140字SSログまとめ。1月27日更新。

140字SSのログの記憶。一次創作だったり、二次創作だったり。 #桜埋め #架空の食レポ大会 等 2017年1月31日更新。
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ツカノ @tukano_2013

煙草の匂いがする。自分以外に誰もいない筈の部屋の中に漂う匂いは、あの人が苛々する時に吸う銘柄で、どうしたのだろうと首を傾げる。何かあったんじゃないかと、どきどきしていると電話が鳴ってびくりと躯を揺れた。恐る恐る受話器を取れば、疲れたあの人の声がして、ほっとすると怒られたのだった。

2015-01-15 23:42:06
ツカノ @tukano_2013

見知らぬ人からパーティーの招待状が来る。好奇心から招待状の封筒に入っていた地図を頼りに、パーティーの会場へ出向く。たどり着いた場所は、おどろおどろしい猟奇事件が起こりそうな古色蒼然としたお屋敷。中に入ると、そこら中の床に人の形をした図形が白墨で書かれていた。招待客とホストは何処?

2015-01-16 00:20:25
ツカノ @tukano_2013

ぱんはかぱーん。プレゼント交換の始まり、始まり。目の前にあるのは、赤地に白の水玉が散らされた包み紙に赤金のリボンを掛けられた大きな匣。そわそわしながら、包み紙を破いて匣を開けると勢いよく何かが飛び出して私を頭からがぶりんちょする。どうやら、私が匣の中身へのプレゼントだったらしい。

2015-01-16 09:05:28
ツカノ @tukano_2013

花火大会に、恐らく多分きっと恋人だと思われる相手と行く。その帰りに、角を曲がると突然小さな天幕が現れる。いったい何だろうと警戒していると、不用心を絵に描いて花丸を貰ったような推定恋人が天幕の中に入ってしまう。慌てて追えば、彼は魔術師だと言う男に惚れ薬を売りつけられていたのだった。

2015-01-17 02:05:21
ツカノ @tukano_2013

今朝も、兼さん、兼さんと誰もいない空中に向かって、楽しそうに話しかける彼の姿を見かけて嘆息をつく。彼が来てからと言うもの、この繰り返し。他の刀剣達が生温かく見守るのもいつもの事。彼の思い人はいつになれば現れるのか、もしかして逃げられているんじゃないかと思わなくない。 #刀剣乱舞

2015-01-17 21:43:51
ツカノ @tukano_2013

疑問符が紅茶に浮かぶ。目の前にいるのは、見知らぬ黒い和服を着た少年。少年は紅茶の中をくるくると掻き混ぜながら、親し気な笑みを唇に浮かべる。どちら様と訊ねれば、どちら様でしょうと人を喰ったような事を言う。少年の笑顔を眺めながら、これから何が起きるのだろうかと私は思った。#書き出し

2015-01-22 22:39:58
ツカノ @tukano_2013

カップラーメンの麺が伸びている。何故伸びたかと言えば、待ち時間を間違えたからである。それでは、何故間違えたかと言えば、私がカップラーメンのお湯を入れた時に、窓の向こうから音がしたからである。耳障りな音に振り向けば、先に鉤爪のついた触手が『待ち時間を間違えた』と書かれた紙を紙を。

2015-01-22 23:04:00
ツカノ @tukano_2013

煙草の匂いがする。次の瞬間、水を頭から掛けられて、煙草を咥えていた男装の女は情けない声を唇から洩らす。顔を上げれば、目の前にはにこやかな笑みを顔に浮かべて『禁煙』と書いた紙を持った優男の姿。蛇の性で煙草が苦手な癖に最もらしい理由をつけやがってと女が嘆息をつくと優男は笑みを深めた。

2015-01-27 09:27:57
ツカノ @tukano_2013

お待ちしていますと書かれた差出人不明の手紙が来たのは昨日の事。しかも、どこでお待ちしていますなのかすら解らない。仕方なく無視する事にした所、夢の中に何故来て下さらないのかと詰る女が現れる。蛇に良く似た恨めしそうな顔を眺めながら、一体どこの誰なのだろうと首を傾げた。 #帝都電脳読本

2015-01-29 23:23:09
@tu_2z

一つ、二つ、三つ。何しているのさと言う声で我に返る。ふと気が付けば、手には角砂糖が乗った銀色の匙を掴んでいた。この角砂糖をどうしようとしたのだろうと匙の下を見れば、冷えた珈琲が入った茶碗が目に入る。首を捻っていると、そんなに上の空なら素直に迎えに行けばいいじゃないかと言われた。

2015-01-30 12:48:30
ツカノ @tukano_2013

不運封じの札売りがいるらしいと噂を聞いて、不運を絵に描いたような友人が札売りを探しに行く。数日後、 札を手に入れたと戻って来た友人は確かに不運ではなくなっていたけれど、何となく別人に思えるのは気のせいだろうか。何度も訊ねようとは思ったけれど、未だに訊けずにいる。 #忍たま百物語

2015-01-30 13:00:34
ツカノ @tukano_2013

暗い闇からの浮上。鍛刀されてから初めて目を開けると、見知らぬ遮光器土器が自分の顔を覗き込んでいた。何故知らない筈の遮光器土器が目の前にいると解ったかと言えば、首から遮光器土器と書かれた名札を下げていたからである。#人化して呼び出されると、主は遮光器土偶だった みたいな小話。

