ののやの同題ffTB

#同題ffTB タグで書いたもののまとめです
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小話 @ryokurintei

星の街と謳われた都市の突然の崩壊。音もなく訪れた災禍に人々の悲鳴が響き渡る中、メダイユに空いた大穴へと女神像が音もなく沈み込んでいく。とうとう女神に見放されたのか。プレートの淵に腰かけた男がポツリと呟く。青い光を放つ最後の1人がこの世を去った朝だった。/さいか #同題ffTB

2014-12-31 11:49:27
小話 @ryokurintei

あなたは気づいてないでしょう。あなたの視線が柔らかな鎖となり、僕の一挙手一投足に絡みつく事を。 あなたは知らないでしょう。僕がそれを嬉しいと思っていることを。 知らないでしょう、いいえ、知らなくていいのです。知らないままその鎖で縛ってくれればいいのです /鎖 #同題ffTB

2014-12-25 01:12:27
小話 @ryokurintei

ネックレスの鎖が切れた。ため息まじりにみていたら、ふと、迷子札みてぇだなそれ!とあの人にからかわれた事を思い出した。もしこれが迷子札なら、どこの住所が書かれてるんだろう。どうせならブロンズのアパートだといい。あの人に飼われるのなら、鎖に繋がれるのも悪くない /鎖 #同題ffTB

2014-12-24 01:04:41
小話 @ryokurintei

虎「なぁ楓、あそこにすげぇ値段の高いプリンパフェがあんだろ?」 楓「うん」 虎「お前がバニーの写真集買ったり雑誌買ったりしなきゃ、今頃アレが食えたんだぞ?」 楓「買ってても食べられるけど」 虎「へ」 楓「食べられるけど」 虎「…マジで」 楓「余裕」 /ぷりん #同題ffTB

2014-12-13 22:58:41
小話 @ryokurintei

It's a piece of cake. という慣用句がある。簡単だ、または楽勝という意味で使う。オリエンタル風だと「朝飯前」。「ボクなら、‘It's a cake!'かな」ホールケーキでも楽勝だよ!というパオリンの言葉はイワンは聞かなかったことにした/ピース #同題ffTB

2014-12-04 00:15:52
小話 @ryokurintei

荷物を整理していたら懐かしい写真が出てきた。眺めて思わず頬が緩む。「我ながらいいの撮れてんじゃん」あの2人は今でも仲良くやってるだろうか。「ま、俺様が心配するまでもねぇか」写真の中には、隣合わせに並んだヒーロースーツ。幸せそうに笑う緑と赤のピースサイン/ピース #同題ffTB

2014-12-03 23:21:14
小話 @ryokurintei

週末の夜を騒がす強盗団に、人々はテレビに釘付けになった。ヒーロー達の活躍で犯人達は一網打尽。最後の1人は今期デビューの新人に確保された。父譲りの身体能力と義父譲りのスタイリッシュな身のこなし。星の街に舞い降りた可憐な新人ヒーローにたちまち人々は虜になった/デビュー #同題ffTB

2014-12-02 23:58:12
小話 @ryokurintei

いいのか、会わなくて。営むバーにフラリと現れた青年は、小さく首を横に振った。今はまだ会いません。…会えません。ここに来たのも偶々なのだと強く主張する。あぁ、でも一言だけ。帰ってきたらあなたの炒飯が食べたい、とあの人に。…だそうだぞ虎徹。扉の向こうで影が揺れる/伝言 #同題ffTB

2014-12-02 17:36:38
小話 @ryokurintei

三層に積み上げるんだ。そういって見せられた新しい都市の設計図面に人々は一様に首を傾げた。ただでさえ海を埋め立てて作る人工都市。地盤に不安がないわけではないのに。女神様の思し召しさ。唇をつりあげ男が笑う。この街は遊び場になるんだ。青い光の子どもたちのね。/パルクール #同題ffTB

2014-12-02 12:40:42
小話 @ryokurintei

2度目の引退を決めて帰ってきた弟が、明日また星の街に戻るという。「復帰じゃねぇよ!…ただ、ちょっと忘れもんを思い出して」口ごもる弟に首を傾げた所で、玄関の呼び鈴がなる。引き戸の向こうに立つ人物に苦笑がもれる。「虎徹。どうやら忘れ物が向こうから来たぞ」/忘れもの #同題ffTB

2014-12-02 00:35:24
小話 @ryokurintei

隣に座る相棒の横顔をこっそり眺める。相変わらずハンサムだ。キンキラ王子に煽られ、娘に怒られ、とうとう夢で亡き嫁にまで諭されたけど、やっぱ言えるわけねぇよ。「好きだ、バニー」なんてなぁ。ため息と同時に緑の瞳が丸くなる。「虎徹さん今なんて」えっ、口に出てた!?/隠し事 #同題ffTB

2014-11-29 01:15:43
小話 @ryokurintei

1秒でできる事なんてそう多くはねえけど、1秒あれば、気を抜いた相棒の唇を掠めとることくらいはできんだよ/1秒 #同題ffTB

2014-11-27 22:30:49
小話 @ryokurintei

バニーちゃん、と呼ばれて記憶を取り戻した時「よっぽど嫌だったんだな、その呼び名」とあなたは苦笑したけれど、本当はそうじゃなくて、閉じられた記憶を開く鍵になる位、特別な呼び名になってたからだって、いつかあなたに伝えられるかな。/あだ名 #同題ffTB

