◆UTSUWA二次創作◆【サンタクリエンスと魔女の次女】◆実在性ミリオンアーサー◆

ごむまり @jinkou_gom

【サンタクリエンスと魔女の次女】 突然ですが今から始まります ○実在性ミリオンアーサー二次創作です ○頑張って勉強したつもりですがもしかしたら一人称違いや口調違いとかがあるやもしれません。その時はごめんなさい。

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○基本実ミリしか見てない人が書きましたが、ちょいちょいTLに流れてくる拡散性やコミカライズの設定が入ったりしてます。 ○なんか不愉快でしたらどうぞお申し付けください。すぐやめます。 ○前後編です。後編いつやるかは未定。 では、始めます。

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ここはブリテン。日々外敵やアーサーが戦闘を繰り広げる物騒な国。 ですが、そんなブリテンにもクリスマスは訪れます。ひんやりした冬の空気の中、カップルや家族、仲の良さそうな学生などが、ブリテンの街を闊歩していました。その中にはアーサー達の姿もあります。 「よぉし、次はどこに行く？」1

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「二人とも、少し飲みすぎではないか？ いくら聖夜と言えどハメを外し過ぎてはならぬぞ」剣術の城が眉を潜めて言いました。 「なぁによぉ！ こんなの飲んでる内に入んないっつーの！ ねえ、魔法の派？」 「あへへへ、そうでしゅよぉ剣術の城しゃあん！ よりゅはこれからでしゅ！」2

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「ベロベロではないか！ 全く二人とも、もっと王としての自覚を持つべきだ！ そもそもお前達はだな……」剣術の城の説教が始まる！ そう察知した技巧の場はすぐさま話題を変えました。 「あーあー！ それより剣術の城、次は魔女の三姉妹に行かないか？」 「……ふむ」剣術の城は頷きました。3

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魔女の三姉妹はその名の通り魔女の三姉妹、つまり長女モルゴース、次女エレイン、そして三女モーガンが経営する小さなスナックです。「三ママ」と呼ばれる姉妹の不思議な魅力もあり、ブリテンで密かに人気を博していました。 三人のアーサーは連れ立って、魔女の三姉妹へ向かって歩き出します。4

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しかし、どうやら魔法の派のアーサーは少しばかり酔いすぎたようです。ふらふらと道路を縦横無尽に歩き回る魔法の派は、剣術の城と技巧の場の手に余りました。 「剣しゃん技ぃしゃん！ 見てください、サーベルタイガーでふ！」魔法の派は驚いて言いました。綺麗な緑の瞳は大きく見開かれています。6

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「サーベルタイガーぁ？ ちょっと魔法の派、危ないクスリキメんのも大概にしなさいよ？」技巧の場はわざとらしく溜め息を吐きました。 「薬物なんてキメてません！ あそこの路地裏に、サーベルタイガーが確かにいたんです！」魔法の派は酔いも覚めた様子で、ムキになって反論します。7

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「だからあんたの見間違いだって……」「ちーがーいーまーすー！ 本当に見たんです！」技巧の場の言葉を遮ってまで、魔法の派は頑なに意見を譲ろうとしません。議論は平行線で、仕方なく剣術の城が路地裏を確認する事になりました。 「全く、なんで私がこんな馬鹿げたことをせねばならぬのだ……」8

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文句を言いながら剣術の城は路地裏を覗き込みました。路地裏に生き物の影はなく、あるのは大きなゴミ袋だけです。 「ほら見ろ、サーベルタイガーなんて影も形も無いではないか」剣術の城は振り返って言います。しかし技巧の場と魔法の派は口をぱっくり開けて、剣術の城を指差しています。9

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「人を指差すのは失礼だぞ、王云々以前の問題だ」「違っ、後ろ！ 後ろ！」「後ろ？」剣術の城が振り返ると、身の丈3mはあろうかというサーベルタイガーが、鋭い牙を剥き出しにして三人のアーサーを睨んでいました！「がおー！」「ああああああ！」アーサー達は帯剣している事も忘れ大慌てです。10

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「ぎっ、技巧の場！ そなたはこういうの得意だろう！ ナントカしてくれ！」「馬鹿言ってんじゃないわよ！ 私は人間じゃないとムリなの！」「ほーら、サーベルタイガーいたじゃないですか！」「そなたは黙っていろ！」「あのー」「そうだ魔法の派！ 元はと言えばあんたが妙な事言い出すから！」11

