サンタさんとバディパカちゃんのお話

小話 @ryokurintei

サンタさんは困っていました。数日前からトナカイ達がインフルエンザで寝込んでしまったのです。今夜はクリスマスイブ。今頃子ども達はプレゼントを心待ちにして靴下をぶら下げている事でしょう。「どうしたもんかのぅ」大きなため息をついたその時「お困りのようですね」と柔らかな声が聞こえました。

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顔を上げると、二頭のアルパカが立っていました。「来たぞ、ワイルドタイガーだ！」緑のスーツを来たアルパカが元気な声で言いました。「君たちは？」サンタさんは首を傾げました。「俺はヒーローのワイルドタイガー」「同じくバーナビー・ブルックスJr.です」「…君たちがタイガー&バーナビー？」

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二頭の噂はサンタさんも聞いたことがありました。「森の仲間達からサンタさんがお困りだとききまして」「困ってる人を助けるのがヒーローの役目だからな！」それですぐに駆けつけたのだと二頭は瞳をキラキラさせながら言いました。「安心してくださいサンタさん。今夜は僕たちがソリをひきましょう」

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サンタさんは驚きました。だって二頭のアルパカがトナカイ達の代わりにソリをひくというのですから！「本当に大丈夫かい？」「おぅ！任せとけって！」そういうと緑のアルパカは胸をはりました。サンタさんはまだ少し心配そうでしたが、二頭の力強い頼もしげな顔に任せてみようとおもいました。

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「それじゃ今夜はよろしく頼むよ」サンタさんはにっこり笑いました。 ーその夜。軽やかな鈴の音とともに、星の煌めく夜空を二頭のひくソリが軽やかに走っていきました。ソリの御者台から二頭を眺めてサンタさんは思います。よくみれば、アルパカ達の緑と赤のスーツはクリスマスにピッタリじゃないか。

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そして、夜風をきりながら力強く駆ける二頭の顔はどこか誇らしげでした。なんせクリスマスイブの夜に子ども達にプレゼントを配る、というとても大切な仕事のお手伝いができるのですから！ 「ホー！ホー！ホー！」サンタさんが笑い声をあげるとバディパカも真似して叫びました。「ホー！ホー！ホー！」

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そうしてサンタさんとアルパカ達はとても愉快な気持ちでソリを走らせながら、プレゼントを配ってまわったのでした。もし、あなたがカーテンをすこぅし開けて外を覗いていたら、アルパカ達のひくソリに乗ったサンタさんが笑いながら夜空を横切っていくのが見えたかもしれませんね。 おわり。