『孤独と、期待と、』

紅月雪夜 @nightofsnow_r33

無事だった応接室に向かい合って座る。室内には長門。外も陽炎達が固めているはず。 さて、何からお話しますか。 「あんたはどこの誰だ。尻尾付きとの関係は？」 未だに興奮している叢雲を抱き寄せる。不知火に飛び掛からん勢いだ。 #落ちぬい二次

紅月雪夜 @nightofsnow_r33

「硫黄島に有った鎮守府が半年前に壊滅したことは？」 恐らく海ぼうずでも知らないはずだ。知っていれば動かないはずがない。あそこは今も『存在している』のだから。 「いや、知らないな。あそこはかなりでかい所だったはずだが」 #落ちぬい二次

紅月雪夜 @nightofsnow_r33

生存者は私と叢雲だけです。 私たちは『あれ』に傷一つ付けられなかった。 「まさか」 同一個体とは限りませんが、聞いていた特徴と一致しますね。 「どこの海域だ」 台風の中鎮守府を直接狙われたので。私は左腕を失い叢雲は轟沈寸前で廃棄場に居ましたよ。 #落ちぬい二次

紅月雪夜 @nightofsnow_r33

叢雲が腕を抱き締める。思い出したのだろう。 ここに来たのは『本当の』兵頭提督を見たかったからです。馴れ合いはごめんでしょう？ 「あんたは今は何処にいる？」 固定の鎮守府や泊地はありません。存在していないことになっていますからね。 #落ちぬい二次

紅月雪夜 @nightofsnow_r33

大本営のパシりですよ。それも癪なのでそれとなく手を広げているところです。海ぼうずは今のところ兵頭提督だけ接触するつもりです。 「提督、各資材が届いたようです」 「どこからだ？」 大本営の資材を持ってきたんですよ。もちろんハッキングして、偽装もして、ね。 #落ちぬい二次

紅月雪夜 @nightofsnow_r33

さて、私達は戻ります。 「今の話を信用しろと？」 叢雲が煙草をくわえて、火を着ける。それを私にくわえさせた。 私達のデータを追うのは無理でしょうけど、硫黄島の件なら不知火と長門で追えると思います。 「舐められたものですね」 不知火が唸る。 #落ちぬい二次

紅月雪夜 @nightofsnow_r33

あのレベルのハッキングなら叢雲で十分追えます。何なら兵頭提督のスマホの画像データぶちまけてみせましょうか？ 「是非お願いします」 「おいやめろ」 今度はラム酒、そうですね、ルリカケスとレジェンドオブキューバでも手土産に持ってきますよ。 #落ちぬい二次

紅月雪夜 @nightofsnow_r33

そう言って二人で窓から躍り出る。結構な高さはあるが問題はないな。 「提督、追うかい？」 「いや、今の話が本当なら酒持ってまた来るだろ」 「お酒に釣られましたか」 「レジェンドオブキューバは手に入らねえんだって！」 #落ちぬい二次

紅月雪夜 @nightofsnow_r33

叢雲、不知火はいかがでした？ 「私には役不足ね」 あと、帰ったらお仕置きですからね。 「じ、冗談よね？」 ギンブチさんの画像データに、翔鶴さんに使ってた面白そうな玩具が幾つかありましてね。試してみようかと。 「どＳ！」 誉め言葉ありがとうございます。 #落ちぬい二次

紅月雪夜 @nightofsnow_r33

二人でしてきたこと。面白そうな仲間が出来るかも知れないこと。 きっと良い飲み仲間になれること。叢雲が快楽の海に溺れたこと。 もう二人ではないかもしれないこと。 これは鎮守府を持たない、ちょっと変わった提督と秘書艦の、周りを巻き込んだifのお話。 end #落ちぬい二次

紅月雪夜 @nightofsnow_r33

この提督、ギンブチさんがモデルですが、海ぼうずではありません。酒と煙草はカタメさんと、女の子の話はギンブチさんと気が合うという。ちなみに元コックなのでモグリさんとも料理談義が出来ます。趣味は女の子(叢雲)いぢめとガトーショコラを焼くこと(笑) #落ちぬい