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「信じなかったあなたが悪いんですよ！」「酔っ払いの言うことなんか信じられるかって！」「もう酔っ払ってなんかいません！」「待て！ 技巧の場、魔法の派！」剣術の城が何かに気付いて言いました。「今、サーベルタイガーが喋った！」 「あら失礼、私はサーベルタイガーではなくてよ？」12

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三人が恐る恐る声の方向を見ると、そこにサーベルタイガーの姿はなく、代わりに魔女の三姉妹の次女、エレインの姿がありました。 「本日も飲みに来られたのでして？」 「あ、ああそうだが……何でサーベルタイガーに変装してたんだ？」エレインは人差し指を口に当てて笑いました。「秘密ですわ」13

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「さて、せっかく来て頂いたのに申し訳ないのですが、今宵はもう店を閉めてしまいましたの」 「何でよ、クリスマスなんて絶好の稼ぎ時じゃない」技巧の場が口を尖らせました。エレインは笑って答えます。 「お金の問題ではありませんの。少し、そう、迷える子羊さんの人生相談をしていましてよ」14

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「遅かったわね、ちゃんと看板下げてくれた？」エレインが魔女の三姉妹に戻るとモルゴースがホットミルクを用意して出迎えてくれていました。 「勿論ですわ。ついでにアーサー達と少し遊んできましたの」 「アーサーだと⁉︎」突然声を荒げたのはカウンターに突っ伏して寝ていたリエンス王です。16

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「馬鹿な……あいつら今日も外敵と戦闘がって、言ってたのに……」 「あーあ、地雷踏んじゃったわねエレ姉。どうもコイツ十一人の支配者だけじゃなくて、アーサー達にもちょっかいかけてたらしいのよ」三女モーガンは蔑むようにリエンス王を見ました。「発情期の猫でももうちょっと分別があるわ」17

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「違う！ ……俺は、俺はただ、クリスマスを一人で過ごしたくなくて」 「あのねぇ、この際だからハッキリ言っておくけど、あんたもうリカバリー不可能なとこまで来てんのよ？ 私達もそろそろあんたには呆れてんの」 「正直、もうどんな手を使ってもあの方達と仲良くなれるとは思えませんわね」18

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「そんな！ ならば俺は一体どうすれば！」リエンスは頭を抱えて泣き始めました。見兼ねたモルゴースが妹たちを諌めます。「エレイン、モーガン。そのくらいにしておきなさい。……リエンス王も、方法が全く無い訳ではないわよ」 リエンスは顔を上げ、モルゴースに掴みかかる勢いで問い詰めます。19

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「方法とは何だ！ 教えてくれ、いや、教えて下さいモルママ！」 「まず今の貴方では皆と仲良くなんてできないわ。もう既にイメージが固定されているから」 「俺のイメージ？」リエンスが首を傾げると、モーガンが口を挟みました。 「無駄にとんがってる、激ウザかまってちゃんってとこね」20

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顔を覆うリエンスを横目にモルゴースは続けます。 「固定されたイメージを覆す、これが不可能なら、イメージが固定される前に戻ってしまえばいいの」エレインは慌ててモルゴースを咎めます。 「ちょっと姉様！ リエンス王にあの秘術を使うのは、少々コストパフォーマンスがよろしくなくてよ！」21

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「これでリエンス王にご友人が出来るなら、多少の出費は痛くも何ともなくてよ」「モルママ！」 リエンスはモルゴースの手を握って何度も繰り返しお礼を言っています。 「モル姉が一番リエンスを嫌がってたのは伝えた方がいいの？」 「厄介払いでしてよ」エレインとモーガンは囁き合いました。22

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「じゃ、早速準備をしましょう。エレインは魔法陣の用意、モーガンはリエンス王に対タイムパラドクスサンタコスを」 「ラジャー！」二人の声が重なります。そして、それに声を上塗りするようにリエンスが叫びました。 「待てモルママ！ た、対タイムパラドクス用サンタコス？ なんだそれは！」23

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「貴方、どうせ普通に過去に戻っても碌な事しないでしょう。なら、皆が子供の頃に戻ってプレゼントを配ればいいの。サンタクリエンスとしてね」モルゴースはリエンスに妖しくウインクしました。リエンスは、モルママは実は天然だったのか？ と思いましたが機嫌を損ねたくないので黙っていました。24