2014-11-25 14:24:31
小話 @ryokurintei

寒気が上空になだれ込み、急激な冷え込みに吐く息も白く凍る朝。三層に積み上げられた星の街は下から加えられる強い力で、少しだけ上空に向かって押し上げられる。街の人々は窓の向こうに広がる海が少しだけ遠くなり、頭上を覆う空が少しだけ近くなったことで冬の訪れを知る。/霜柱 #同題ffTB

2014-11-24 16:58:05
小話 @ryokurintei

星の街の人々が穏やかな時を過ごしていたある小春日和の午後。下町の路地裏では猫髭の男が金髪の青年に蹴りを入れられたり、それをかわしながら愛を告白したり、虚を突かれて固まる青年に口づけたりしていたが、それを知るのは昼寝を邪魔されて不機嫌な塀の上の猫だけだった/不機嫌 #同題ffTB

2014-11-23 18:00:02
小話 @ryokurintei

包丁で指も切らなくなったし、フライパンで火傷することもなくなった。完璧に炒飯を作れるようになった頃、あなたがいないとは思わなかった。/ヒリヒリ #同題ffTB

2014-11-13 13:51:15
小話 @ryokurintei

隣のシャワーブースから悲鳴があがる。どうしたんですか!なんでもねぇよ!出動した時怪我でもしたかと無理矢理乗り込めば、慌てふためく褐色の肌には覚えのある幾つもの歯形。…あ。大丈夫大丈夫。これも男の勲章ってヤツだし。気にすんなバニー!気にしますよ恥ずかしい!/ヒリヒリ #同題ffTB

2014-11-13 13:47:28
小話 @ryokurintei

「カタパルトの射出準備完了でーす!」はやく、早くして...!!「カウントダウンはいりまーす」よ、よし、いくぞ、いくぞ、俺はヒーローだ…!「5、4、ふぇっくしょいっっっ!(カチッ)ーあ、やべ」 ひょおおああああああああ!!!/間欠泉 #同題ffTB

2014-11-13 09:10:34
小話 @ryokurintei

最近パオリンがイワンに熱い視線を送るようになった。「アレは完全に恋してる目だな!」楽しげな相棒にバーナビーが「多分違いますよ」と水を差す。「なんで?」「だって」彼の視線の先には「約束の特大パンケーキいつ奢ってくれるの折紙さん!」と締め上げられるイワンの姿が/恋心 #同題ffTB

2014-11-12 23:52:00
小話 @ryokurintei

急にランチ奢ってくれたり、コーヒー入れてくれたりなんなんですか。どうせ書類がたまってるんでしょう?下心がバレバレなんですよ、あなたの親切は!眉をつり上げる相棒に謝りながら、こっそり胸を撫で下ろす。よかった、本当の理由はバレてねぇ。下心だって?いいえ、これは/恋心 #同題ffTB

2014-11-12 23:36:07
小話 @ryokurintei

いいか新人。バーナビーのいい表情を撮るためには絶対に欠かしちゃならないもんがある。よく聞けよ。1にタイガー2にタイガー、3・4もタイガーで、5に機嫌のいいワイルドタイガーだ!必ずカメラの後ろに立たせるのを忘れるな!/無意識 #同題ffTB

2014-11-12 15:08:55
小話 @ryokurintei

水分を孕んだ灰色の雲が重く垂れ込める。ぐるぐる巻きにしたマフラーの上から赤い鼻を覗かせて早く帰りましょう、とバニーが手を引く。寒さに凍えた息は白く凝って空へと昇り形を変えて舞い降りた。…道理で寒いわけだ。どうしました?ほら。広げた手のひらに冬のひとひら/予告状 #同題ffTB

2014-11-12 13:54:16
小話 @ryokurintei

「......お前、ほんと似合わねえなあ」「そういうあなたは違和感ありませんね」「おい、なにやってるんだ。二人ともはやくこっちきて餅つきの準備手伝え」「似合いすぎてこええよ、兄貴!」/割烹着 #同題ffTB

2014-11-12 08:59:43
小話 @ryokurintei

あなたに出会うまで、自分がこんな風になるなんて思いもしなかった。もうあなたを知らなかった頃の僕には戻れない。こんな自分はイヤなのに。どうしてくれるんですか。……責任、とってくださいね?/あなたなしで #同題ffTB 「うん、俺が悪かったからそろそろコタツからでようなバニーちゃん」

2014-11-11 11:06:24
小話 @ryokurintei

眠れない夜は眠らない。シーツを巻きつけホットミルクをお供に窓からぼんやり夜景を眺める。深夜だというのに眼下は星をばらまいたような煌びやかさ。星街の名前は伊達じゃない。 バニー。不意に聞こえる馴染んだ声。背中に温かな熱が宿る。/これがないと眠れない #同題ffTB

2014-11-10 23:57:52