黒色中国さん、政治と歴史について語らう

黒色中国 @bci_

正月明け初めての金曜の夜なので、新年会などで、ツイッターを見ている人も少なかろう。私は小心な卑怯者であるから、こういう夜は普段書きにくいことを書く。読んでもらっては困ることをこっそり書く。

黒色中国 @bci_

中国の友人に会って茶を飲んでいたら、「安倍晋三」の話になった。中国語では「アンベイジンサン」と発音するが、中国において、これは軍靴の響きを伴う呪われた「音」である。この音がTVから聞こえると反日報道の前触れだが、中国人の口から聞こえる時は注意を要する…良い話になるわけがないから…

黒色中国 @bci_

中国において「アンベイジンサン」はどういう印象なのかと言えば、A級戦犯の血を引く戦争犯罪者の子孫であり、靖国神社に参拝して侵略戦争の怨霊たちに大日本帝国の復活を誓う危険な右翼政治家、アジア侵略を目論む米国帝国主義の傀儡である。基本的に、良い評価は１つもないと言って良い。

黒色中国 @bci_

中国人の素朴な疑問として、「どうして日本人は、アンベイジンサンのようなとんでもない極右政治家が好きなのか？」というのがあるようだ。中国で報道されている情報から考えると、「アンベイジンサン」は全人類の敵みたいな人だから。「オマエもアンベイジンサンが好きなのか？」と聞かれた。

黒色中国 @bci_

即答の難しい問題である。というのも、私は「保守」であると自認しながらも、現実の政治にはほぼ興味を持たない。特定の政治家を支持しない。政治とは、高い理想を掲げたとしても、結局は妥協の産物である。ある政治家の現在の実績が、彼の理想と完全なイコールで結べない。評価が難しい存在だ。

黒色中国 @bci_

政治家とは、長い歴史の中で「結果」を元に評価されるべきであって、今生きている政治家を現時点で熱烈に支持する！彼は素晴らしい政治家だ！というのは、私には出来ないタイプの行動である。日常的に中国関連の本を読んで、歴史的に過去の政治家を考えるのが習慣化しているからだろう…と思われる。

黒色中国 @bci_

私が現在生存して、政治家として活動している人物を評価するとしたら、ただ１点に絞られる。それは、「中国の脅威に対して有効な対応が出来ているか」ということに尽きる。そういう点において、「アンベイジンサン」は合格と思われるのだが、中国人相手にはちょっと言い出しにくい話だ。

黒色中国 @bci_

「アンベイジンサンの政権は長く続いているし、日本のためによくやっていると思います」と、無難な回答をしておく。中国人は「ふむ…」と無感動に相槌を打つ。そういう回答が欲しかったわけじゃないけど、どういう回答が欲しかったのかは、中国人自身にもわからない。私も言い足りない気分がしている。

黒色中国 @bci_

「選挙の結果、アンベイジンサンは日本の首相になって、日本国民に支持されているけど、支持の多くは経済的な政策に対する期待感であって、中国で報道されているような…『右翼分子』とか『軍国主義者』という面が評価されているわけではないと思う」と告げると、中国人は「そうなの？」という顔をした

黒色中国 @bci_

「でも、今の日本は中国が嫌いで右傾化しているんだよね？」と中国人は問う。この友人は、日本についてそこそこ詳しい。「私自身も、実は日本の保守主義者なんだけど…だからといってアンベイジンサンを完全に支持できるのかといえば、よくわからない」と告げると、中国人は不可思議な表情を浮かべる…

黒色中国 @bci_

中国人相手に、こんな話をして通じるのか…と思いながらも、「薩長武断主義」と書いて、それが何であるのか、という説明を始めたら、「ああ、それなんとなくわかる！」と言い出した。この中国人は日本のドラマとか小説が好きで、幕末の薩摩と長州がどういうものだったのか知っているのだｗ

黒色中国 @bci_

その後の私の説明を要約すると…大日本帝国の思想があるとしたら、それは薩長武断主義である。でも、大日本帝国時代でも、日本人の全てがこの思想の支持者かと言えば、そうではない。むしろ少数だったのではないか…私は保守だけど、薩摩人でも長州人でもないし、この思想の熱烈な支持者でもない。

黒色中国 @bci_

日本の伝統を重んじる「保守」が「薩長武断」とイコールにはならないと思う。「薩長武断」は日本保守主義者にとって唯一の答えではない。当時幾つかあった選択肢の中で、薩長は戦争に勝って、維新の勝ち組になって、大日本帝国が出来たけれど、状況によっては別の選択肢もあったんじゃないかと思う。

黒色中国 @bci_

「日本鬼子」に象徴されるような日本軍国主義の源流は薩長武断にあると思うけど、その反面、「かわいい」とか「やさしい」という日本人の印象もあるわけで、このような相反するイメージがあるのは、「薩長武断」が日本の一部のものであって、全ての日本人に通ずる性質ではない…のではないか。

黒色中国 @bci_

中国との関係が緊張している中で、アンベイジンサンのような、しっかり中国に対抗できる首相がいるのは、日本人としては頼もしいけれど、彼が長州人であることを考えると、漠然とした不安を感じずもいられない…日本人にとって、他の選択肢は本当にないのかな、と思う…と中国人に説明してみたのだが…

黒色中国 @bci_

中国人は「よくわかった」と言って満足気である。この人、日本の幕末明治の話が本当に好きなので、日本人でもわかる人が少なそうな話でも、何となくわかるものらしい。でも、中国人は歴史の話が好きなので、こういう歴史への疑問について理解しやすいのかも知れない。

黒色中国 @bci_

中国の近現代を振り返ってみても、「他の選択肢はなかったのだろうか」ということは少なくない。現代中国人の愛国的見地から考えて、毛沢東が唯一の選択肢だったのか、中国共産党だけが正しい選択だったのか、と疑問に思い始めると、キリがないほど、異論は出てくるはずである。

黒色中国 @bci_

そして、愛国的な中国人の全てが、毛沢東と中国共産党の支持者というわけでもない。多数の民意とは別に、無数の偶然と必然の積み重ねから、現在の政治状況ができている。全ての中国人が共産主義者だから今の中国になったわけでもないし、全ての日本人が軍国主義者だから大日本帝国ができたわけでもない

黒色中国 @bci_

こういう、同じ日本人相手に話しても「リスク」を負う話を、中国人にしても理解できないだろうと思っていたのだが、意外に理解してもらうことができた。全ての中国人に通じるとは思えないが、これは１つの希望と見ても良いのではないか。日本人と中国人が話し合える状況は、日々改善していると思った

黒色中国 @bci_

中国メディアは、そういう報道しかしないので、そう考えるのは当然なことかと @kinoko3670 FXでは帰化した上海人に師事しております。日本在住20年以上の方ですが、食事会で「安倍さん戦争しそうな人」と仰いました。相場分析の仕事と軍国主義嫌悪の間で苦しんだと納得しました。

黒色中国 @bci_

若い人でノンポリなら全然興味なかったりとかしますね @nukosoba @kinoko3670 おいらが知ってる在日の中国人の人達(留学生含※民主化活動に参加しないノンポリ)は 安倍総理に対してそんな風には見ていないけどなぁ (´・ω・｀)y━･~~

黒色中国 @bci_

私の知人に３０年近く日本と関わってる日本通の中国人がいますけど、「安倍晋三」が大嫌いです。話の通じない極右政治家と思ってます @nukosoba @kinoko3670 ※じっちゃん達も含め多少日中の政治を理解している人達は安倍はやや右寄りながら話せば分かる人という認識っぽい