◆獅子◆イクミニごはん◆二次創作な◆
- sakatamaki
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(「'ω')「◇獅子◇ これから連投するツイートは、ツイッター連載翻訳小説「ニンジャスレイヤー」の私的二次創作小説です。 原作の設定諸々を用いますが、原作ストーリーとの関連は一切ありません。あくまで趣味の物としてお楽しみ頂ければ幸いです。 (「'ω')「◇構え◇
2015-01-16 20:12:04(「'ω')「◇ありがとうございます◇ 拙いアソビではございますが、お楽しみ頂けましたら嬉しく存じます。 また、もし実況頂けるというブッダ同然な方がいらっしゃいましたら、#shishi_nj タグをお使い下さい。 (「'ω')「◇ありがとうございます◇
2015-01-16 20:12:47(「'ω')「イク 今回のお話はイクミニが足りなくて泣いてる子もいるので作られた あとアレをリスペクトしてます。アレとはなにか?読めばわかる (「'ω')「ミニ
2015-01-16 20:14:18「エーラッシェー!」店主の威勢のいい声に迎えられながらノーレンを潜ると、そこはちょっとした異空間である。顔を顰めるような生々しい匂いが揺蕩い、鉄のきしりと油の爆ぜる音が絶え間無く響いている。1
2015-01-16 20:17:28「エーラッシェーッ!」よく研修された店員が景気良く唱和する。カウンターには汚れたツナギを着た体力自慢の肉体労働者達が5人並び、奥の狭苦しいテーブルには安手のスーツ姿の中年サラリマン達が、太った腹を押し込んで座っている。2
2015-01-16 20:20:41ノーレンを潜った客…防酸性レインコートに身を包んだミニットマンは、畳んだPVC傘を無造作に傘立てに突っ込み、後ろにいる連れに顎をしゃくった。ミニットマンに続いて入ったイクエイションは、店内の狭さと熱気に驚いたようだった。こういった店は未経験なのだ。3
2015-01-16 20:24:16「カウンタードーゾ!」四角いトレイにドンブリを乗せた背の低い中年女性店員が2人の目の前を小走りに通る。通り過ぎるのがやっとの狭い店だ。ミニットマンがカウンターの端に空いた狭苦しい椅子を示す。2つ空いている。4
2015-01-16 20:27:40ミニットマンが一番端に座る。イクエイションは隣に座った。釘の頭めいた形状のイスが軋む。とにかく狭い。隣の体格の良い肉体労働者と肩が触れ合う。ズルーッ!ズルズルーッ!肉体労働者は構わず、一心にドンブリのヌードルを掻き込む。5
2015-01-16 20:30:57釘の頭めいた形状の椅子は床に据え付けられており、退きも躱しもならぬ。クッションとも呼べぬバネの感触だけがギシギシと伝わる。なんたる店か。イクエイションは不快だったが、ミニットマンは当然という顔をしている。イクエイションはたまりかねて話しかけた。「…お前」「ウン?」6
2015-01-16 20:34:52イクエイションには信じられぬことだが、ミニットマンの機嫌は良い。ゴウン、ゴウンと、大きな丸い鉄鍋を振る音が店内に響く。ズルズルーッ!ズルズルーッ!客たちは声もなく一心不乱にヌードルを掻き込む。不思議なアトモスフィアがあった。7
2015-01-16 20:38:28イクエイションは何故だか声を潜めて続けた。「…よく来るのか」「時々な」ミニットマンは色褪せたポスターを眺めながら応える。ポスターの中では、PVC水着姿のオイランが過剰に健康的な色気を振り撒いている。8
2015-01-16 20:41:46先日のミッションは激戦だった。実際、九死に一生を得たと言っていい。敗色濃厚な部隊からトカゲの尻尾めいて切り捨てられたミニットマンとイクエイションは死を覚悟したが、カジバチカラめいたカラテで包囲を突破して、なんとか生還した。それが10日前の事だ。9
2015-01-16 20:45:04満身創痍の2人はひとしきりオバケ扱いされた後、後送されて軍病院に入院した。実際貴重な戦力であるニンジャは、生還すればそれなりに大事にされる。緊急手術、ズバリ投薬、高度医療調整されたスシ。2人はニンジャ回復力を取り戻し、急速に回復した。10
2015-01-16 20:48:50身体が概ね回復すると、次の問題が持ち上がった。飽きたのだ。病院は清潔で落ち着いているが、楽しみらしい楽しみもない。カラテはできぬ。サケも厳禁。とりわけ食事だ。こんな塩分調整された医療用スシの繰り返しでは、健康的になりすぎて死んでしまう。11
2015-01-16 20:52:14そう合意に達した2人はニンジャ脚力を発揮、自主的に一時外出した。栄養じゃない。メシだ。ガツンとカラテの効いた、不健康な食事が必要だ。幸いミニットマンには心当たりがあった。イクエイションもそれに乗った。それがここ、ユノミ・ストリートのうらぶれたチューカヤというわけだった。12
2015-01-16 20:56:17「ゴッソサン」「アリガトゴザイマス!」肉体労働者達がトークンを支払い退店する。するとすかさず「エーラッシェー!」新しい客だ。サラリマン3人。昼時ということもあるが、実際繁盛しているのだ。13
2015-01-16 21:01:23「ゴチュモンイカガデスカー?」背の低い中年女性店員がオーダーを取りに来た。イクエイションは慌てた。「アー…」その様子を見てミニットマンが助け舟を入れる。「これがいい」カウンターに貼り付けられたメニューを指し示す。14
2015-01-16 21:05:12『 Aセット ラーメン(塩・ショーユ)+チャーハン+ギョーザ3ケ』イクエイションは従うしかない。「アー、Aセット」「お味は?」イクエイションがミニットマンを見る。「塩がいい」「塩で」「ハイ塩で!」中年女性店員が頷く。15
2015-01-16 21:08:56「俺はニンニクイタメラーメン」すかさずミニットマンが注文する。(((Aセットじゃないのか?!)))動揺するイクエイションを尻目にミニットマンが続ける。「サービスライスも頼む」「アイ、アイ!」(((サービスライスだと!?)))16
2015-01-16 21:12:25イクエイションがメニューを確認する。片隅に『麺類にはサービスライスがある』の表記。イクエイションは震えた。「Aセット、シオイッチョ!ニンニクイタメ、サービスライスイッチョ!」店員の威勢のいい声が響く。「お前」「ン?」ミニットマンは気にした様子もない。17
2015-01-16 21:15:49「…なんでもない」イクエイションは黙った。文句を言えば負けな気がしたからだ。メニューを確認しなかったこちらのウカツだ。ミニットマンが立ち上がり、カウンターの端にある給水機からコップに水を入れて寄越した。セルフサービスなのだ。(((なんて店だ。こんな下層労働者向けの…)))18
2015-01-16 21:19:08憤懣やる方ないイクエイションは、再びミニットマンに話しかける。「おい、この店はオシボリが無いのか」冷えたオシボリは、ネオサイタマの飲食店ではつきもののアイテムだ。来店時に店員が持ってくるものと相場が決まっている。だがこの店はその素振りすら無い。19
2015-01-16 21:22:30「それがあるだろ」ミニットマンが指を指す。カウンターの上のそこかしこに、ボール紙製の箱が鎮座している。ティシューボックスだ。「これか?!」「そうだ」ミニットマンは当然という顔をしている。(((これで手を拭けというのか)))20
2015-01-16 21:25:46