2015-02-10 13:01:34
ツカノ @tukano_2013

使用お題:バレンタインの予行練習 ジャンル:オリジナル タイトル:十三日の金曜日と貯古齢糖 privatter.net/p/634232 #深夜の真剣文字書き60分一本勝負 pic.twitter.com/8ImCLB35HX

2015-02-14 23:34:51
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ツカノ @tukano_2013

桜の木の下に女の屍体を埋めたのですと、男はうっとりとした顔で言ったのだった。何故ですかと訊けば、男は女が埋めて欲しいとねだって来たのですと言う。本当ですかと訊いた瞬間、桜の木の下から白い腕がわらわらと現れて男を地の底に連れて行ったのである。彼は一体何人埋めたのだろうか。 #桜埋め

2015-03-23 22:05:37
ツカノ @tukano_2013

これも一応桜の木の下に死体の話。 ひとでなし  privatter.net/p/691955 ここは、箱庭のような町にある細い坂道。泥沼のような闇夜に申し訳程度に灯りがついている。坂道に立っているのは、探偵の男と見知らぬ女。  #桜埋め

2015-03-23 22:22:15
ツカノ @tukano_2013

桜の木の下で、桜の木の下で、すぺしゃるなでぃなーを楽しもう。僕らの、僕らのすぺしゃりて。桜の木の下に埋めたすぺしゃりて。闇夜の中で光るお月様はまん丸、ひらひらと散る桜の花は真っ白。桜の木の下に埋めた美しい女の人を掘り出して、ぼくらすぺしゃるなでぃなーを楽しもう。 #桜埋め

2015-03-23 23:07:02
ツカノ @tukano_2013

はらはらと風に花が散っている桜の木の下から、白い女の腕が一本生えていた。誰が埋まっているのかしらと思い、腕に声を掛ければ土の下からお忘れですかとぐぐもった笑いが返って来る。これはどういう事かと首を傾げていると、貴方が埋めたのに薄情な事と白い腕が私の首に巻きついたのだった。#桜埋め

2015-03-24 12:54:53
ツカノ @tukano_2013

桜が美しい庭でお茶会をしよう。紅茶に愛らしいケーキに胡瓜とハムの小さなサンドイッチに焼きたてのスコーンをタワートレイに並べてお茶会をしよう。桜を美しく咲かせる秘訣はと喪服の麗しき女主人に訊ねると、毎年一人桜の木の下に埋めるのですと墓穴のような穴を指さして笑ったのだった。#桜埋め

2015-03-25 09:10:28
ツカノ @tukano_2013

サクラノキノシタデオマチシテマスと電報が来たのは黄昏時の頃。この内容では、誰がどこの桜の下で待っているのか解らず、途方に暮れる。その夜、桜の下で見知らぬ女が手招きする夢を見た。女は何故お約束通りに来てくれなかったのですかとケタケタ笑うと、私を桜の木の下に埋めたのだった。#桜埋め

2015-03-26 08:57:48
ツカノ @tukano_2013

Kの細君が夫の様子が変だと相談に来る。彼女が言うには、Kは庭の桜の木の下に向かって愛の言葉を囁いているらしい。木の下に埋められているのは、だあれ。彼女の話を聞きながら、ふとKに細君なんていたかしらと思う。そもそも、自分の (cont) tl.gd/nj6p65

2015-03-26 19:49:18
ツカノ @tukano_2013

桜の木の下に埋まらないかと誘われたと彼は言う。どういう事だいと訊けば、とある桜の木の下に屍体を埋めると次の年に血のように赤い桜が咲くらしい。そもそも屍体にならないと駄目じゃないかと笑って見せれば、彼は実はもう屍体になって埋まっているのだと言うと目の前から消えたのだった。 #桜埋め

2015-03-27 09:09:20
ツカノ @tukano_2013

桜が降ります、桜が降る。歩いていると、櫻の下で花弁に埋もれた誰かを見つける。何をしているんだと訊けば、今の自分は屍体なので話しかけないで下さいと拗ねた声がした。謝るから屍体になるのは止めないかと言った途端、花弁が風で飛ぶ。花弁が飛んだその下には、誰もいなかったのだった。 #桜埋め

2015-03-28 17:26:00
ツカノ @tukano_2013

桜の木の下に屍体を埋めよう、桜の木の下に屍体を埋めよう。一昨日は狼にぱくりとされた赤頭巾、昨日は錘の針に刺されて死んだお姫様、今日は毒林檎を食べて死んだお姫様を桜の下に埋めよう。誘拐して実験して解剖して瓶詰めにしたお姫様たちを桜の木の下に埋めよう。埋めたら、お話もお終い。#桜埋め

2015-03-31 19:24:39
@tu_2z

四月一日の事だった。あるばいとをしている道具屋さんへ行く途中で、鯖の頭をした男の人と出会う。洒落た格好をした鯖の頭をした男の人は、何故か桜の木の下の掘られた墓穴の底に屍体のように横たわっていた。スコップを抱き締めて。そして、彼はぼくを呼び止めると、埋めて欲しいとねだったのだった。

2015-04-01 00:23:59
@tu_2z

四月一日の歌を歌おう、四月一日の歌を歌おう。用意は万端、後はお客様が来るのを待つだけです。ぼくらのぼくらのすぺしゃりてが来るのをお皿の縁をフォークとナイフで叩いて待っている。おいでませませ、お客さま。今年のメニューは鯖のパイと鹿のソテーと馬の刺身です。待っております、お客さま。

2015-04-01 08:09:29
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