施設で問いかけられた幼い問いは、幼い頃の僕に向けて答えた。未だに嫌いなものを残すのは、この人が僕の前から消えない確認。僕を見ているかの確認。襟の際につけた僕の痕も…

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【A-4】 『神さまのお名前を通して、感謝して頂きます』 孤児院の子供たちの食事風景は、必ずこのお祈りから始まる。 「神さまのお名前を通して」 僕は神を信じなかったけれど、今ならこの意味がわかります。 虎徹さん、虎徹さん。貴方の名前を通して、僕は今日も笑っています。

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【A-5】 あなたが教えたことです、チャーハンのコメ一粒にすら神さまが宿ると。僕はあなたの手をとる。眠る疲れた頬を撫で、肩の、胸の、腹の、決して消えない傷痕をたどる。つま先にそっとくちづける。額を押しあて祈りを捧げる。この体をつくるひとつひとつにだって神がやどるに違いない。

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【A-6】 いるの？いないの？いないの？いるの？幼い頃はいると信じた。愛を感じて幸せだった。少年期にはいないと思った。だから自分の力を信じた。青年期にはいて欲しいと願った。あの人が欲しいと何度も祈った。今彼の寝顔を見ながら思う。ねえ、いるの？いないの？いないの？いるの？/神さま

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【B-1】 お前は神様にでもなったつもりか。思い上がるなと、厳しい眼差しと諌める声。離れた歳も体格差も軽く覆えしてしまう能力を持つ弟に、それでも厳しく真正面から、間違いは間違いとして糺していく。そんな存在が側にいてくれた事は、すげぇ有難かったな。ぽつり呟いた、貴方の瞳の色。

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【B-2】 カフェのベーグルは美味しい。猫もかまえば可愛いと知った。観葉植物はまめに手入れしないとダメ。適度なアルコールと下らないジョークも捨てたもんじゃないし仲間を信頼するのは大切な事。なにより温もりを分けあって眠る心地良さは何者にも替えがたい　→

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【B-2】 → だからお願いします。もう僕から何も奪わないで

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【B-3】 この街が大きな果実に例えられてた時代もあるそうですよ。知恵の果実の諸説のひとつだ。ビックアップル、蜜の味、そそのかすのは蛇。喉に詰まらせて死ぬのは男。じゃぁぼくたちは？それ人と神さまの話だろ、今のここは層を重ねて作られたアップルパイだ、うまいぞ、食えよ、ほら。

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【B-4】 この人は頑丈で打たれ強い人です。でも、だからといって傷付かないわけではなくて。神さま、もしおいでになるのなら、そして僕の声に耳を傾けてくださるのなら。どうか、この人にできるだけ、つらいことを与えないで。避けられない試練ならば、ひとりではなく僕が隣にいる時に。

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【B-5】 この世に神さまなどいない。人の神さまを貶す趣味もないが、偶像だって崇拝できない…って思ってたんだけどな。休日のプライベートビーチ。海から上がり様、濡れた黄金の髪をかき上げる相棒の姿は、逞しく頼れる存在に成長していた。太陽越しのお前ってば、まるで俺のアポロンだ。

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【B-6】 ずっとお祈りしてたの。いい子にしてたら神様が助けてくれるって。お兄さんとおじさんは神様から頼まれたの？ ああそうだよと力強く頷く相棒の隣で、僕は、殴られた痕が浮いたあどけない頬をそっと撫でた。間に合ってよかった。君が神様の御前に立つ前に、助けることが出来て。

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【C-1】 その間際、貴方は微かに唇を震わせた。ひとこと、ふたこと、聞こえるか聞こえないかのボリュームで零された言葉はどこへ向けられたものかはわからない。ぱたり、とシーツの上に腕が落ちる。小さな死。意識を失うことは神さえ失うこと。今このひととき、貴方は僕だけのものになる。

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【C-2】 どちらにしようか悩んで、彼が不思議な歌を歌っていたのをふと思い出した。かみさまのいうとおり。リズムに合わせ交互に指差し選ばれたのは、ダイヤではなく僕らの色をした石が埋め込まれたもの。俺ららしいな、と貴方は笑う。僕らの愛を形にするんだから、これがいい。

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【C-3】 ドレニシヨウカナ、天ノ神様ノ言ウ通リ。「貴方、神なんて信じるタイプでしたっけ」聖なる夜。俺に指先を突き付けられたままの男が苦笑する。「んー、クリスマスだから…とか？まぁ何ていうか、汲み取ってくれよ」お前が欲しい、なんて、素直に強請れる歳じゃないんだ、もう。

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【C-4】 ぽつり降らせた呟きに瞼が開く。「……おいのり？」「いえ」うとうとと頬にかまう指。「ひとりごとです。寝顔を見ていたら、なんだか」神なんて長いこと忘れていたのに。ふいに温かさが胸を衝くような、こんな気持ちを言い得る言葉を知らなくて。「ばぁか」貴方は笑う。

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【C-5】 虎徹さんが変な呪文を唱え出した。「どちらにしようかな、てんのかみさまのいうとーり！」ケーキの前で真剣な顔をして指を振っている。耳に残る、スタッカートのリズムと不思議な抑揚。よし！と頷いたから決まったんだろうと思ったら、結局半分こにするんですね、まったく。

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【C-6】 虎徹は唇を噛んで祈った。バニー、俺のバニー！　ＩＣＵを睨み付け、必死で自分を落ち着かせている。けれど、「意識が戻りました！」その声で虎徹の糸が切れた。夢中でバーナビーの枕元へ駆け寄る。「こてつさん」「バニー」どっと涙が溢れ出た。神さま、今度は思い留まってくれた。

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【D-1】 神さまは、いつも貴方の心の中にいるの。ずっと見守っていてくれるわ。幼い頃、母に抱かれ、父に頭を撫でられながら聞いたお伽噺。その時からずっと、僕の神さまは両親だった。なのに今、いつも僕の心の中にいるのは。見守っていて欲しいと、傍に居て欲しいと願う人は、ただ一人。

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【D-2】 神さま感謝します。あなたのおかげでぼくは彼と出会うことができました。この人の笑う顔を見るごとに想いを天に浮かべます。とろけるような声でバニーと呼んでくれる彼がこれ以上ぼくのせいで傷つかないように。神さま、彼からぼくの記憶を消して。そういつも祈ります。

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【D-3】 神さま仏さまバニーさま。なあ、頼むって、それは無理、絶対無理だって、無理無理、やめて、おじさん壊れちゃう。ちょ、ま、まてって！ アッーーー！