『養鶏場の殺人』の邦題の由来について

東京創元社の編集者@little_hs様よりご回答いただいた『養鶏場の殺人』の邦題の由来についてのツイートをまとめました
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HS(いたち好き編集者) @little_hs

熊本読書会のレポートを読んでいたら「原題は『CHICKENFEED』なのに、邦題が『養鶏場の殺人』と、“の殺人”が付け加えられてるのは何で?」という疑問が。これはCHICKENFEEDをただ直訳すると「鶏の餌、はした金」になってしまい、タイトルとしてかっこわるいなと思い→

2015-01-10 20:40:00
HS(いたち好き編集者) @little_hs

『養鶏場の殺人』の冒頭にある但し書き「Chickenfeed id based on the true story of the "Chicken Farm Murder", ……」にあった、"Chicken Farm Murder"を訳して「養鶏場の殺人」としました。→

2015-01-10 20:44:00
HS(いたち好き編集者) @little_hs

→『養鶏場の殺人』は1924年に実際に起こった犯罪 "Chicken Farm Murder"(養鶏場殺人事件)をもとにウォルターズの私見を加えて小説にしたものなので、それをふまえてこの邦題にしました。その「私見」がどういうものなのかが、ラスト1行でわかるわけです。→

2015-01-10 20:47:26
HS(いたち好き編集者) @little_hs

→そういう小説の構成が鮮やかだったので、全体のタイトルを「養鶏場の殺人」にしようと思い、しかしあまりにインパクトありすぎなので躊躇していたら、先輩編集者から「中編集だから『火口箱』と並べれば」というアドバイスがあり、晴れて『養鶏場の殺人/火口箱』になりました。終わり。

2015-01-10 20:51:38
HS(いたち好き編集者) @little_hs

その後、思った以上に「火口箱」の評価が高かったので、並列タイトルにしておいてよかった……。と先輩に感謝を捧げました。翻訳小説の邦題というのは編集者か翻訳者さんがつけることが多いです。いつも悩んでおります。

2015-01-10 20:53:24